「北アルプス・白馬岳は黒馬岳?」

野山と峠のイラストレーター・漫画家の【とよた時】が、山の伝説
民話を中心にお送りしています。

某年10月20日(木曜日・晴れ)
「北アルプス・白馬岳は黒馬岳?」

昔の人は、初夏の山にできる雪形を見て農作業をはじめました。白
馬岳の雪形もその一つ。村人はこの山に馬の雪形のでる頃を水田の
なわ代かき開始の目安としたという。そこで、この山をなわ代かき
馬・代(しろ)馬岳と呼んでいました。

ところが明治時代、陸軍参謀本部陸地測量部というすごい名前のと
ころが地図をつくる時、ろくに村人の意見も聞かずに白馬(しろう
ま)とあて字してしまいました。

その後、山ろくの村々が合併、お役所がつくった地図通りの山の名
前を取り白馬村と命名、つづいて駅も白馬駅と改名しました。どち
らもハクバと音読みさせました。

しかし、あらわれるのは山の地肌が出た黒馬です。「ハクバだ」「シ
ロウマだ」という、ちまたの山名論争をよそにわが「黒馬岳」は悠
然として天空にそびえているのであります。

・長野県北安曇郡白馬村と富山県下新川郡朝日町との境。大糸線白
馬駅の北西10キロ。JR大糸線白馬駅からバス、猿倉から大雪渓経
由6時間15分で白馬岳。一等三角点(標高2932.2m)がある。
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