せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

ヤマグワ、ケヤキ、エノキの花

2010-04-18 | 日記
昨日は朝からなんと雪が降った。4月中旬で雪なんて信じられない異常気象だ。こんな寒いので自宅のハナモモはまだ満開。最近、樹木の花が咲き始めた。でも地味なので新葉と花が同時に展開している場合気付かないことが多い。公園でここ一週間で見つけた花と葉の同時展開をまとめてみる。


公園のケヤキの雄花。新しい枝の基部に雄花が、先端に雌花が付く。雌雄ともにお椀状の花被をもち、直径2.5㎜くらいで、花被の上半分は4-5裂する。雄花は赤い花被の中に4-6コの雄しべがある。

 
公園のヤマグワの雌花と雄花。雌雄異株まれに同株。雌花(左)、雄花(右)とも本年枝の下部の葉腋の花序につく。雄花には4個の雄しべ。雌花には1個の雌しべがあり、花柱は長くて先端は2裂する。


自宅の近くのエノキの雄花と両性花。本年枝の上部に両性花、下部に雄花がつく。雄しべは4個ある。両性花は上部の葉腋に1-3個つくがまだ展開していないようだ。


自宅のすぐ横の公園のイロハモミジ。本年枝の先に暗赤色の花が垂れ下がってつく。イロハモミジは雌雄同株で、ひとつの花序の中に雄花と両性花が混じる。雄花は花弁と萼片が5個づつで、雄しべは8個と資料にある。

今日は雄花のみで両性花は見当たらなかった。両性花はもっと後で出現するのだろう。

 
公園のウワミズザクラ。葉が開いてから本年枝の先きに総状花序を出すので同時展開ではないが、もうつぼみが確認できる。もうすぐ白色5弁の花を多数密に咲かせることだろう。花序枝の下部に3-5個の葉がつくが、イヌザクラは葉がないことで区別できる。


職場近くの藪の中のハナイカダ。落葉低木。雌雄異株で花は葉の主脈の中央部に淡緑色の花つける。同時展開ではないが、もうつぼみが確認できる。雄株では葉の上に多数の雄花ができるが、雌株では多くは1つの花しか付かない。写真では多数のつぼみが見えるのでこの株は雄株だろう。

 
自宅のハナモモ。右はシナサワグルミでホーホケキョ、ケキョケキョと鳴いていたウグイス。

これから暖かくなって来るとこれまで静かだった生物が急に活動を始め動きがあわただしくなってくる。毎年同じ生物の営みではあるものの、それぞれが持つ不思議な生理や独特の生態を理解しようとしその秘密を一部知って感動しても、人は歳をとりその喜びを享受することがあと何回あることかと考えたときに、これが最後であっても悔いが残らないようによく目に焼きつけておこうとじっと見入ってしまうばかりだ。

キジムシロ、ミツバツチグリ、ヘビイチゴ?

2010-04-16 | 日記
昨日出会ったキジの近くの野原に1-1.5cmの黄色い花がいくつも咲いていた。全体に粗い毛があり、葉は根生で奇数羽状複葉。キジムシロのようだ。広がった株の根生葉をキジの座るむしろに例えて名付けられている。キジムシロは匐枝を出さない。
 
がく片は5枚、披針形。その外側にがく片より小さな副がく片が5枚ある。


似たような黄色い花を別な場所に見つけた。

今度は3出複葉で花はキジムシロそっくり。ミツバツチグリかなあ。
 
キジムシロと同じく、がく片は5枚、披針形。その外側にがく片より小さな副がく片が5枚ある。ミツバツチグリは匐枝を出す。


すぐ横の日当たりのよい湿地にも似たような3出複葉をもつ黄色い花が散在していた。
 
ハート形の花びらがかわいい。キジムシロ、ミツバツチグリの花と違って多数の雌しべの塊りが丸く盛り上がってみえる。へビイチゴかヤブヘビイチゴのようだ。多分ヘビイチゴだろう。

ヘビイチゴの小葉は黄緑色で先が丸いが、ヤブヘビの小葉は濃緑色で先が尖る。 がくの下についている副がく片が目立つほど大きければヤブヘビイチゴ、目立たなければヘビイチゴ。 果実があれば区別は容易でヘビイチゴでは果実の表面の粒々(痩果)にしわがあるが,ヤブヘビは平滑。

どれも似ていて区別するのが大変だ。

キジ

2010-04-14 | 日記
昼食後は特に睡魔が襲う。消化管が活動し血流分布が腹部に集中して脳血流は低下する。血糖が上昇しインスリンが分泌されると血糖は低下していく。これらが睡眠を誘うのだろう。職場から歩いて5分で県立公園の林に達する。昼休み睡魔をはらうために急ぎの散歩に出かけた。遠くの山の中では時折ケン、ケーンと何かが啼く声が響いている。住宅地を抜けたところの草むらでクワアーという声がして、聞こえた方に目をやるとそこになんとも派手な顔のキジがいた。もも太郎の童話の挿絵にそのまま出てきそうなキジが目の前にいることが不思議な気がした。昔の日本ではどこにでもいた鳥なのだろうが今でもこんなに身近にいることがとてもうれしい。
 
草むらの横では宅地造成のブルドーザーが森を切り開いている。来年はもうこの草むらが無くなることを知らないキジが生存できる環境をいつまでも保存してやりたい。仕事に戻ったときはもう眠気は無くなっていた。

アミガサタケとタマキクラゲ

2010-04-14 | 日記
昨夜(4/13)も当直だった。おとといの朝は久しぶりで中学校の下の公園で散歩。散った桜の下でタチツボスミレがつぎつぎと咲いているのを目の隅で見やりながら歩いていると面白いキノコとそこで出会った。頭部の網目は多角形や不正形の不思議な形をしている。ネットで調べるとアミガサタケのようだ。でもあまり網笠には似てないような気がするなあ。こんな不気味な形をしているのに食用になるらしい。

 
この公園にはジュンサイの名がついた周囲300m程度の小さな池がある。水生植物のジュンサイをこの池で見たことはないが以前はたくさんあったのかもしれない。このほとりにはカツラ、サクラ、コナラ、イヌシデなど広葉樹が植栽されている。その枯れた梢になにやらゼリー状のクリーム色に見えるこれまた気味の悪い物体が多数付着していた。昆虫の卵かとも思ったが、ネットで調べているとやはりキノコの一種タマキクラゲのようだ。これも食用になるらしい。

 
木の幹ではコゲラがせわしなく登りながら虫を探して食べている。

アケビとミツバアケビ

2010-04-12 | 日記
時々この世の中や宇宙全体が実は誰かの夢の世界か仮想現実の世界かもしれないと思うことがある。
新スタートレック (STAR TREK THE NEXT GENERATION) 第138話「甦ったモリアーティ教授」が気に入っている。仮想現実の世界(ホロデッキ)の中のモリアーティ教授に翻弄されるストーリー。ホロデッキの中のモリアーティ教授にエンタープライズを支配されそうになるが、キャプテンのピカードが操作バネルからメモリーを抜き取って教授をその回路の中に封じ込めた。キャプテンは手のひらの上のメモリバンクの中で仮想現実の世界が進行しているのを見て、自分たちも誰かの手の上で躍らされているのかも知れないと思う。
仮想現実とは違うが胡蝶の夢という言葉がある。荘子が、蝶となり花の上で遊んだ夢を見て目覚めたが、自分が夢で蝶となったのか、蝶が夢見て今の自分になっているのか分からなくなってしまう。

藪や林の中に入ると、右肩上がりのつる性落葉植物、アケビとミツバアケビが同じ場所によく生えている。自宅の近くの私鉄のフェンスにも両者が混在している。なぜか分からないが仲良しなのだろう。

アケビの仲間はどれも大型の雌花と、小さな雄花とがあり、雌花の花びらにみえる開いた部分はがく片。雄花はがく片3、雄しべ6、雌花はがく片3、雌しべ3~6で総状花序をなしている。左はアケビ、右はミツバアケビ。雌花、雄花の付き方が異なる。
 
アケビの花のがく片は白っぽく、ミツバアケビに比べてひと周り大きい。左は雌花、右は雄花。
 
ミツバアケビの花は、濃い紫色で、よく目立つ。左は雌花、右は雄花。

アケビは葉は掌状複葉。5個の小葉に鋸歯はない。ミツバアケビは葉は3出複葉で波状の大きな鋸歯がある。両者がしばしば同じ場所に混在している。

この世が夢の世界でなかったらどうしてこんな奇妙な造形物が存在するのだろう?などと夢うつつで考えている。

シャガ

2010-04-11 | 日記
林の中でアヤメ科シャガがひっそりと咲いていた。シャガの染色体は3倍体であって種子を作らず、球根も作らないらしい。ヒトでもひとつの染色体が2個から3個に増加している異常がクライインフェルター症候群(XXY)やダウン症(21トリソミー)などで見られるが、全部の染色体が3倍体では生きてはいけない。シャガが3倍体であって生活力旺盛であるのは生物遺伝子の不思議だ。

橙色と青紫色に彩られた外花被(がく片)、先端が二つにくびれた内花被(花冠)、先端がふさふさになった雌しべがそれぞれ3個ある。
 
アヤメ類の葉は細長く特に剣状葉と呼ばれ扇状に広がっている。シャガは常緑で地下茎で繁殖し、群落を形成する。冬でも緑の扇状に広がった葉を見つけたらそれはまずシャガだろう。

マツバウンラン

2010-04-11 | 日記
今日は眠くて午後一瞬のうちに眠ってしまい夢をみた。邯鄲の夢という言葉がある。ある若者が食事ができるつかの間の居眠りでみた夢の中で、人生の栄枯盛衰のすべてを経験したという話に由来する。そこまではいかないが夢での体験が現実の体験に劣らないほどインパクトの大きいこともある。そんな時はその印象が長く記憶に残るものだ。

人間の生活の中のつらさ苦しみにお構いなしに、草花は時期が来ればそこの芽が出て花を咲かせる。ゴマノハグサ科マツバウンランもそのひとつ。近所の空き地一面に細い茎をのばして小さな青みがかったピンクの花がかわいい。いやそれ以上に、自分の生き方を変えずにそこで美しく花を咲かせている姿が力強くさえ感じる。

軽くひっぱると根が引きぬけてしまった。根元には小さな葉がたくさんついている。

アオキ

2010-04-11 | 日記
先月末にアオキの雄花を確認した。アオキは雌雄異株なので果実が残っている個体が雌株だとわかる。先月はその雌株に雌花が見つからず、その後ずっと気になっていた。今日やっと近所の林の中で雌花を見つけた。しかし花弁の色が白いものだった。辺りの茂みに分け入って赤い果実をつけた雌株が他にないか探すと通常の暗紫色の花弁をつけた雌花もたくさん見つかった。雌花序は長さ約3cmと短く花には雄しべが無く緑色の雌しべが1個ある。花弁は白いものと暗紫色のものがあるようだ。やはり小さな紫色の花のほうが目立ってかわいい感じがする。

これは2010/3/26撮影の雄花序。雄花序は長さ約10cmと大きく花には雄しべ4個。この時点では雌花序は見つからなかった。
 
雌雄異株で花弁は4個。花の色が暗紫色のもの。左は雄花、右は雌花。
  
花の色が白色のもの。左は雄花、右は雌花。別の場所には白と暗紫色の中間のものもあった。

ナガミヒナゲシ

2010-04-10 | 日記
今日は仕事終わって、国際フォーラムで学会、その後某ホテルで会合。街路樹のタイワンツバキの花がまだ残っているのを見た。食事して帰ってきたらもう夜遅い。朝はマスターズを見るから毎年この時期は睡眠時間が少ない。昨日、児童公園で今年初めてこのナガミヒナゲシを見つけた。空き地やアスファルトの隙間などどこでもみられるオレンジ色のポピー。この色が鮮やかで群生してるとかなり目立つし野生のたくましさがあっていい。花のあとにできる果が細長いのでこの名がある。

葉は羽状に深裂し毛が多い。花弁は4枚。雄しべは多数。中央部のめしべの柱頭は写真では6個のすじ状に見える。アヘンやモルヒネ、コデインをとるケシは栽培禁止されていて、これらのケシは葉が無毛で基部が茎を抱いている特徴がある。ナガミヒナゲシは毛があるので問題はない。

コナラ

2010-04-10 | 日記
昨日(4/9)外勤の移動中に立ち寄った児童公園で輝く葉を持つ樹木を発見。春の日差しを反射して銀色に輝いくコナラの新葉だった。今の季節、コナラの新葉は柔らかな毛がびっしりと生えて輝く黄金のように美しい。

近くで見ると金髪の柔らかい髪にも似ている。

 
コナラの新葉は雄花の花穂とともに展開する。雄花序は新枝の基部付近から多数垂れ下がる。コナラの雌花もさがしてみると、新葉の脇に付いており花柱は3裂しているようだ。

ニワトコ

2010-04-09 | 日記
昨夜(4/7)は当直で今日一日眠かったのに忙しかった。大学のトンネル脇の斜面で、今クリーム色の房状の花序をたくさん抱いた低木が気になっていた。先日信号待ちしているときに目を凝らしてやっとスイカズラ科ニワトコであることを確認。葉は奇数羽状複葉で対生する。小葉は2~3対ありふちには細かい鋸歯がある。最近ニワトコがあちこちの藪や林縁で花を咲かせ始めている。色が真白ではないので目立たず気付く人も少ないようだ。そんな花を見つけるのも楽しい。

花冠は5裂し雌しべは紫色で柱頭は短く、先端は3つに分かれる。雄しべは5本。

ヒイラギナンテン

2010-04-07 | 日記
公園や庭などでよく見かけるメギ科ヒイラギナンテン。ジャスミンの香りに似た濃厚なこの花の香りは、一度かいだら忘れられずなんともいえない快感を引き起こす。

同僚が糖尿病になって食事療法をはじめた。彼は夜チョコレートを食べるのを日課にしていたが、それを中止するのが死ぬほどつらいと言っている。依存状態に近い。依存症にはアルコール依存症、タバコ依存症、薬物依存症などがあり、使用していないときに、離脱症状・禁断症状がでる状態をいう。薬物を服用することで発現する多幸感を繰り返し経験すると服用に対する強い欲求を感じる状態が出来上がり、これを精神依存と呼ぶらしい。この多幸感を発生させるのが脳内ドーパミン神経の働きのようだ。さらに薬物を服用し耐性が形成されると、一生その薬物を求め続ける身体依存状態になってしまう。甘味物を摂りすぎていた糖尿病患者で食事制限がなかなか出来ないのは、やはり甘味物依存症になっているからなのだろうか。


花弁のように見える9枚のがく片、中心にある6枚の花びらと6本の雄しべが共に黄色であざやか。花の香りがもたらす快感はこの香りの持続が短か過ぎてどうも習慣性にはなりそうもない。

ソメイヨシノ

2010-04-07 | 日記
今週は入学式ウィーク。昨日はいい天気で桜がいっせいに満開になった感じがしたが、今日は一転小雨で寒い。大学の入学式のとき、満開の桜と、春風で舞い落ちる花びらが祝福していたのをついさっきの事のように思い出す。キャンパスの芝生の奥では大学院生たちが花見をしながら、のどかな日差しの下でビールを飲んでいたのを見て、これから始まる学生生活に希望を抱いたものだ。当時この淡い満開の桜がソメイヨシノであることなど何の関心もなかった。今では花見で酒を飲みたいとは思わないけれども、むしろ周りの桜の花のつき方や樹形が気になる。これもまた花見だ。しかし今年もゆっくり花見する暇がない。桜の下を走り回るのみ。写真は職場近くの霊園のソメイヨシノ。青空を背景に10m以上の大木が雪をかぶったようにたくさんの花を抱いた姿はすばらしい。ソメイヨシノの起源はエドヒガン系品種(母種)とオオシマザクラ(父種)の交配によって、生まれたものであるということがわかっている。ソメイヨシノは雑種なので、そのすぐれた形質を残し増やす方法は、接木もしくは挿し木によるしかなく、その結果ソメイヨシノはすべてクローンということになる。どこもかしこもソメイヨシノばかりでは面白くないので、これからは実生の桜を植えてもいいのにと思う。


自宅の斜め前は昔からの小さなお寺でお墓が少しばかりある。そこに植栽されているソメイヨシノが夜帰宅時、車のライトで照らされて浮かび上がる。

スミレ

2010-04-04 | 日記
 
家の前の路地でアスファルトとコンクリート塀のちょっとした隙間に点々と濃い紫色の花が見えた。花の中までのぞき込めなかったが地上茎が無くて、へら型の葉で、葉柄に翼があるから、多分スミレそのものだろう。それにしても、こんな狭い場所によくも繁殖して花を咲かせるものだ。

 
正面と横顔。


タチツボスミレも林縁などで普通にみられるが、地上茎があり、薄紫色の花をつける点でスミレと対照的。このタチツボスミレは林の中で切り株に咲いていた。

ミツデカエデ

2010-04-04 | 日記
通勤途中の空き家に以前からこの辺では見かけない木が半分枯れかけているのが気になっている。4/3仕事帰りにしばし車を止めて新葉の展開が見られるか確かめた。うれしいことに薄緑の毛深い若葉が開き始めている。

 
枝も葉も対生なのでカエデであることはすぐわかる。しかしカエデといっても葉の切れこみが全くないものもある。ヒトツバカエデはハート形の葉が、チドリノキはサワシバの葉に似た2枚の葉が対生する。そして3出複葉のカエデは、日本ではミツデカエデとメグスリノキの2種がある。メグスリノキはミツデカエデよりも葉が大きくて、毛も多く鋸歯は細かい。


これは2009/11/22撮影したもの。紅葉は確かにきれいだった。落ちた葉をみると鋸歯をもつ3出複葉であることがわかる。

このミツデカエデは雌雄異株ということだがまだこの木の花は見たことがない。それにしてもこの木は庭木として植えたのだろうか?主がいなくなったこの木もこの家とともに近く処分されるのだろうか、ミツデカエデとも知らずに。