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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『植物はなぜ5000年も生きるのか』 鈴木英治

2006年07月11日 | 科学
 
実に印象深い一冊です。夏休みに 海や山に出かけられる方、ぜひ出発前にご一読されたらいかがでしょう。

アメリカでは最近、理科の授業で、ダーウィンなどの進化論だけでなく、宗教的なもの、つまり“神(創造主)” が地球を作ったのだという考え方も教えようとする動きが盛んです。“サルの子孫”じゃイヤだというわけですが、みなさんはどう思われますか。

本書の副題は “寿命からみた動物と植物の違い” です。動物も植物も細胞からできており、ともに進化していますが、人間の寿命はせいぜい100年ですね。150歳の人はいません。

ところが世界の巨木には1000年以上生きているものはざらで、中には5000年ほどのものもあるそうです。植物の生命とは、どのようにして生まれ、寿命とは何かを科学的に説明している本なのです。

巨木を礼賛する書物は多くあるでしょうが、本書のような本をはじめて読みました。

■ 世界でもっとも長寿な動物と樹木は?
■ 植物と動物の細胞ではどちらが長生きか?
■ なぜ植物のクローンは簡単で、動物は難しいか?
■ なぜ針葉樹は広葉樹より長生きな種が多いか?

動植物がともに「生物」 であると感じられるような一冊です。私は、学校で習う“生物”は、謙遜でもなんでもなく、本当に、まったく、完全な “無知” ですが、本書を読んだ後は、興奮して(笑)、ずうずうしくも著者の鈴木先生(鹿児島大学理学部地球環境学科) にメールを出して、無知丸出しの質問をしてしまいました。今、思い出しても赤面します(笑)。(3年ほど前ですが…)


以下が私のさせていただいた質問の一部です。

>鈴木先生は本書の2章の中で、「原始の地球と同じ環境の星があり、同じだけの年数
>が経過したとしても、人間型の宇宙人が生活している可能性はほとんどありません」
>と述べておられます。
>
>それは、広大な宇宙の中を想定して、人間型生物は存在しないであろうという実感を
>もっていらっしゃるのですか。あるいは…

先生からの、ご返信を無断でこちらに掲載するわけには、参りませんが、驚いたことに、素人のぶしつけな質問に対して、鈴木先生は、参考書籍の紹介などもまじえ、非常に丁寧にご回答を寄せて下さいました。

調子に乗ってその後も数度、やりとりをさせていただきました。今でも深く感謝しております。そういうお人柄からでしょうか、実に読みやすく、また読者の興味を喚起するような文章です。しかも、生徒さんなら、夏休みの自由研究に使えそうな話題がいっぱいです。私のような生物嫌いな人間までも、強くひきつけてしまう良書だと思います。



http://tokkun.net/jump.htm




P.S. それにしても、何百年、何千年という単位から見ると、我々人間の日々のいさかいなど、取るに足らないことだという気がしてきます。

植物はなぜ5000年も生きるのか―寿命からみた動物と植物のちがい

講談社

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