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能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

東京地検特捜部 巨悪を叩く検察のエリート集団に期待です

2014年10月31日 | 社会・経済

政治汚職、大型経済事件などで名前が出てくる東京地検特捜部

正式名称は、東京地方検察庁特別捜査部。


40数名の検察官と90名の事務官で構成されているとのことです。

巨悪を眠らせないという姿勢は、過去、ロッキード事件、リクルート事件などでも大きな活躍をしました。

検察の中でもスーパーエリートの集団である特捜部・・・東京、大阪、名古屋の3都市にあるとのことですが、

特捜部が動くというだけで大きな牽制作用があるように思います。


昔、インサイダー事件で逮捕された容疑者が、「どうせ捕まるなら、特捜部につかまりたかった」と述べたとのこと。

同容疑者は、警視庁に逮捕されたので、検察官ではなく警察官から逮捕状が示されたということなのでしょう。


今も、栃木県の衆議院議員の政治資金問題で家宅捜査を開始したところ。

東京地検特捜部が動くということだけで、関係者は、ものすごいプレッシャー、圧力があると思います。


テレビドラマ「HERO」で検事役のキムタクさんがブレークしています。

日頃スポットライトがあたらない検察官が、今、脚光を浴びています。


巨悪を許さない、悪人を眠らせない・・・。

社会正義の実現のためにも、ぜひとも真実を暴き、法の適用をしていただきたいものです。


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社長は労働法をこう使え!経営者側弁護士のリアルな一冊 人事異動は使用者の最大の武器・・・

2014年10月30日 | 本と雑誌

国会では、労働者派遣事業法の改正法案で与野党が論戦を交わしています。

非正規労働者を巡る法整備はとても重要な問題です。


日本の労働法は、大正時代に施行した工場法がベース。

ベルトコンベアが動き始めて労働開始、ベルトコンベアが止まり労働終了・・・そんな労働時間管理が土台となっているのです。

それが、戦後、労基法となり、ホワイトカラーが過半数を占める日本の労働事情とは、かなりのミスマッチを起こしています。

突然、残業代の請求訴訟が起こったり、解雇を巡るトラブルが起こったり・・・。

労基法の第32条の労働時間の条項を見ると、思わず笑ってしまいます。

工場法ベースの労働時間を修正し、ホワイトカラーに合わせるために32条の2、32条の3・・・32条の10・・・延々と続きます。


広告代理店のデザイナーやクリエイター、一日外勤・直行直帰の営業担当者、SEやプログラマーなどの専門職、24時間働く為替ディーラー・・・彼彼女を現在の労働法の枠組みの中でとらえるのは、もうほとんどムリな世界に突入しているのではないでしょうか?


しかも、日本では、裁判所も労働委員会(地労委、中労委)も、労働者側のスタンスに立つことが多く、訴訟、労働審判などになると労働者側が主張を認められることが多いと言えます。


もちろん、労働についての社会的弱者は存在するわけで、そこはちゃんと対応しなければならないのですが・・・。


今回の一冊は、経営者側のスタンスに立つ弁護士さんの一冊。

労働者の権利の方が強い今、多額の残業代を請求され倒産、労働争議が起こり夜逃げ・・・そんなリアルな事件、ケース入りで解説されています。

 

「社長は労働法をこう使え!」

向井蘭著 ダイヤモンド社 1600円+税

 

サブタイトルは、「プロ弁護士が教えるモンスター社員・ぶら下がり社員へのリアルな対応事例」。

最近では、働かないオジサン問題も再燃していますが、

ぶら下がり、フリーライダー問題もいまから高齢化を向える会社組織にとっては、重要な課題だと思います。


著者の向井さんは、経営者側弁護士。

日本の弁護士は、約3万人。

そのうち経営者側に立って弁護している人は、なんと、100名だそうです。

会社法務や不動産法務などに比べれば事件に関わる金額のケタが2つくらいは違う労働事件。

弁護士報酬も少なくなるこの労働分野を専門とする弁護士が少ないのも分かる気がします。

また、人が関わるだけに、切った、張ったという凄まじい場面にも遭遇しなければならない経営側労働弁護士。

ただ、これから増える人の問題。

何とか労働法を扱う弁護士さんが増えないものかと思います。

 

目次

第1章 社長のための労働法入門

第2章 社長なら知っておきたい労働法の新常識

第3章 もめる会社は決まっている

第4章 もめる社員も決まっている

第5章 トラブルが起きたらどうするか

第6章 そもそもトラブルをどう防ぐか

第7章 ぶら下がり社員、モンスター社員を解雇する方法

 

同書の中では、リアルな事例がたくさん出てきて驚かされます。

・仮処分を繰り返して生活しているモンスター社員がいる

・正社員を解雇すると2000万円かかる

・成果をあげても、勤怠不良は許されない

・人事異動は使用者の最大の武器 ・・・


会社の経営をされている社長さん、総務部長には、ぜひとも一読いただきたい一冊です。


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「神戸屋で朝食を」・・・たまにはリッチなブレックファースト パン屋さんの焼き立てパンは最高です

2014年10月29日 | グルメ

近所にある神戸屋さん。

モーニングサービスがあります。

休みの日、たまにはリッチな朝ごはんを・・・。


ということで、日経新聞とお気に入りの本を持って、ゆっくりと朝飯。

500円、700円、1000円という3つのコースがあるのですが、その真ん中のコースをオーダー。

美味しい珈琲も飲み放題。

ウエイトレスさんもとても親切で、ホスピタリティ度もなかなか高いレベルです。

 

パンの焼ける香ばしいスペースの中で、焼き立てのパンを食べる・・・。

なかなかリッチな気持ちになります。

しかも、料金はホテルの半額以下。

たまには、リッチなブレックファースト。

コーヒーが、心も温めてくれます。


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タワーレコード渋谷店 まだまだ頑張ってほしいSHIBUYAの音楽発信基地 頑張れ!タワレコ

2014年10月28日 | まち歩き

年を重ねてくると、いろいろなものが生活の中から消えていきます。

かなり意識して努力していかないと、時代の流れに取り残されていく・・・そんなことを友人と話しながら飲んでました。


「最近、CDを買ったのは、いつだっけ?」


「直近でコンサートや演劇に出かけたのは、いつだっけ?」


「最近、映画館に行ったのは、いつころ?」・・・


ICT化の進化、スマホやタブレットの普及で音楽のダウンロードやツタヤのレンタル等で映画館やCDショップもなかなか厳しい経営状況に陥っています。

が、現場でのライブ感は、やはりドラマチック。

アナログな世界は、人間にとってとても大事なことだと思います。

 

そんな中、久々に目に飛び込んできたタワーレコードの看板が目に入り、入店。

溢れるばかりの音楽の世界に浸り、CDを購入しました。

 

渋谷にタワーレコードがオープンしたのが、1995年。

音楽ファンにとってはエポックメーキングな出来事でした。

ちょっと元気のなくなった公園通りにふたたび活力が戻ったことを覚えています。

調べてみると、タワレコの日本初進出は、1979年・・・札幌市だったとのことです。

それから、ロックやソウルなど米国系音楽の殿堂として、大きな影響力をキープしてきました。


デジタルの時代だからこそ、ヒューマンなアナログが求められる時代。

ハイテクとハイタッチのハイブリッド・・・。

厳しい時代・・・

タワレコ渋谷には、ホント頑張ってもらいたいものです。

 


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東京オリンピックメモリアルギャラリー・駒沢公園 スポーツの力はすごいものですね

2014年10月27日 | スポーツ

駒沢オリンピック公園の体育館地下に「東京オリンピックメモリアルギャラリー」があります。

 

今から半世紀前、アジア最初のオリンピックが開催されたTOKYO。

東海道新幹線が開通し、首都高速道路が整備され、人々のライフスタイルも大きく変化した1964年でした。

ここ駒沢の体育館でも「東洋の魔女」と呼ばれた女子バレーボール代表チームがソ連を破り金メダルを獲得します。


その記念として、開設された「東京オリンピックメモリアルギャラリー」。

入場料は無料ですが、なかなか充実した展示です。

特に、ここに展示されている写真類は、ライブなスポーツシーンを撮った力作揃い。

スポーツのパワーを感じさせます。

館内は、撮影不可なのでその感動はお伝えできませんが・・・。


入口の横には、選手の身長が身長計とともに表示されています。

北島選手は178㎝、体操のエース内村選手は161㎝、女子レスリングの吉田選手は156㎝。

小柄な身体で世界と戦い、勝つ・・・ものすごい練習量、志、気力、体力なんだろうなあ。

本当にスポーツというのは、素晴らしいものです。

 

そして、2020年。

ふたたび五輪が東京で開催されます。

インフラが増強され、人々のライフスタイルも変わっていく・・・。

グローバル化、ICT化、デジタル化がますます進化していくものと思います。

 


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東京ラーメンショー2014 今年は味噌ラーメンがトレンド 味噌ラーメンファンにはタマラナイ第一幕でした

2014年10月26日 | グルメ

恒例の東京ラーメンショーに行ってきました。

朝食を抜き、徒歩で30分・・・駒沢公園に。

お腹ペコペコ・・・。

 

今年もたくさんのラーメンファンが詰めかけています。

入口で公式ガイドブックをいただき、チケット売場へ。

 

えっ、今年は一杯850円。

昨年は600円だったような記憶が・・・。

半ラーメンで850円・・・フツー、お店で食べれるラーメン料金です。

学生さんには、ちょっとつらい価格設定です。

まあ、お祭り料金ということで二枚購入して、行列に並びます。


第1幕(10/24~10/29)における今年の特徴は、味噌ラーメンが多いこと。

20店のうち6店が味噌系、しかも濃厚系。

札幌、北海道だけではなく、北陸や信州、奈良といった全国の味噌ラーメンを楽しむことが出来ます。

味噌ラーメンファンの私としては、たいへん嬉しい味噌ラーメンのムーブメントです。

 

まずは、一杯目。

「札幌濃厚旨味噌ラーメン2014バージョン」

 

札幌で修行された3人の兄弟弟子・・・富山、江戸川区、台東区のお店のノウハウを凝縮した一杯です。

濃厚な味噌、焦がしニンニク、薬味、ひき肉、もやし・・・そしてチャーシュー。

このチャーシューがなかなか美味しい逸品。

全体的にもなかなかバランスの良い味噌ラーメンでした。

 

そして、2杯目も味噌ラーメン。

ネーミングがすごいです。


「信州麺友会 完全無敵の味噌ラーメン」

 

見た目でビックリ。

ボリュームでびっくり。

信州名物の山賊焼き・・・鳥の唐揚げがずっしり・・・。

さらには、ドでかい海苔がついたて、壁のようにそびえ立ちます。

海苔ノサイズは20センチ以上あるのではないでしょうか?

そこに、味付け玉子、生キャベツ、ネギがトッピング・・・すごい状態になります。

 

もし、一杯目にこのラーメンをチョイスしていれば、2杯目は食べられなかったと思います。

このほか、徳島ラーメンや100年前の日本最初の醤油ラーメンなどにも食指が伸びましたが、お腹いっぱいでギブアップ。

10月30日からの第2幕にも期待しています!


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マーケティング4.0 現代マーケティングの父コトラー博士のインタビュー 自己実現時代のマーケティング

2014年10月25日 | マーケティング

自己実現時代のマーケティング4.0

日経ビジネス誌2014.10.27号でフィリップ・コトラー博士のインタビューが掲載されています。

とても面白く読ませていただきました。

そういえば、数年前にもコトラー博士の取材記事が出ていたように記憶しています。


「現代マーケティングの父」と紹介。

ピーター・ドラッカー博士と並ぶ現代経営学の巨匠です。

ドラッカー経営学は、とてもコンセプチュアル。

れに対しコトラーマーケティング学は、とてもテクニカル。

競争戦略論を説いた天才ポーター博士のように冷徹、クールではないコトラー博士は人間起点。

とても好きなマーケティング学者です。


そのコトラー博士は1931年の生まれ。

ということは83歳。

ドラッカー博士も含め経営学者は本当に長寿です。


はじめてコトラー博士の書籍に出会ったのが大学図書館。

その分厚い本のボリュームに圧倒されました。

マーケティング2.0の時代です。


そして、就職した広告代理店では、マーケティングの実務家から(当時マーケターと呼んでいました)コトラー博士の理論に肉付けしていただき、現場でのトライアル&エラーにチャレンジしました。


マーケティングのライフサイクル理論、マーケティングコンセプト、マーケティングコミュニケーションから始まり、

STP理論、ニーズ-ウォンツのフレームワーク・・・、

そして最近ではソーシャルマーケティング、CSRマーケティング・・・、

時代はマーケティング3.0の時代に突入しました。


マーケティング=経営というフレームも固まってきました。

 

マーケティング1.0・・・製品の販売を目的

マーケティング2.0・・・消費者の満足させることに知恵を絞る

マーケティング3.0・・・より良い社会を実現するという崇高な目標を掲げて消費者に価値観を訴える

マーケティング4.0・・・自己実現を求める消費者、生活者のニーズに応える

 

コトラーマーケティングの支柱は、マズローのピラミッドにあるように思えます。

となると、5段目のさらに上、「自己超越」というのがマーケティング5.0になるようと想像できます。


デジタルの進化、スマホの普及、ソーシャルメディアの浸透、グローバルの波といったものが、新たなウェーブとなってくるのでしょう。


日経ビジネス誌による「マーケティング後進国とも揶揄される日本企業に期待することは?」という質問に対し、

コトラー博士は次のように回答されています。

 

「対象とする顧客を明確にし、そのニーズを深く理解して成長を続ける、真にマーケット主導型の日本企業が増えることを願う。

マーケティングとは経営そのもので、消費者に自社を愛してもらうことが最終的なゴールだ。」


コトラー博士のマーケティングの円盤モデルの進化で説明できる今回の回答。

マーケティング戦略ではなく、戦略マーケティングの時代となっていることを再認識したインタビュー記事でした。


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東京青山のお洒落な銭湯・清水湯でアーバンリゾート 湯上りのビールは最高です!銭湯ルネサンス

2014年10月24日 | まち歩き

南青山・清水湯


なんと、青山通と表参道から2分のところに銭湯・清水湯があります。


さすがに短パンとサンダルで出かけるわけにはいかないのですが、設備も最新、とても綺麗な銭湯です。

たった460円で楽しめるアーバンリゾート。

湯上りには、生ビールもいただくことが出来ます。

「ゆ」というロゴもなかなかオシャレです。

まさに銭湯のCIです。

 

銭湯は、2階部分、上層階はたぶん賃貸ワンルームマンションになっているんだと思います。

都内で銭湯が減少している中、都心のど真ん中で経営するオーナーの心意気が伝わってきます。


大田区でも新たに銭湯が開店したということですので、減少傾向の都内銭湯にブレーキがかかったのかもしれません。

 

清水湯さんは、面積的には、それほど大きくはないのですが、

ジャグジーや泡ぶろ、薬湯など、なかなか充実した設備に驚かされます。


お客さんも髭をはやしたクリエイター風の方もおり、都会の風を感じさせます。


休みの日、散歩がてら出かける南青山。

一風呂浴びた後、ビールを引っ掛け、青山ブックセンターで本を買い、渋谷か原宿まで散歩・・・。

なかなかオツなものです。


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広島カープは野間外野手を獲得 今年のドラフトは菊池選手の後輩が入団?中京学院大学と中部学院大学

2014年10月23日 | カープ大好き!

最近のドラフトは、パリーグのくじ運がいいですね。

羨ましい限りです。

ドラフト第一人気の広陵高校-早稲田大の有原君は札幌へ。

カープ福井投手の後輩でもある安楽君は、楽天へ・・・。

みんな北に行っちゃいました・・・。


北海道の北広島町は、昔、広島からの入植した人たちが作った町ということで、まんざら広島と無縁の地域ではありません。

日ハムに入団される以上は、地元のために最大限の努力をしていただきたいと思います。


有原投手の入団で、大谷投手、斉藤投手などとともに北海道に投手王国が誕生するかもしれません。


カープが逃した有原投手・・・本当に残念です。

有原投手がズムスタに立てば、すごい声援と場内の盛り上がりが期待できたのですが・・・。

地元広陵高校出身ということで、熱狂的な応援があったと思います。


今年のドラ1大瀬良投手、ドラ2九里投手、ドラ3田中内野手・・・みんな活躍しただけに、今年の有原投手のパリーグ入りは本当に残念でした。

パリーグでの活躍を期待しています。

体調管理に注意して、シーズンを乗り切っていただきたいものです。

 

カープが交渉権を獲得したのは、野間外野手。

なんと菊池内野手の後輩と思いきや、中京学院大学ではなく中部学院大学です。

カープのスカウトは、中部地方の他の大学まで視察に行かれていたのでした。

本当にすごいカープの目利きスカウトに脱帽です。

カープのスカウトの目にかなった野間選手・・・本当に頑張っていただきたいものです。


目玉がないと言われた今年のドラフト・・・2015年のシーズンで芽が出るよう、新人王を獲得できるよう期待しています。

がんばれ!ルーキー!!!


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岩波新書「京都<千年の都>の歴史」・・・重層的な京都の歴史を体感できる一冊 本京都と東京都

2014年10月22日 | 本と雑誌

1400年の歴史を持つ京都。

泣くよ(794)鶯、平安京」で覚えた794年に築かれた京の都。

桓武天皇によって遷都された日本の中心です。

神社、寺、文化施設、花街・・・戦災を受けなかった都は、底知れずの魅力を持つ日本の都でもあります・・・。

 

「京都<千年の都>の歴史」

高橋昌明著 岩波新書 840円+税

 

著者の高橋さんは、神戸大学名誉教授。

中世史が専門の学者です。

同書の帯のタイトルは、「花の都を知り尽くす」。

地味で真面目な岩波書店としては、ぶっ飛んだキャッチフレーズ・・・。

ただ、内容的には、歴史検証をベースとした、とても学術的な一冊です。


歴史に寄り添いながら地道に解説していくスタイルには、とても共感を覚えました。

特に、第3章の「平安京から京都へ 中世の幕開け」は圧巻です。

中世を専門とする高橋先生の独壇場の解説です。

 

・院政と王家の成立

・白河の六勝寺

・法勝時と八角九重寺

・鳥羽殿

・摂関家と宇治

・六波羅と西八条

・法住寺殿

・鳥羽利休から法住寺殿御所へ

・青蓮院と三千院

・内裏と大内裏の造営・修造

・国家業務運営の場

・荘園の激増

・桑園領主の集住する都市へ

・淀・大津と

・平安京から京都へ

・街小路のにぎわい

 

著者の専門分野である中世史の解説は、ライプな迫力があり、読み応えもあります。

今日の都が出来たベースが、まさにここにあることを丁寧に解説していきます。

 

目次

第1章 平安京の誕生

第2章 花の都の光と影

第3章 平安京から京都へ 中世の幕開け

第4章 京と六波羅 内乱と災厄を経て

第5章 武家の都として 南北朝から室町へ

第6章 都を大改造する 信長と秀吉の京都

第7章 イメージとしての古都 江戸時代の京都

結び 古都京都のゆくえ

 

1868年の明治維新まで日本の都だった京都。

その京の都の今までと、これから・・・。

著者の高橋さんは、京都への愛着とともに、明日の京都への想いを寄せます。

その愛情がひしひしと伝わってくる同書。


 以前、経営コンサルタントの大前研一さんが首都遷都に関わるアイデアとして、

京都を「本京都(本当の京都)」とし、「東京都」と対比させながら説明されていたことを思い出しました。

西の京都、東の京都という韻を踏んだユニークなアイデアです。


政治・行政の京都、経済の東京というポジショニングも、日本の国土軸という観点からすると、なかなか面白いと思います。

京都好きな方に、ぜひとも読んでいただきたい一冊です。


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