せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

シャガ

2010-04-11 | 日記
林の中でアヤメ科シャガがひっそりと咲いていた。シャガの染色体は3倍体であって種子を作らず、球根も作らないらしい。ヒトでもひとつの染色体が2個から3個に増加している異常がクライインフェルター症候群(XXY)やダウン症(21トリソミー)などで見られるが、全部の染色体が3倍体では生きてはいけない。シャガが3倍体であって生活力旺盛であるのは生物遺伝子の不思議だ。

橙色と青紫色に彩られた外花被(がく片)、先端が二つにくびれた内花被(花冠)、先端がふさふさになった雌しべがそれぞれ3個ある。
 
アヤメ類の葉は細長く特に剣状葉と呼ばれ扇状に広がっている。シャガは常緑で地下茎で繁殖し、群落を形成する。冬でも緑の扇状に広がった葉を見つけたらそれはまずシャガだろう。

マツバウンラン

2010-04-11 | 日記
今日は眠くて午後一瞬のうちに眠ってしまい夢をみた。邯鄲の夢という言葉がある。ある若者が食事ができるつかの間の居眠りでみた夢の中で、人生の栄枯盛衰のすべてを経験したという話に由来する。そこまではいかないが夢での体験が現実の体験に劣らないほどインパクトの大きいこともある。そんな時はその印象が長く記憶に残るものだ。

人間の生活の中のつらさ苦しみにお構いなしに、草花は時期が来ればそこの芽が出て花を咲かせる。ゴマノハグサ科マツバウンランもそのひとつ。近所の空き地一面に細い茎をのばして小さな青みがかったピンクの花がかわいい。いやそれ以上に、自分の生き方を変えずにそこで美しく花を咲かせている姿が力強くさえ感じる。

軽くひっぱると根が引きぬけてしまった。根元には小さな葉がたくさんついている。

アオキ

2010-04-11 | 日記
先月末にアオキの雄花を確認した。アオキは雌雄異株なので果実が残っている個体が雌株だとわかる。先月はその雌株に雌花が見つからず、その後ずっと気になっていた。今日やっと近所の林の中で雌花を見つけた。しかし花弁の色が白いものだった。辺りの茂みに分け入って赤い果実をつけた雌株が他にないか探すと通常の暗紫色の花弁をつけた雌花もたくさん見つかった。雌花序は長さ約3cmと短く花には雄しべが無く緑色の雌しべが1個ある。花弁は白いものと暗紫色のものがあるようだ。やはり小さな紫色の花のほうが目立ってかわいい感じがする。

これは2010/3/26撮影の雄花序。雄花序は長さ約10cmと大きく花には雄しべ4個。この時点では雌花序は見つからなかった。
 
雌雄異株で花弁は4個。花の色が暗紫色のもの。左は雄花、右は雌花。
  
花の色が白色のもの。左は雄花、右は雌花。別の場所には白と暗紫色の中間のものもあった。