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『総理の値打ち』 福田和也

2006年07月04日 | 政治・経済・外交
    
良くも悪しくも大評判になった一冊を取り上げます。

本書は日本の歴代総理全員(初代:伊藤博文から、56代:小泉純一郎まで)を100点満点で採点するという暴挙をやってのけました。“暴挙“かもしれませんが、愉快です。実を言うと私は福田氏のあまりの傍若無人な言い方を快く思ってはいないのですが、本書の企画は新鮮ですし、批判覚悟で自分の考えを点数にまでして明確にするのは、立派です。

その上日本史の受験生にとっては苦手な近代史が、年代順にコンパクトにまとまっていて知識整理に使えます。ただ、本書の評価はあくまで、福田氏個人のものですから、教科書とは違いますし、この採点には、異議も多数寄せられたそうです。

福田氏の採点基準は

90点以上:世界史に銘記すべき大宰相にして大政治家
80点台:国運を拓き、宰相として国史に長く刻まれるべき総理
70点台:国家、国民の活力を喚起し、歴史的な仕事をした総理


30点台:益まったくなし。総理の名に値せず。
30点以下:明確に国を誤り、国家社会に重大な危難をもたらした。もしくは後世に多大な弊害を遺した。

さて、小泉首相ですが、本書が書かれた時点では(平成14年)なんとたったの29点。この危機に際して、まったく勉強する意欲が無いのだそうです。訪朝やその後の政策でいくらか変化するでしょうか。ちなみに森前首相が30点。最高は伊藤博文の91点でした。

以下、少しご紹介しますと、
2位:山県有朋85点
3位:岸信介81点
4位:原敬73点
5位:佐藤栄作・加藤高明72点
7位:鈴木貫太郎71点

逆に下位は
まず、東久邇宮捻彦と羽田孜の2名は、採点不能としています。(在職期間が短いため)
55位(ワースト):近衛文麿17点
54位:吉田茂(独立後):27点(ただし占領中の吉田茂には68点)
53位:村山富市28点

となっています。とても私には、採点するだけの知識すらありませんが、受験生が自分なりの得点表なんか作れたらすごいですね。みなさんはどう思われますか?


http://tokkun.net/jump.htm



『総理の値打ち』 福田和也
文藝春秋:160P:1200円(文庫本530円には、これについての論客による討論が付いています。私は未読ですが、そちらの方が良いかもしれません)


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総理の値打ち

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