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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『沖縄オバァ烈伝』 沖縄オバァ研究会

2006年05月06日 | エッセイ

日本で長寿といえば沖縄県。その上、話題の出生率もこの30年間、ずっ~と日本一。先日ご紹介した赤川学氏の『子どもが減って何が悪いか!』での指摘とも関連しますが、一般的に出生率に好影響を与えるとされる要因は、沖縄は決して高くありません。例えば、保育所の待機児童数などは全国最下位です。

なぜか、本書は教えてくれるかも知れません。沖縄出身の講師仲間から薦めてもらった一冊です。

沖縄ではおばあさんのことを“オバァ”と呼ぶそうなんですが、オバァはとにかく元気でユーモア満点。沖縄のすべての頂点に立っているのはオジィではなくオバァだということです。本書にはお腹いっぱいになるほどの楽しい南国のオバァが登場します。

20年以上前、私が沖縄をはじめて訪れた時、案内されるのはほとんど戦争に関わるところばかり。地元の人と話をすることもあまりなかったため、非常に重苦しい記憶しかなく、本書の内容は意外でした。今でも沖縄がらみのニュースといえば、基地問題などが多く、明るいものを聞きません。

この本を読んで大いに考えを改めさせられました。本の帯に“日本を救う沖縄の老人力”とありますが、なるほどその通り、これなら高齢化社会も乗り切れそうですね。東京の高校から、琉球大学に行ってそのまんま沖縄の魅力にとりつかれて、卒業後も、沖縄に残っている教え子が私にもいます。

表面的なおかしさもいっぱいありますし、本書の最後には、ちょっとしたドラマ、ストーリーも紹介されます。そちらをもっとたくさん聞きたかったと思います。子どもに『生きる力』なんて教えなくても沖縄に連れて行けば良いんだと(笑)。楽しめるし、ためになると思います。興味のある方、読んでみてくださいね。沖縄出身の方、これホントですよね?

http://tokkun.net/jump.htm

沖縄オバァ烈伝

双葉社

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