銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



勧誘や営利目的ではありません
あくまで個人の趣向の範囲とご理解下さい

10月26日

2015-10-26 | 経済動向
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1575/値下がり247と買いが優勢。業種別では全業種が上昇と幅広い銘柄が買われたが、なかでも不動産株が強く、野村不HDやNTT都市開発、大京などが大幅高となった。株高基調の強まりから野村HDなど証券株も買われた。円安進行で自動車株にも買いが向かうなか、中国の工場新設を見送ると報じられたホンダは4%超の上昇となった。良好な決算速報を発表したマネパGや、利益上振れ見通しを発表したシンフォニア、日経新聞で電通とスマホを活用したネット広告配信を始めると報じられたアクセルマークが急伸した。一方、業績下方修正を発表した第一実業や、きのう公開価格を下回るスタートとなったグリーンペプタイドなどが軟調となった。

日経平均は今週の上昇で1万8000円台後半まで戻した。日足の一目均衡表ではきょうの上昇で雲の下から中に入り込んできており、目先の底打ちがうかがえる。週足の一目均衡表では雲の上限水準まで到達し、来週はここを明確に上に抜けるかどうかが焦点となる。節目の1万9000円台も意識され、もう一段強含めば2万円も射程圏内に入ってくる。真空地帯でもあり、一気に駆け上がる可能性もあるが、急ピッチの上昇であることや、来週以降、国内外でイベントも多いことから、反動安の動きにも警戒しておきたい。ただし、ドラギECB総裁が年末の金融緩和に期待を持たせたことは、グローバル株式市場にとって非常にポジティブと考える。来週の日米中央銀行のイベントがどのような結果になったとしても、その後の株式市場の下支え要因となり、年末にかけては株高の流れが強まると予想する。

【来週の見通し】 波乱の展開を予想する。27~28日のFOMCおよび30日の日銀展望リポート、黒田日銀総裁会見が市場の大きな注目材料となる。ドラギECB総裁がお膳立てをしてくれた世界株高の流れを、FOMCと日銀がしっかり受け継ぐことができるかどうか。ドラギ総裁の発言が鮮やかであっただけに、米国に対しては利上げ見送り、日本に対しては追加緩和への期待が一段と高まりやすい。今回のFOMCはイエレンFRB議長の会見がなく、かつ29日に米7-9月期GDP発表を控えていることを鑑みると、恐らく利上げは見送りであろう。そのためFOMCは無風通過、12月まで米国利上げの話は沈静化で株高を後押しする流れになりやすい。一方、日銀はノーサプライズでは失望が予想される。企業決算の前半戦が国内市場にポジティブに作用していることに加え、中国では中国共産党中央委員会第5回全体会議への期待も高まりやすく、中盤までは楽観モードが強まりやすいが、世界的な金融緩和期待から大きく上げるような展開となった場合、展望リポート前に催促相場の様相が強まり、仕掛け的な売りが出てくる可能性もある。基調自体は上向きと考えるが、週末まで気が抜けない一週間となりそうだ。

【今週を振り返る】 堅調な週となった。ECB理事会を前に様子見姿勢が強まり、売買代金は低水準となったものの、安川電機を筆頭に、特に外需銘柄を中心に良好な決算が確認できたことから、指数は戻りの動きを強めた。大型株が相対的にしっかりで、全体をけん引する展開。ドル円が円安方向に振れたことや、海外市場が比較的おちついた動きとなったことも追い風となった。ECB理事会後のドラギ総裁会見では、12月の追加緩和を示唆する踏み込んだ発言が出たことから、23日の国内市場は全面高。日経平均は1万8900円台を回復する場面もあり、先高期待が強まった。日経平均は週間では約533円の上昇、週足では陽線を形成した。

トレーダーズウエブより