せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

薬草園探検 ~ サイコ、マオウ、ジオウ

2014-09-02 | 日記
中学生の時に、国語の授業が何らかの理由で休みになりその代わりに作文の課題が与えられた。次の中から一つ選んでそれに対する自分の意見を書けというものだった。その選択肢は「高慢と偏見」「罪と罰」「赤と黒」「戦争と平和」などだったと記憶している。これらが長編小説のタイトルであることは知っていても当然読んだこともないわけで、小説の内容に則した感想や考えなどを書けるはずもない。どのタイトルを選んだかは忘れたが、タイトルから少しでも意見が書けそうな「罪と罰」か「戦争と平和」ではなかったかと思う。8月23日にAXNミステリーチャネルで海外ドラマ『高慢と偏見』が放映されたのでビデオに撮っておいた。これはジェイン・オースティンの同名小説を英BBCが映像化したもので全3話で5-6時間くらいと結構長い。昨日気合をいれて一気に見た。18世紀末のイギリスの片田舎を舞台に身分制度の強く残る貴族社会、そこで開かれる舞踏会、恋愛、遺産を巡る求婚の様子が興味深い。ストーリーは聡明な美女エリザベスと高慢な青年紳士ダーシーの恋のすれ違いが描かれたラブロマンスだった。これを見ておけばいくらでも感想は書けたのになあ。 


ミシマサイコ  セリ科 ミシマサイコ属



名札にはミシマサイコと書いてある。ちょうどフェンネルに似ている。その根は生薬で柴胡という。柴胡といえば解熱、鎮痛作用があり、大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯などの多くの漢方方剤に配合されている超重要生薬。






茎頂に小さな黄色の花弁が内側に曲がった5弁花の、多数の複散形花序をつけている。葉は幅の挾い披針形ないし幅の広い線形。


アカヤジオウ ゴマノハグサ科

まるで野菜のように地面から直接、葉が生えている植物で赤い花をつけている。何とアカヤジオウの名札があった。これがジオウかと妙に感心して観察した。葉の表面には、ちりめん状のしわがあり全草に腺毛が密生している。


根元から花茎を伸ばしその先に数個の淡紅紫色の花をつけている。


アカヤジオウの根は地黄という生薬である。地黄には補血・強壮・止血の作用があり、地黄を使った漢方として有名なものは、六味地黄丸、八味地黄丸、四物湯、炙甘草湯などがある。


マオウ マオウ科



高さは50cmくらい。名札にはマオウとあった。漢方ではよく目にする生薬で、麻黄湯などはインフルエンザにもよく効く。名前からはもっとすごい植物を連想していたけれど、結構地味でトクサと似ている。巨大なスギナのようにも見える。

ウィキペディアによればマオウは常緑低木でユーラシア、北アフリカ、南北アメリカ大陸の乾燥地に50種ほどが分布する。マオウの地上茎を乾燥したものを生薬に用い、これには鼻詰まりに効果のある成分プソイドエフェドリンや、気管支喘息に効果のある成分エフェドリンが含まれる。

サイコ、ジオウ、マオウのどれも名前からくるイメージと実物とはかなり差があるなあ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。