せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

ハナニラ

2010-03-31 | 日記
先週末(3/27)明るい太陽のもとで職場近くの野原にユリ科ハナニラが群生。星の形をした花が大きく手を広げているように見える。元は園芸種であったろうから逸脱して野生化したのだろう。
 
一見花びらが6枚あるように見えるが、実は内側の3枚が花弁で外側の3枚はがく片。これはヤマユリやモクレンなどと似ている。花の裏にははっきりとした紫の線がある。どんな意味があるのかなあ。

ヤマザクラ

2010-03-31 | 日記
つい先日国家試験の合格発表があった。昔は大学の合格電報を依頼しておくと発表の当日に‘サクラサク、ゴウカク’などと合格を知らせてくれた。今はネットですぐに合否が確認できてしまう。昨日(3/30)の朝、いつもの公園の池のほとりには赤茶色の葉の展開と同時に真白い桜の花が咲き始めていた。ヤマザクラのようだ。

入学試験、資格試験など試験ははいつまでも人生についてまわる。合格すれば肩書きがもらえ、新たな生活の第一歩を踏み出すことができる。しかしそれは長い階段の一ステップに過ぎない。‘世の中で一番楽しく立派なことは一生涯を貫く仕事を持つことです’と福沢諭吉が言っている(?)ように、充実した人生のヒントは‘一生涯を貫く仕事’にありそうだ。野心大きくてあまり遠くを見ていると気が遠くなる。すぐ前の障害をどう乗り越えるかに全神経とエネルギーを使ったほうがいい。そしてそれを飽きずに長く続ければ振り返ったときに大きな達成感が得られるはず。‘世の中で一番美しいことは全てのものに愛情を持つことです’とも福沢は言っている。一生涯を貫く仕事を持って、全てのものに愛情を持てれば最高じゃあないか。

 
小花柄、がく筒は無毛。がく片は三角形で鋸歯はない。若葉はみずみずしく輝いている。

カツラ

2010-03-30 | 日記
今日の朝は快晴だったがひどく寒かった。この寒さではソメイヨシノもオオシマザクラもまだ咲けない。いつもの公園を急ぎ足で散歩していてカツラの花が咲き始めたのを確認した。雌雄別株なので雄花と雌花は別々の木を見なければならない。地味なので誰も見向きもしないがよく見るとかわいい。カツラの花には花弁もがくもない。 写真の雌花は赤い雌しべを炎のように上に伸ばしている。

雄花はたくさんの葯を糸で下に垂らしている。

秋の黄葉も美しい。落ち葉はポップコーンのような甘い香りを漂よわせ、そこにいる人間はその香りのせいでその場を離れられなくなってしまう。これは2009/11/9撮影。このカツラは15m以上の高木で樹形もいい。

フッキソウ

2010-03-29 | 日記
郊外の公園にツゲ科フッキソウが一面に植えてあった。常緑性の低木で林の下の日の当りにくいところに広がっている。3/26そのフッキソウのなんとも不思議な白い花が咲いていた。花びらはなくほとんどが雄しべで束になっていて、雌しべは最下部に2つに分岐した突起のように見える。富貴草と書き、縁起が良い名前だからいいことあるかも。果実は見たことないから秋に見にこよう。

これは真上から見たところ。

ホルトノキ

2010-03-28 | 日記
いつも橙色の紅葉を何枚か付けている街路樹が自宅近くにある。この赤がなかなか味わいがあって気に入っている。不思議な葉だ。ヤマモモと雰囲気は似ているので間違えそうだがヤマモモには年中このような部分的な紅葉はなかったはず。
 
秋に果実を見てこれがホルトノキであることが判明。これは2009/10/25撮影。果実がポルトガル(ホルト)から来たオリーブの実に似ており、平賀源内が混同して名付けたらしい。
 
ヤマモモと違うところは、葉の裏の葉脈の分かれ目のところに小さな膜状のものあることと、葉を透かしてみると全く印象が異なっていること。左図:上がヤマモモ、下がホルトノキ 右図:左がホルトノキ、右はヤマモモ

ムラサキケマン

2010-03-28 | 日記
昨日も今日も雑草の中にケマンソウ科ムラサキケマンの花を見かけた。赤紫がよく目立つが、色は濃いものも薄いものもある。総状花序に紅紫色の唇形花をたくさん咲かせる。下の花のほうが成熟している。上唇、下唇が開いても雄しべ雌しべはよく見えず、シソ科の花とは明らかに異なることが分かる。
 
横からみると突き出た距とバランスとるように花茎がついているのが面白い。

葉は2、3回羽状で細かく裂けている。

ワスレナグサ

2010-03-28 | 日記
3/20の朝、県立公園の散歩中に花壇の中に懐かしい花を発見、ムラサキ科ワスレナグサ。

初めてワスレナグサの群生を見たのは昨年の夏だった。河原一面に咲く小さな水色の花が何かはじめは分からず近づいてみてやっとそれと判明。これはその時2009/8/4撮影。

中世ドイツの伝説がある。ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人のために摘もうと岸を降りた騎士は誤って川の流れに飲まれてしまう。彼は最後の力を尽くして花を岸に投げ、「Vergiss-mein-nicht!(僕を忘れないで)」という言葉を残して死んだ。残された彼女は墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。

この話を聞いて県庁近くの川にかかる橋、君待橋(きみまちばし)の伝説を思い出した。昔橋の近くに美しい乙女がいて対岸の若者と恋をした。ある日大雨で橋が流されたとき、対岸の若者が濁流を泳いで渡ろうとして力つきて水中に没した。これを見て乙女は悲しみのあまり激流に身を投げて若者の後を追った。このことがあってから里人は君待橋と呼ぶようになった。(『日本伝説叢書』)

もしかしたら昔本当にそういう事件、事故があったのかもしれない。

‘ヨウコウ’?

2010-03-28 | 日記
3/22に開花宣言されたのにソメイヨシノはまだ咲かない。今の時期にカンヒザクラ程ではないけどもかなり濃い色の満開のサクラをあちこちの公園で見かける。栽培品種の‘ヨウコウ’だろうか?

‘ヨウコウ’はアマギヨシノとカンヒザクラの雑種。なおアマギヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの雑種。どおりでカワヅザクラとも少し似ているわけだ。カワヅザクラはカンヒザクラとオオシマザクラの雑種だから。なかなか複雑な関係だなあ。
 
小花柄には毛がある。最下方の苞は扇形で粗く鋭い鋸歯がある。カンヒザクラやオオシマザクラの小花柄は無毛でつるつるだから、ヨウコウの毛は毛深いエドヒガンのDNAを受け継いでいるわけだろう。ヒトの遺伝と同じみたい。

エドヒガン

2010-03-28 | 日記
職場近くの中学校のすぐ裏にある公園で今ほぼ満開の桜は2本ある。薄いピンクでかなり白っぽく見えるものと、もうひとつは濃いピンク色のもの。これは白いほうだ。ソメイヨシノはまだ開花していない。

白い桜の下でこれは何だろうとじっと見ていたら、がく筒の下部がまるく膨らんでいることに気付いた。花柄には毛が多い。なんだエドヒガンじゃないか。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの雑種であるとは知っていたがこの公園で初めてエドヒガンに出会った。
 
小花柄やがく筒は毛深い。最下の苞は脱落しやすく残っていないことが多いらしい。

カタクリ

2010-03-25 | 日記
つい先日、知り合いの市の職員の方から今カタクリが真っ盛りだから来るように誘いを受けた。何とか時間を見つけて出かけてみた。職場から15分しかかからない自然公園の一角。うっそうとした林の北の斜面で湿気がある上に日当たりもよくない。なんとそんなところに無数の薄紫色の小さな花がいっぱいだ。初めてカタクリの花を見た。その葉と花に見とれてしばらくは声も出ないほどだった。

薄紫の衣を広げたような花を見ていると夢の世界に入りそう。
"地上に降り立った天女は1週間の与えられた命をこの山の北斜面で過ごすことを決めた。まだ眠り覚めない冬芽に息吹を与え、森の動物や昆虫に活動の始まりを告げていく。ある日この谷を通りかかった一人の若者はその姿の美しさと秘めた力を知り、そっと触れてみようと手のひらに乗せた。そしてその中の顔を覗こうとした瞬間、透明な羽を持つ蝶のようにゆっくりと舞い上がると虹色に輝き、すうっと消えてしまった。そのあとには、ほのかな香りが残り、かすかな鈴の音が小鳥のさえずりに混じって聞こえた。この天女こそ春の蜻蛉(カゲロウ)Spring ephemeral であった。"
こんな話を勝ってに作りたくなるほど可憐で神秘的な花がユリ科カタクリである。

すべての花がうつむいていてその正面をとらえるのが難しい。
  
カタクリの花は、萼片に相当する3枚の外花被片と花弁に相当する3枚の内花被片の計6枚の花被片からなる。さらに、柱頭が3つに分かれた雌しべと、それを取り囲む6本の雄しべがある。花被の基部には不思議なチューリップ型の模様があり、訪花昆虫の目印になっているようだ。

タチヤナギ

2010-03-25 | 日記
3/22、幅2mあまりの小さな川の土手を歩いていると、川岸にヤナギの幼木が数本見えた。近寄ると花序を伸ばしている。葉の展開と同時に開花し、花序は長さ約3-6cmの毛虫のような形をしている。
 
雌雄別株のようで雄株(左)と雌株(右)が少し離れて並んでいる。

これは2009/5/3に同じ場所で撮影したもので朔果が成熟して裂開しているのがわかる。このときの葉を見ると長さ5-15cmの被針形~長楕円状被針形で、先はとがり、基部はくさび形。ふちには鋭い鋸歯がある。ヤナギ科タチヤナギが最有力候補だろう。

タチツボスミレ

2010-03-25 | 日記
3/22に里山の道端で今年初めてスミレを発見。日本に60種ほどあるスミレ科植物の中でもっとも普通に見られるものがタチツボスミレ。林の縁や里山の土手などさまざまな環境に生えている。タチツボスミレは、地上茎がはっきりしていること、托葉に櫛の歯状の深い切れ込みがあること、側弁基部に毛がないこと、距は細く短く、淡い紫色の花をつけることなどから見分けると、ネットの解説にあった。当てはまる感じ。
 
正面からも横からもバランスがいいね。

イロハモミジ

2010-03-22 | 日記
イヌシデとサワラの混在する林の中を歩いていると頭上高い所を黄色に染める高木があった。黄色の花?かなとよく見るとイロハモミジの新葉だった。モミジは紅葉がきれいだが若葉もなかなか美しい。小さな花もかわいいけどまだ咲いていない。もう少し先なのだろう。

各裂片には不整の重鋸歯がある。

影が作り出す模様も面白い。

コバノミツバツツジ

2010-03-22 | 日記
県立公園内のグランドの隅に遠くからみても独特の輝きを見せる淡い紅紫色の花が見える。急いで近づくとなんとミツバツツジのようだ。3mくらいの落葉低木で葉はまだ展開しておらず花が満開。ソメイヨシノはまだ咲かないから、このグランド周囲で唯一鮮やかに目立つ存在だ。春の陽光を透かして実に美しくいつまでも見とれてしまう。

しかしよく見るとミツバツツジでないことが分かった。ミツバツツジなら雄しべは5本で1芽から2-3個の花が咲く。この花は1芽から1花しか出ておらず、雄しべは10本で、長いものと短いものが5本ずつあるようだ。幸いにも昨年落葉前に撮影した画像が見つかった。葉は枝先に3個輪生している。葉の形からおそらくコバノミツバツツジ?かなあ。

コバノミツバツツジの葉(2009/10/12今日と同じ場所で撮影)。

それにしてもこの光を反射するような薄い紅紫色は一体なんだろう。桜のピンクとは明らかに違った美しさがある。雑木林の中で誰にも知られずひっそりとこんな美しい花を咲かせているコバノミツバツツジがとてもいとおしく感じられる。

左はミツバツツジ(2009/4/12撮影)、右は今日撮ったコバノミツバツツジ。


ウグイスカグラ

2010-03-21 | 日記
今日はヤマダ電気でパソコンのキーボードを買ってきた。1280円也。これが無いだけでどれほど不自由するかがよくわかった。健康も普段は気付かないが病気になってそのありがたみがわかる。昨年冬のある朝左側腹部の痛みで眼がさめた。下痢かと思ったが違う。尿も全くでない。仕事もあるし何とか職場へ行こうと車を運転して途中まで来た時痛みで動けなくった。その時には、これが尿管結石の発作であると確信していた。車の中で痛みに耐えながら色々なことを考えた。おそらくこの後病院で入院どなるだろう、もしかしたら手術かもしれない。多くの人に迷惑かけてしまう。痛みもあるし今後のことも大変だと思いを巡らせているうちに挙げ句、このまま死んでしまったらどんなに楽だろう、と考えた。そして職場に到着し落ち込んでうずくまっていたときに、何と今までの痛みがうそのように消え去った。晴れ間が雲の切れ目から広がり光が差し込むように感じた。多分石が尿管から膀胱に落ちたのだろう。このときの幸福感は言葉にできない。ほんの2-3時間でウツ状態になる。人間は本当に弱い存在。
 
自然植物園の隅のほうで落葉低木スイカズラ科ウグイスカグラを見つけた。花が咲く頃とウグイスが鳴き始めるのが同じ頃でちょうど今時分ということだ。小さな花が垂れ下がるように咲く。花はピンクや白色の漏斗形で先端は5裂する。
 
こちらは山の中で2009/3/20撮影。