『ドラゴン桜』お読みになったでしょうか?あの本からは、実にさまざまなメッセージが読みとれます。公式ガイドブックとは意味不明(笑)ですが、本書は、そのメッセージや勉強方法をまとめて紹介し、さらに実際に東大生にそれらについてどう思うかを調べている一冊です。
以前にやはり、ドラゴン桜をもとに書かれた、『「ドラゴン桜」わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』親野智可等著を、ご紹介しましたが、それはおもに、小学年に対する家庭のしつけに関するものでした。
本書では、巻頭に筆者、三田氏のインタビューがあり、ドラゴン桜を書いたいきさつなどが語られます。さらに、東大卒の気鋭の脳学者、池谷裕二氏と『ドラゴンイングリッシュ』 の竹岡広信先生が東大について語ります。
ドラゴン桜には、各教科の“達人教師” が登場し、底辺校の生徒たちに、受験の極意を伝授します。それだけでなく精神論つまり受験生としての心構えも説きます。模試会場でのこころがけまで含め、すべて具体的に。
そこで、『寝る前に英語で日記を書け』とか『数学は自分で問題を作れ』 などという数多くのアドバイスについて、東大生に、自分の経験と照らし合わせてコメントをもらうのです。賛成・反対があり、なかなかおもしろいです。
私は、常々、勉強方法というのは、万人に共通して“効果がある” と言い切れるのは、ごく当たり前のことしかなく、あとは個人の好みや向き不向きが大きく作用すると思っております。大体どの参考書もそこらあたりの配慮が欠けていて、“こうすれば絶対大丈夫!” のように書いてありますね。
先輩の意見や本に書いてあることを鵜呑みにせず、自分自身で試して身に付けることが重要で、その点、東大生たちで検証しようという、本書の試みは賛成です。全体的なアドバイスの印象も、受験勉強や受験指導の盲点を突いており、好感が持てます。ただ、マンガに比べると地味ですね。ドラゴン桜を知っている生徒には受けないかも(笑)。
英語に関しても同様でしょう。ただ東大リスニングについて、『リスニングが合格を左右する』 と言い切っている割には、アドバイスは11の英語アドバイスのうちの1つだけ『音読せよ』です(笑)。もう少し詳しければ、『 東大英語リスニング 』の著書がある灘高のキムタツ先生にコメントを求めるところですが…。
ちなみに、龍山高校と同様、各教科の一流プロをそろえている当塾(笑)ですから、各科目の講師にこれらの勉強方法について聞いたところ、やはり上記のように答えておりました。生徒にやらせるために、絶対大丈夫!という言い方は、みんなしているのですが…(笑)。
東大へ行こう!―ドラゴン桜公式ガイドブック講談社詳 細 |
http://tokkun.net/jump.htm
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