せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

ケマンソウ

2010-04-29 | 日記
畑の隅に斜めに伸びた細いつるのような茎に、いくつものハート型の花をつける植物が植えられていた。ケシ科ケマンソウ。別名は「鯛釣草」(たいつりそう)。 一体どこに雄しべ雌しべが隠れているのやら?左がつぼみ、真ん中のハートはもう少しで開きそう、右側は開花した状態でおさげ髪の女の子みたい。
 
つり下がった白い袋はなにか透けて見える。実はケマンソウもジロボウエンゴサクと同じ仲間で、この白い袋が内側の花弁でこの中に雄しべ雌しべが収まっている。葉はボタンの葉に形が似ている。

ジロボウエンゴサク

2010-04-29 | 日記
谷津田の小道の脇にはピンクの小さな花がたくさん咲いている。ムラサキケマンかとよく見るととっても似ているジロボウエンゴサクだった。ムラサキケマンと同じケシ科キケマン属なので花の形が似ている。
 
雄しべ雌しべは外からどうも見えにくい。この理由は上と下の花弁に挟まれて、内側に薄い花弁が2枚あるからだ。内側の花弁は縦に配置し、左右から閉じ合わされている。雌しべの柱頭や雄しべの葯は内側の花弁が作る空間(丸い部屋)にすっぽりと収まっている。
 
この周辺ではどちらも一緒に見られるので比較してみた。ムラサキケマンは葉が鋭く裂けた感じ。右がムラサキケマン。

ジロボウエンゴサクの葉は2-3回の三出複葉でひとつひとつの小葉は深く3-5裂する。

ジロボウエンゴサクのほうが上品な感じかな。

キアゲハ、ヒメシロコブゾウムシ、スジクロシロチョウなど

2010-04-29 | 日記
連休初日ということで車で遠出するには混雑が予想される。毎日60㎞以上も運転しているので休みの日くらいはのんびりしたいと今日は近くの谷津田を散歩。割といい天気。もう沢山の昆虫も顔を出している。キアゲハは羽化して間もないのだろう羽には傷ひとつなくて完璧だ。

 
タラノキがありトゲを見ているとゾウムシが歩いていた。家で種類を調べようとネットで検索。すぐにヒメシロコブゾウムシは山道の道沿いや山間地の耕作地周辺でシシウドやタラノキに見つかる、とあり写真もぴったり一致。全体に白くて背中(上翅上部中央あたり)が汚れたように黒いのが特徴らしい。畑の方に目をやるとスジクロシロチョウがセイヨウアブラナに集まってきた。

 
今度は林の下の草むらにホウチャクソウの花が咲いている。アマドコロと少し似ているが花は枝先につく。人がいるのにそこへマルハナバチがやってきて、花の中に潜り込んでいる。口(中舌)は蜜を取り出しやすいようにストロー状になっているので奥まで届くのだろう。ムギワラトンボも羽化したばかりの様子。

ウマノアシガタ 

2010-04-29 | 日記
野原からコナラとクヌギの林に移る辺りに遠くからきらきらと光る黄色い小さな花が見えていた。反射するものは小さくてもよく見える。先日みたキツネノボタンやタガラシと同じキンポウゲ科キンポウゲ属のウマノアシガタ。花びらの感じはどれもよく似ているけれど葉と果実は違う。

この光沢は、花びらの表皮細胞に存在するクチクラ(Cuticula)層のためだそうだ。人間の頭髪にも存在してキューティクルと呼ばれ魚のウロコのような形をしていて表面を保護する役割を果たしている。禿げた頭の光沢はクチクラとは関係ないのだろう。

 
根生葉は長い柄があり、掌状に3-5裂している。最上部に付く葉は基部まで深く切れ込み3出複葉に見え葉柄はない。ベニシジミは蜜を吸うことに夢中で近づいても逃げない。

キンラン

2010-04-28 | 日記
昨夜は当直でそのまま一日仕事だったので少し疲れた。昨夜からひどい雨だったらしいが建物内にいて知らなかった。毎年この季節は職場近くの雑木林では足元にキンランがひっそりと咲く。つい先日その林に入り込むと例年どおりあちこちにキンランが咲いていたが、残念なことに誰かが掘っていったあとがいくつも見られた。根から掘って持ち帰っても庭では育たないのに。その理由はキンランはラン菌と共生しており、その菌は樹木の根に外菌根を形成している、つまり菌根性樹木・菌根菌・キンランの三者共生系を構築しなければ栽培できないのだ。キンランを庭で植えるなら横にあるコナラの大木も一緒に持っていかなければならない。
 
本当にきれいで持っていきたくなる気持ちはよくわかるなあ。

ジャーマンアイリス

2010-04-28 | 日記
始めて大学に入ってドイツ語を学んだときにそのテキストのひとつがヘルマン・ヘッセのイーリス(Iris)「アヤメ」だった。当時のドイツ語の先生は確か教養学部長の山下肇教授でとても厳しかった。新潮文庫からメルヒェンという題名で訳本があって、友人の一人はこの訳を丸暗記してドイツ語の試験に臨んだために余計な箇所まで訳を書いてしまい追試となったことが懐かしく思い出される。しかし残念なことにイーリスのストーリーはまったく覚えていない。

公園で見たジャーマンアイリス。アヤメ科の大きな花びらは3枚のがく片。その内側の花びらは3枚あり、花の中央にウサギの耳のように立っている。がく片と花びらが同じ色なので、がく片を外花被片、花びらを内花被片と呼ぶ。雌しべは1本で、先が3本に分かれて、3本の雄しべの上にかぶさる。ジャーマンアリスの内花被片は大きく発達し、外花被片にひげ状の突起があるのが特徴。 乾いた土に生える。根茎。内花被片は大きく発達し、外花被片にひげ状の突起があるのが特徴。この写真は内花被片を外に少し広げて上から撮ったもの。

 
左はジャーマンアイリス。右は2008/5/8撮影のアヤメ。 乾いた土に生える。花色は青紫か白。 花びら中央部に網目模様があるのが特徴。

 
2008/4/21、2010/4/24撮影のダッチアイリス。ふつうにアイリスといえばこの品種群をさす。乾いた土に生える。球根。

 
2008/5/5、2009/5/10撮影のカキツバタ。水の中から生える 青紫色の花を咲かせる。内花被片が細く直立すること、外花被片の中央部に白色の斑紋があることが特徴。

 
2009/5/4撮影のキショウブ。湿地に生える。

ヘッセのイーリスはどんなアヤメだったのかもう一度読んでみようかな、日本語で。

ウワミズザクラの開花

2010-04-26 | 日記
家の近くの公園で何気なく見上げた空を背景にウワミズザクラが開花していた。そもそもこんなところにウワミズザクラがあったことも忘れていた。この花の開花しているのを気付いている人は少ないだろう。


新しい枝の先にブラシ状の総状花序を出す。花弁は5枚、雄しべは30本くらいで花弁よりはるかに長くてよく目立つ。

レンゲ、ヒナギク、ノースポール

2010-04-26 | 日記
昨日の日曜日。春の陽気に、犬や子供と散歩する人、ジョギングする人など様々だ。


マメ科 レンゲ。レンゲソウなんてどこにでもあると思いきや、なかなか出会わない。アカツメクサはどこにでもあるのに。やっとこの公園で見つけた。植えてあるのだろう。

マメ科特有の蝶形花で上から見ると10数個の花がぐるりと外向きについている。


キク科 ヒナギク(デージー)。春に咲く花のなかでもとってもかわいい。

白花もあるよ。


キク科ノースポール(Chrysanthemum paludosumクリサンセマム・パルドーサム)。小さなマーガレットのような感じでまだ寒い早い時期から咲いている。

楽しい人、悲しい人、眠い人、悩む人、苦しむ人、病む人などいろんな人がいる。広場の中の広い花壇はみんなに安らぎを与えてくれている。

ハナビシソウとアイスランドポピー

2010-04-25 | 日記
ポピーには何種類かあるが、橙色の鮮やかなのがこのケシ科ハナビシソウ(カルフォルニアポピー)。大型のきれいな4弁花が咲く。花びらはめくれ上がっている。日に当たると開くらしい。果実の形もとんがっていて面白い。


こちらはケシ科アイスランドポピー。薄い花びらで茎が柔らかく微風でも揺れている。下を向いた毛の生えた蕾の形も面白い。葉や蕾の形がアネモネにも少し似ている。

この鮮やかな色で幸せ気分にならない者はいないだろう。

ヤグルマギクとシラー

2010-04-25 | 日記
花の季節到来。家の近くの公園にはたくさんの草花が一斉に咲き始めた。
キク科 ヤグルマギク イギリスのエジプト学者ハワード・カーターによって発見されたツタンカーメン王の棺にはヤグルマギクが入れられていた。吉村作治氏は、このヤグルマギクは王妃アンケセナーメンが棺に入れたものだと述べている。この花は当時エジプトの野原に咲いていた花なのだ。
 
この濃い神秘的な引き込まれるような青は一体何なのだろう。同じように濃い青が印象的な花が横に咲いていた。



ユリ科 シラー 星型の花をたくさんつけるぺルビアナ(Scilla peruviana)と、ベル状の花を数輪咲かせるカンパニュラータ(S. campanulata)がある。これはシラー・ぺルビアナ。
 
濃い青。

ハルジオン

2010-04-25 | 日記
もうハルジオンの季節なんだ。この花を見るとなんだか眠くなるのは睡眠剤ハルシオンと名前が似ているせいかもしれない。つぼみの首も眠そうに垂れている。秋に咲くシオンのように優雅ではないけどカワイイ。もう少しするととっても似ているヒメジョオンが出てくる。ハルジオンは茎も軟くて少しなよなよした感じなのに対してヒメジョオンはしっかり者で茎はかたくてつぼみも垂れない。ハルかヒメかどちらの女性を好むかは人による。

 
つぼみの柄が垂れている。

ケキツネノボタンとタガラシ

2010-04-25 | 日記
田んぼの畦に黄色で光に反射して光る花が点々とあった。この花弁の光沢からキンポウゲ科であることはすぐわかった。毛が多くて小葉は2裂又は3裂、小葉は幅が狭く鋸歯が鋭く尖る。そう果は楕円形で先端はほぼまっすぐなのでケキツネノボタンかな?

近くにあったキンポウゲ科タガラシと比較してみた。
 
左はケキツネノボタン、右はタガラシ。タガラシは葉は掌状に3深裂し、裂片は更に細裂。

 
左はケキツネノボタンのそう果。右はタガラシの集合果。

 
それぞれ左はケキツネノボタン、右はタガラシの花の比較。

ハナミズキ

2010-04-24 | 日記
樹木などに興味のないころは職場前の通りの街路樹が春、白い花に覆われてあたかも積雪を反射するかのように輝くことなど気にも留めなかった。実はこのバス通りには白花と赤花のハナミズキが1㎞以上に渡って続いている。知らないということは目に入っていても見えないということだ。重要な病気の症状を知らなければ見過ごして後で取り返しのつかないことになる。男が女のものの考え方や感じ方を理解できなければ気付かぬうちに彼女の怒りを買ってしまう。先入観の何と浅はかで間違いの多いことか。無我の心で学び始めれば今までそこにあって見えなかったものがきっと見えてくるに違いない。
 
花序は中心に小さな花が集まっており、その周辺に花弁に見えるのは大きな4枚のがく片が変化したもので総苞。青空に透かして見える総苞が好きだ。

ミズキ、エゴノキ、トチノキ

2010-04-23 | 日記
今週も忙しい。4/20(火)は例によって当直、4/21(水)は会合で遅かった。最近、晴れと雨が交互にくる変な天候が続いている。最近見たミズキの新葉は青空を背景にすばらしいものだった。


エゴノキを雑木林の中で見つけた。

エゴノキの葉は3枚ひと組で枝先にまとまっているようだ。


トチノキの新葉の掌状複葉もうっとり見とれてしまう。

どの新葉も若々しくてただ美しい。

ジュウニヒトエとセイヨウキランソウ

2010-04-19 | 日記
今日は朝から曇ってはいたがまずまずの天気。先週までは咲いていなかったが、そろそろみられるのではと職場近くの雑木林に分け入ると、思った通りシソ科ジュウニヒトエがあちこちに咲いていた。今年も見ることができてうれしい。
 
花が重なって咲く様子が十二単に似ていることから名づけられている。明るい林内や道端に生える。Ajuga nipponensisという学名の通り日本特産の野生種。茎の先に穂状に花序を出し、何段にも輪生し白色の唇形花をつけ、下から咲き上がる。上唇は非常に小さくて目立たず、下唇は深く3裂し淡紫色の線がある。茎は全体に白く長い縮毛で覆われている。

公園の周りを取り囲むドウダンツツジの植え込みの下にジュウニヒトエとよく似て青紫色のセイヨウキランソウが咲いていた。栽培されているものが逸出して野生化している。ジュウニヒトエは匍匐茎を出さないが、セイヨウキランソウは匍匐する枝があり長く伸びる。別名をセイヨウジュウニヒトエ、ツルジュウニヒトエといいアジュガ(Ajuga)とも呼ばれている。
 
花はジュウニヒトエより少し大きい気がする。

ジュウニヒトエが弱々しく女性的なのに対して外来種であるセイヨウキランソウはいかにも男性的な感じでジュウニヒトエを圧倒しそう。