能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

新・日本の階級社会 もはや「格差」ではなく、「階級」・・・固定化し、次世代へ 「継承」される負の連鎖

2018年02月28日 | 本と雑誌
もはや「格差」ではなく、「階級」
 
固定化し、次世代へ

「継承」される負の連鎖

900万人を超える新しいアンダークラスが誕生。

日本社会未曾有の危機。


帯に、何ともショッキングなコピーが並ぶ講談社現代新書の新刊。
全国的な本のランキングでもトップ10に入っています。

1980年前後から始まった「格差拡大」というキーワード。
「一億総中流」という言葉が過去のものになりつつあります・・・。
さらに、「格差社会」という言葉が、2006年以降拡散し、今では日常的に使われています。

新・日本の階級社会
橋本健二著  講談社現代新書  900円+税

著者は、早稲田大学人間科学学術院教授。社会学を専門としています。
著書には、「階級社会」、「格差の戦後史」、「階級都市」など。
格差、階級を研究している学者です。

現代の日本社会には、5つの階級構造で構成されていると指摘します。

資本家階級・・・経営者、役員
新中間階級・・・被雇用の管理職、専門職、上級事務職
旧中間階級・・・自営業者、家族従事者、農業
労働者階級・・・被雇用の単純事務職、販売職、サービス職、その他マニュアル労働者
アンダークラス(非正規労働者)・・・パート、アルバイト、派遣社員

資本家階級・・・254万人 4.1%
新中間階級・・・1285万人 20.6%
旧中間階級・・・806万人 12.9%
労働者階級・・・3905万人 62.5%
アンダークラス(非正規労働者)・・・928万人 14.9%

同書では、政府の統計、SSM調査、首都圏調査データを駆使しながら、論点を浮き彫りにしていきます。
ちょっと修士論文を読むような感じでストーリーが展開されます。

目次

第1章 分解した「中流」
第2章 現代日本の階級構造
第3章 アンダークラスと新しい階級社会
第4章 階級は固定化していくか
第5章 女たちの階級社会
第6章 格差をめぐる対立の構造
第7章 より平等な社会を

最後に、格差、いや階級差を縮小していくために、著者は次の8つの切り口を提示します。

1.賃金格差の縮小
・均等待遇の実現
・最低賃金の引上げ
・労働時間の短縮とワークシェアリング

2.所得の再分配
・累進課税の強化
・資産税の導入
・生活保護制度の実効性の確保
・ベーシックインカム

3.所得格差を生む原因の解消
・相続税率の引き上げ
・教育機会の平等の確保

豊かな人はより豊かに、貧しい人はより貧しく・・・
著者は、日本型の階級社会に警鐘を鳴らします。

ひとり親世帯の半数(50.8%)が貧困層の社会。
男性の3割が経済的理由から結婚できない社会。
中間層は「上昇」できず、子どもは下の階級に転落する社会

もはや「自己責任」論では済まされない状況になっていると指摘します。
著者は、無階級社会ではなく、非階級社会を目指す・・・そのためには、リベラル派の結集が必要であると論をまとめます。
民主党も空中分解を起こした日本・・・今から格差は更に進んでいくように思います。

トランプ大統領や安倍総理の時代も続きそうですし、格差、階級の問題解決は、まだまだ先延ばしになりそうな予感。

もっともっとソーシャルな視点、視座を持たなければならない世界にしていかなければならないと思います。

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広島ラーメン「陽気」 お好み焼きに匹敵するぐらいの広島のソウルフード・・・B級グルメの持つ強力な引力

2018年02月27日 | グルメ
お好み焼きに匹敵するぐらいの広島のソウルフード・・・広島ラーメン。
その代表選手が、「陽気」です。

広島ラーメンは、豚骨と醤油のミックスダブルスがベース。
細めんに、チャーシュー、もやし、ネギと、とてもシンプルなラーメン。
ときどき無性に食べたくなります(笑)。


とてもシンプルで清潔な店舗。
無駄なものが一切ありません。
メニューもラーメン(税込600円)とおにぎりの2種類だけ。


店員さんもテキパキとスピーディに仕事をこなしていきます。
いつまでも続けていただきたい名店・・・陽気です。


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6本の川が流れる水の都・広島の雁木 広島市民と川を繋いでいます 水辺のカフェも今からがシーズン

2018年02月26日 | まち歩き
広島は、川の街。
三角州(デルタ)の中、6本の川が流れています。


市民が水に親しめるよう行政も水辺のカフェやレストランの整備を進めています。


ちょっと春の気配。
牡蠣レストランやイタリアン、タイ料理のテラス席も次第にお客さんが増えてきました。
 


雁木(がんぎ)。
川に降りていくための石の階段です。
江戸時代の物流の中心は川を使った水運。
この雁木に船を横付けし、荷物や食糧を荷揚げ、荷下ろししていました。
広島市内には、この雁木がいたるところにあります。
その数は、約400か所。

現在では、NPO「雁木組」が水上タクシーを運営しています。
雁木を使って、タクシーのように人々を運ぶ・・・なかなか粋な取り組みだと思います。
 

川や海・・・ココロを癒してくれます。

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最高のコイの見つけ方。カープファン倶楽部から会員証とともに2018年のカープグッズが届きました

2018年02月25日 | カープ大好き!
朝夕は、まだまだ寒いですが、日中は春の予感。
沖縄では、オープン戦も始まりました。
ヤブタ君もなかなかのピッチング、メヒア君もなかなか鋭いバッティングで猛アピール。
今年も、しっかり調整して開幕戦を迎えてもらいたいものです。


今年もカープ球団から、カープファン倶楽部会員証とともに2018年のカープグッズが届きました。
今年は、2トーンカラーのユニフォーム。
 
 

そして、カープぼうやのクッションです。
この座布団、ズムスタに持っていくには、コンパクトでちょうどいいサイズです。
 

会員証は、「最高のコイの見つけ方。」。
誠也とブラッドの2ショットです。

球団初の3連覇をかけて、そして「日本一」という忘れ物を取りに行くの戦いが始まります。
がんばれ!カープ

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コメダ珈琲でモーニング シンプルな空間で美味しいコーヒー・・・スタバとは異なるニッポンの喫茶店です

2018年02月24日 | グルメ
コメダ珈琲と言えば、モーニング。
 
 
朝、コーヒーをオーダーすると、コーヒー一杯の価格でトーストと卵がついてきます。
中京方式と呼ばれているようです。


朝行くと、ちょっとした行列・・・人気あるんですね。


1968年に名古屋で生まれたコメダ珈琲は、全国に764店舗。
220億円の売上で、経常利益40億円・・・なかなか良好な経営状態です。
IRもしっかりしており、好感のもてる企業です。


おなかが空いたので、欲張って名物のサンドイッチも注文。
ちょいと食べすぎです(笑)。

新聞の種類も充実しています。
朝の時間を楽しむことのできるコメダ珈琲店です。


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常勝投資家が予測する日本の未来 2025年に何が起きているのか?7年後のニッポンの姿を予測

2018年02月23日 | 本と雑誌
ちょっと面白い未来予測本を手に取りました。
未来と言っても、7年後の日本。
東京オリンピック、パラリンピック後の世界です。


常勝投資家が予測する日本の未来 2025年に何が起きているのか?
玉川陽介著  光文社新書 780円+税

著者の職業は、投資家。
20歳代で情報処理受託の会社を立ち上げ、上場企業に売却。
100億円の資産を持つ「常勝」投資家とのことです。

著者は、「金融経済」「情報技術」「社会システム」という3つの切り口から、日本の7年後を予測していきます。
見立て、目論見も、かなりポジティブで、世界経済、日本経済も明るいと指摘しており、読んでいて楽しい一冊です。

目次

第1章 金融経済のゆくえ 
・日本はふたたびバブルを経験する
日本経済の躍進は東京五輪のあとも続く
・アジア人富裕層が経済移民として押し寄せる
・地方にこそ世界を変える夢がある

第2章 情報技術のゆくえ
・渋谷のビル街の栄枯盛衰
・キラキラした経営理念の裏にギラギラした別の夢
・まとめサイトは終わり理工学ベンチャーへ
・1対n産業で日本の製造業は再び輝きを取り戻す
・人工知能と遺伝子情報で情報工学は神の領域へ

第3章 社会システムのゆくえ
・古典と漢文は社会で役立たないのでなくなる
・英語は誰でもできる時代に
一億総契約社員時代の到来
・一致団結のチーム戦から成果報酬の個人戦へ
士業の多くは仕事がなくなり廃業する
・社会的地位の向上する現場系士業
・天下りと利権団体は解体される
・購買履歴で個人の行動が丸裸に

学者でもなく、エコノミストでもない投資家である著者が語る日本の未来・・・なかなかリアルで生々しい切り口が面白いです。
各章の最後にあるコラムも、なかなか新鮮です。
ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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サカナカナッテ・・・広島市中区白島 ケーキ屋さんかと思ったら、海鮮丼やお刺身をサーブする店がオープン

2018年02月22日 | グルメ
広島市の白島にオープンした「サカナカナッテ」。
洒落た店名。
海鮮料理のお店です。



ちよっとケーキ屋さんのような、お洒落なファサード。
イートインもテイクアウトもOK。


ランチ「選べる海鮮チラシ丼」は、780円。
5つのお刺身をチョイスして自由に組み合わせ。
こちらもケーキ屋さん風です。
お魚の味噌汁と漬物がついています。
なかなか工夫された飲食店だと思います。


最近、海鮮丼やお刺身のお店が増えている感じがします。
ちょっとしたブームになっているんですかね。

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新幹線レールスターと久々の再開 定年後、再雇用や再就職したシニア社員も、こうありたいものです

2018年02月21日 | 日記・エッセイ・コラム
出張で、新幹線レールスターと久々の再開。
懐かしいです。
 

2000年にJR西日本に導入された「ひかりレールスター」。
当時最新の700系車両の花形車両でした。
4人乗りの個室が導入されたりと話題になりました。

栄光の日々を過ごした後、
今では、こだま号として各駅停車の新幹線となっています。
格下げになっても、かっての輝きを持ちながら誇り高く走り続けるレールスター。


定年後、再雇用や再就職したシニア社員も、こんな風に働き続けることが出来ればいいなあ、と思います。
いつまでも、走り続けてほしいレールスターです。

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海抜表示シート 地震や津波などの災害時にどこに逃げるのか?家族や友人、仲間とどう連絡を取るのか?

2018年02月20日 | まち歩き

最近、よく見かけるようになった海抜の標識。

正式には、海抜表示シートと言うそうです。

大きさは、30センチ、高さは1.5メートルのところに掲示する決まりがあるそうです。
国土交通省や地方公共団体が設置を進めています。


東日本大震災で甚大な被害をもたらした津波被害を踏まえ、津波被害軽減のための対策の1つとして、避難時の目安となる地盤の高さの情報を日頃から道路利用者に提供することを目的としているそうです。


よくよく考えると、海抜を知ることよりも、地震や津波などの災害時にどこに逃げるのか?家族や友人、仲間、会社の同僚とどう連絡を取るのかを日ごろから決めておく方が大事なような気がします。

何かが起こった時は、近所の小学校の体育館の横に集まると決めておくだけでも混乱に陥らずにすむと思います。

災害は、忘れた頃にやってくる・・・常に備え、準備しておくことが大切だと思います。


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社員の賞味期限 増える「歳だけ重ね人材」 今週の日経ビジネス誌のちょっと過激でショッキングな特集です

2018年02月19日 | 本と雑誌
社員の賞味期限 増える「歳だけ重ね人材」 ・・・。
「社員」のルビには、「アナタ」と入っています。
日経ビジネス誌2018.2.19号のちょっと過激でショッキングな特集です(笑)。


ITやAI、IoTなどの技術革新、グローバル化に伴う競争環境の変化、専門知識の欠如・・・生え抜きのプロパー社員に「お役御免」を言い渡される事例が増えているとのこと。

ビクッ!

その背景として、「企業の中から定型的な仕事(マックジョブ)」が減り、創造性の高い仕事(クリエイティブジョブ)が増えた結果、社員としての賞味期限を維持することが難しくなったと指摘します。

やれやれ・・・長年企業戦士として働いてきたおじさん、おばさんはどうすればいいんでしょうねえ。

この特集は、3つのPARTで構成されています。

PART1 キーマンほど生え抜きより外様
パナソニック、デンソー、ダイドードリンコ等の事例紹介

PART2 「歳だけ重ね人材」量産のメカニズム
「ITやAIなどの専門知識を学ぼうとしない」「グローバル化したのに語学力を高めようとしない」「現状に甘んじ未来を切り開く気概がない」という指摘もありますが、「企業における仕事の本質が根本的に変わった・・・マックジョブが減り、クリエイティブジョブが増えたこと」が「歳だけ重ね人材」量産の原因であると指摘しています。
「マックジョブ」とは、ファストフードのマクドナルド店で行われている定型的な仕事。米国ワシントンポスト紙が、「低賃金で必要な技術レベルが低く将来性のない仕事」として、マックジョブと呼んだようです。

マック型人材だらけ企業の特徴
1.学歴を重視した採用
2.終身雇用を前提とした人事制度
3.プロパー重視のキャリアビジョン
・・・これは、日本の大手企業で一般的に見られるものですよね。

PART3 出世するか高給マックを目指すか
厳しい現実に対し、マック型人材のサバイバル方法を紹介しています。

非クリエイティブ型社員が目指すべき道は2つある。
一つ目は早々に出世して、現場を統括する上級管理者になってしまうことだ。
苦手な創造性の高い仕事は現場にまかせ、自らは得意な数値管理に徹する。
(中略)
非クリエイティブ型社員が目指すべき2つ目の道は、今の会社を飛び出し、誇りあるマックジョブを見つけることだ。

そして、この特集の最後では、将棋の話が出てきます。
将棋の「歩兵」「香車」「桂馬」は前にしか進めない、だから一番端まで行ったら、
「将棋盤の外に飛び出せ」と助言します。

賞味期限は切れていても、消費期限は残っているかもしれません(笑)。

「社畜」「歳だけ重ね人材」「マック型人材」・・・日経ビジネス誌は、これからも、ニッポン経済の土台を支えるサラリーマンたちに厳しい指摘で、励まし続けていくことでしょう。

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