せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

セイヨウカマツカ

2014-04-28 | 日記
セイヨウカマツカ(西洋鎌柄)



庭園に植えてあるまだ若い低木に花がついているのを発見。カマツカでもないしシャリンバイでもない。でもバラ科であることは間違いないからネットで白い花、バラ科で検索するとこれと同じ花の画像がすぐに出てきた。北米原産のバラ科アロニア属でセイヨウカマツカのようだ。




日本原産のカマツカと異なり葉はしっかりとしていて厚みがあるし、カマツカの葯が白色であるのに対しセイヨウカマツカの葯は赤色である点も異なる。


花は散房花序。


葉裏には毛が密生している。


5枚の花弁、雌しべの花柱は5本見える。多数の雄しべが目立つ。

ネモフィラ・メンジージー

2014-04-28 | 日記
茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」には450万本のネモフィラが植栽されていて見渡す限り青い色が広がっているという。まだ行った事はないけれど「みはらしの丘」の写真を見ると確かに素晴らしい。職場近くの県立公園にもチューリップと一緒にネモフィラ一面の花壇が毎年作られている。まだ間に合うかと行ってみるとチューリップはもう終わりかけだったが、ネモフィラはちょうど見ごろだった。

ネモフィラ・メンジージー(Nemophila menziesii: Baby blue-eyes) ハゼリソウ科ネモフィラ属






青空のような青のメンジージーはBaby blue-eyesと名付けらてれているように、欧米の赤ちゃんの青い目をイメージすることも出来る。メンジージーはスコットランドの植物学者A. Menziesからきた名前らしい。


赤いチューリップとの色のコントラストは最高。


茎は匍匐性、葉には羽状の深い切れ込みがあり、茎と葉に柔毛がある。





里山の春 ~ アケビ、ミツバアケビ、サルトリイバラ、クロモジ

2014-04-24 | 日記
イヌシデの新緑が美しい。



イヌシデメフクレフシという虫こぶがあちこちについていることからもイヌシデであることが判る。


アケビがイヌシデの木に絡みついてたくさんの花をつけていた。この辺りの山の中で右肩上がりの太いツルを見つけたらアケビかミツバアケビの可能性が大。左上がりの太いツルの場合はたいていがノダフジ。

アケビ

花は淡紫色をしている。


ここには雄しべばかりが見えている。


アケビの場合、雌花の花柄が雄花の花柄よりも長く伸びる。雌花、雄花ともに、花弁はなく花弁状の萼片が3枚。雌花には紫色の円柱形の雌しべが3-9本、雄花には雄しべが6本、葯は花糸の外側に2つ並ぶ。

アケビの花があるところには、きっとミツバアケビもあるに違いないと探してみるとやっぱりあった。

ミツバアケビ

全体が黒っぽく見えるほど花は黒紫色をしている。




ミツバアケビの場合は雄花の花柄の方が雌花の花柄よりも長い。


雌花を比較してみる。左がミツバアケビで右がアケビ。ミツバアケビは色黒で少し小さい。。昨年はミツバアケビの果実をゲットして食べることができたから一層親しみが湧く。


サルトリイバラ サルトリイバラ科

林縁の道に垂れているツル性植物。ジグザグに角度をつけた複雑なやじろべえのようで面白い。サルトリイバラは雌雄異株。


この散形花序は雄花が集まっている。雄花には雄蘂が6本見える。


クロモジ クスノキ科

とても地味で全く目立たない落葉低木。それでもよく見るとちゃんと花が咲いている。雌雄異株。


葉の展開と花の時期が同じ。葉はバドミントンの羽根のように広がり、二つの散形花序が左右に突き出ている。

里山の春 ~ ウワミズザクラ、トウグミ

2014-04-24 | 日記
竹の子の季節。里山にはあちこちに竹林がみられるが、中には全く手入れがなされずに竹が密生して入ることもできない竹林もある。かつてはその竹林でも今の季節になると竹の子を掘っていたに違いない。その主は一体どうしたのだろう?何気なく見上げた樹上にウワミズザクラの花が咲いていた。今日は天気が今一つなので残念だけれど周りを明るくする美しさがある。






両側を山に囲まれ細長く続く田んぼに沿って歩いていくと、水を溜めた水田でカエルが鳴いている。目をやるとセグロセキレイがやってきてせわしなく歩きまわっているのが見えた。小さなカエルかオタマジャクシでも探しているのだろうか?


写真を撮ろうにもじっとしていないので焦点が合わない。


農道でもありその地域の散歩道ともなっている林縁の小道を歩いていくと、いい香りが一面漂う場所があった。




何だろう?と頭上を見ると7-8mほどの木の枝に小さな薄い黄色の花がびっしりと咲いていた。近づいて見るとグミだった。






今の時期に咲くグミはナツグミかトウグミ。トウグミはナツグミの変種だとされるから、まあどちらでもいいけれども葉の表面には星状毛があればトウグミで鱗状毛ならばナツグミと同定できるらしい。ルーペで見たわけではないから確定はできないけれどトウグミのような気がする。

シロヤマブキとヤマブキ

2014-04-19 | 日記
公園にシロヤマブキとヤマブキが並んで植えてあった。同じ時期に咲いて葉の葉脈の感じも似ているからシロヤマブキはまるで白いヤマブキなのかな?と思ってしまう。


シロヤマブキ バラ科シロヤマブキ属

シロヤマブキは白い4弁花をつける落葉小低木。 茎は茶色で、葉は緑色、葉脈がはっきりしている。花の寿命は短くて数日で落ちるらしい。ただ果実は非常に長く残る。確かに昨年の黒い果実が見える。


花はシロヤマブキが4弁花でヤマブキは5弁花。葉はシロヤマブキは対生しヤマブキは互生している点も異なる。



ヤマブキ バラ科ヤマブキ属

山吹色の花が一面に咲いている様は素晴らしい。2-3歳の子供が両手を広げて「わーきれいねえ」と叫んだ。本当にその通りだ。


花弁は5枚で平開。雄しべは多数、雌しべは5-8個ある。


花の後ろ。


八重もある。

クロフネツツジとミツバツツジ

2014-04-19 | 日記
4月16日韓国旅客船沈没事故が発生した。船内放送は「客室がより安全だから待機しろ」という言葉を繰り返していたという。300人近くの人が逃げ遅れ救出されていない。こうした緊急事態に一体どのような行動をとればいのだろう?助かった3分の1の人達は自分で出口を探して逃げたに違いない。3.11東日本大震災の時、宮城県石巻市立大川小では全校児童の7割が逃げ遅れて死亡・行方不明となった。逃げ遅れることは死を意味する。最悪を予想して早めに冷静に行動することが大事。大きな事故や大災害が起きた場合は最終的に自分で生死を分ける判断することになるんだなあ。


クロフネツツジ ツツジ科ツツジ属



以前北大を訪れた時(2011-05-24)のブログにクロフネツツジを見たと書いた。あれが本当にクロフネかどうかはわからないが今回は植物園で見たもので名札がついていたので間違いはないだろう。薄桃色の優しい雰囲気の花。ミツバツツジのような照り輝くいて発光しているような感じではなく、柔らかい薄い色が優しく美しい。




葉の展開と同時に花を咲かせるというが葉はまだで花が満開。 花径は6cmと大きく、花冠は漏斗形で先が5裂。 花弁は淡い紅色で、上部の裂片の内側には赤い斑が入る。 雄しべは10本。


原産地は朝鮮半島、中国北部、東シベリアなどで、1668(寛文8)年に朝鮮から日本に渡来。現在では日本の各地に分布する。


 
ミツバツツジ ツツジ科ツツジ属 

光に反射してミツバツツジの花が輝く。暗い林に灯る燈火のようだ。




ミツバツツジは枝先に三枚の葉がつくことから名前がついていて、ミツバツツジの他にミツバツツジの仲間には、トウゴクミツバツツジ、コバノミツバツツジ、先月見つけたハヤトミツバツツジなどいくつもある。それらの中でミツバツツジだけは雄しべが5本で、他のミツバツツジの仲間は雄しべは10本なので、はっきりと区別できる。




ツツジを見たら必ず雄しべの数を確認しなければならない。

横浜緋桜とサトザクラ

2014-04-17 | 日記
大きな学会のついでに立ち寄った公園にはいくつか初めてみるサクラがあった。


横浜緋桜

樹上を見上げると濃いピンクの花をつけているサクラが見えた。「ヨウコウ(陽光)」というサクラを思い出したが、ヨウコウはたしか早咲きだったから違うだろうと思って見ていると、横浜緋桜と名札がついていた。


横浜緋桜はヤマザクラ系の兼六園熊谷(ケンロクエンクマガイ)と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配種である。 横浜市の白井勲氏によって作出され、昭和60年に農水省に品種登録されたという。


前から名前は聞いていたから出会えてうれしい。




萼筒は太い鐘形で萼片は広い三角形。小花柄には毛がない。

「ヨウコウ(陽光)」はアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)との交配で萼筒は長い鐘形、萼片は舟底形で小花柄には毛が多い。アマギヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの種間雑種。



笹部桜

この公園にはなぜか笹部桜の名札を付けたサクラが何本も植えられている。カスミザクラとオオシマザクラ系との交配種。


水上勉氏の小説「桜守」のモデルとなった笹部新太郎氏が、実生の中から選出育成した桜だという。


花弁には赤い脈がある。中央付近に旗弁がある。素晴らしい。


萼筒は鐘形、小花柄には毛が多い。萼片は舟底形。



八重御室有明

八重御室有明の名札が付けられたサクラ。京都の仁和寺にある栽培品種らしい。、横に広がり株立ち状に成長する特徴がある。


仁和寺、一度行ってみたいなあ。


とても美しい。


萼筒は鐘形で萼片は卵状長三角形をしており鋸歯がある。



八重紅虎の尾

八重紅虎の尾 の名札。


萼筒は鐘形。萼片は長三角形で全縁。花が枝に密集してつく様子を「虎の尾」にたとえたのが名の由来。つぼみの濃い紅色と花弁のピンクから白のグラデュエーションが美しい。


わずかに桃色を帯びた白い花弁。



福禄寿

福禄寿の名札。


花弁の濃い部分と薄い部分のコントラストが美しい。花弁が不規則にねじれている。


萼筒は漏斗形で萼片は三角形。



妹背

妹背の名札。雌しべが2本あり、結実するとふたつの果実がつくことから、イモセの名が付いたらしいが、2本の雌しべは確認できなかった。


八重で段咲きの花が中心から出ているものが多数見られて面白い。



法輪寺

名札には法輪寺とある。


花弁が15~20枚ある淡紅色大輪の花が咲く。地元の公園にあるイチヨウと似ている。


花が高くて近くで観察できず。

ギョイコウ(御衣黄)

2014-04-14 | 日記

ソメイヨシノの花が散り、サトザクラ類がこれから咲くというこの時期に一風変わったサクラを見つけた。公園に植栽されてる他のサクラに比べてとても地味に見える。というのも花の色が緑だから。




黄色の花をつけるウコンという品種は見たことがあったがこのような緑色の花は初めて見た。名札には御衣黄と記されている。ネットではしばしば見ていたけれど実物は初めて。これがギョイコウかとしみじみと観察した。隣では大きなカメラを抱えた若い男と中年の男性がやはり真剣に写真を撮っていた。


中輪の八重で花弁の数は10-15枚。


ギョウイコウは花弁に緑、白、赤などの線が入り樹によって線の入り方が違うらしい。この木の花は白い線は目立たない。しかしよく見ると花弁の基部は白菜のように白くなっている。咲いてしばらくすると中央部の咲き始めに白かったところが赤く変わるというが、まだ咲き始めで赤くなったものはない。


雌しべが一本飛び出ている。


つぼみと萼片。


花弁は反り返る傾向がある。

ヤエベニシダレ

2014-04-10 | 日記
気の緩みは事故のもとだと知ってるのに、また家の駐車場でブロックに擦って車の側面をへこませてしまった。ショック。


ヤエベニシダレ

公園に植栽されたヤエベニシダレ。京都の平安神宮のヤエベニシダレは有名だけれども、こんな田舎の公園でもそれなりに咲いている。






蕾から花弁が展開するにつれて、花色が濃紅紫色から淡紅紫色へと変化するらしい。


萼筒は濃紅紫色で太い壷形をしており、毛が多い。

リキュウバイ

2014-04-10 | 日記
最近、枕草子を読み返している。平安時代の貴族社会で男女が夜を過ごしたあとの朝、ともに服を着る時を「きぬぎぬ」というが、枕草子61段の『暁に帰らむ人は』で、清少納言はそのきぬぎぬの別れの時こそいい男とだめな男の差がでると述べている。
   人はなほ、暁の有様こそ、をかしうもあるべけれ。
そのきぬぎぬの別れに際しては、男は後ろ髪を引かれるような未練あるそぶりで去っていくのが望ましくて、一方さっと起き上がると音を立てて服を着て慌ただしく身支度をして失礼すると言って出ていくような男はだめだとしている。清少納言は自分の体験から述べているのだろうが、翌朝服を着て出ていく男の様子があまりにも具体的で面白い。


リキュウバイ バラ科ヤナギザクラ属

公園の一角で見つけたリキュウバイ。爽やかな緑と真っ白の花が青空に映えて美しい。明るい春の日差しがあってこそだなあ。






花はスモモにも少し似ているが、雄しべが短くて花弁の隙間から見える萼片の色が白い点が大きく異なる。雌しべの柱頭は5つに分かれ、雄しべは20本程度。


花の後ろに回ってみると白い5枚の萼片。


葉の裏側は粉をふったような白色。ふちは全縁か先の方に数個の粗い鋸歯があるもものある。

スモモとスイセン

2014-04-09 | 日記
次々と花たちが咲きはじめ、見頃を待つうちに次の花が咲いていく。スモモもスイセンも時期外れにならないうちにアップ。
 

スモモ バラ科





ソメイヨシノが満開になる前に咲いていた白い花。サクラと同じく花茎が長い。何だろうなあと近寄ってみるとスモモのようだ。








スイセン ヒガンバナ科

ラッパ咲きスイセン


大杯咲きスイセン


八重咲きスイセン


「ペーパーホワイト」






ツバキいろいろ ~ シナモン・シンディ

2014-04-09 | 日記
サクラ満開の時期なのにまだまだツバキは咲き乱れている。冬の花のない時期から咲いているし5月まで咲き続けるのだからたいしたものだ。どこの公園にもツバキの一本くらいは植えられている。山に入ればヤブツバキはどこにでもある。


シナモン・シンディ



3月末頃にスモモの花が咲いていた公園で小さな白い花、強い香りのツバキを見つけた。シナモン・シンディと名札にある。確かにシナモンの香りに近い。ツバキの香りなど気にもとめたことがなかったから驚き。


オトメツバキ

花言葉は完璧な魅力。確かに完璧。



郊外を運転中あまりにみごとなツバキだったのでつい下車して写真を撮った。



紅唐子


大虹


以下名前は不明。























オオシマザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノ

2014-04-07 | 日記
4月に入って一気にサクラが満開になった。風の強い日もあったが受粉前のサクラはそう簡単に散りはしない。オオシマザクラ、ヤマザクラ、ソメイヨシノが満開を過ぎても多くのサトザクラが次々に咲いていく。どうして人は花を愛するのだろう?美しいと感じるのだろう?

昆虫や鳥が花を求める欲求は、これが生存に有利に働いてきたために遺伝的に受け継がれてきている可能性はあるだろう。中生代の昆虫や恐竜の頃に花への思いを寄せる遺伝子が出来上がったとしたら、もしかしたらその痕跡は人のDNA上にもまだ残っているかもしれない。そうなると花を愛する気持ちというのは下等動物から高等動物まで抱く共通した感情ということになり、そう考えると不思議な親近感、連帯感が湧いてくる。


オオシマザクラ

昨日スーパーで買い物をしていてつい桜餅に目がいって買ってしまった。塩漬けにしたオオシマザクラの葉を使っているはずだなどと思いながら。先週の早朝に通勤途中、団地の公園横に車を止めてほぼ満開のオオシマザクラを観察。






葉が展開初めているので白い花と緑の葉のコントラストが美しい。甘いいい香りが一面漂う。


葉の展開とほぼ同時に花は咲く。白く大型で香りがあり、花柄と萼は無毛で、萼片に鋸歯があるのが特徴。



ヤマザクラ





オオシマザクラの葉が緑なのに対してヤマザクラの葉は赤褐色なので遠目にもすぐわかる。職場近くの公園。






葉の展開とほぼ同時に花は咲く。萼と花柄は無毛。萼片に鋸歯はない。





ソメイヨシノ

以前の職場の近くの公園にはエドヒガンも植えられていたが、この辺の公園ではエドヒガンは見かけない。その代わりどこに行ってもソメイヨシノは植えられている。成長が早いのだろう、広い公園では15m以上の高木があちこちにある。




早朝に近くの公園を散歩してみた。人影まばらで犬の散歩している人たちが立ち話している。








葉が出る前に、淡紅色の花が枝全体につく。


萼筒は壺形で下部はふくらんでいる。花柄は有毛。萼片は披針形でふちには鋸歯があり有毛。

ヤマアイ トウダイグサ科

2014-04-01 | 日記

林床の日の当たりにくいところに丈が膝下くらいの草が群生していた。はじめはオドリコソウの仲間かな?と思ったが花も葉も全く違う。枝先の葉腋から花柄が伸びて小型の花を長い穂状につけている。葉は濃い緑色で光沢があり、質は柔らかく疎らに毛が生える。ネット検索しようにも科名すらわからない。ツユクサ科があやしいと検索したがどうも違う。花の色で検索しようにも花弁がないので色がわからない。これは一体何?あなたは一体何者?




仕方がないので最後の手段で植物の名前の質問サイトで尋ねてみた。なんと写真を送った4分後に早くも回答をが来てすぐに正体が判明した。やはり知っている人に聞くのが一番早い。トウダイグサ科ヤマアイだった。藍が入るまで古代染めに使われてていて、根は白だが一晩置くと青になるという。


雌雄異株。トウダイグサ科はこの花では思い浮かばない。トウダイグサ科の花はハツユキソウやナツトウダイの杯状花序や、ヒマのようなグロテスクな花を思い浮かべてしまう。


花弁はなく、顎片が3つに裂ける。たくさんの雄しべが線香花火のように飛び出しているのが可愛い。