リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

リハビリテーションからリカバリーへ その6

2010年05月18日 | Weblog
一方で、回復期リハ病棟では入院中の一時の付き合いとなり退院後は生活をみることができず、自分たちのやったことがよかったのかどうか分からないことにフラストレーションがたまりました。
また病棟には在院日数の制限があり、リハビリのゴールを達成し期間がすぎた患者さんや家族へも退院を迫らなければならないのですが、自宅復帰の条件がととのわず、なかなか退院できない患者さんもいました。
 
そのころ上司とは関係がすっかりこじれてしまい病棟に関しては任せてもらえず、かといって助けてもらえず、顔を合わすと萎縮してしまいとても相談することもできませんでした。

普段は顔をあわすこともなくなった上司が突然「何をやっているんだ、おれならもっと早く退院させられているぞ。」という言葉をあびせかけてきたりして、そして私がいかに仕事ができていないかを文章や電話で繰り返し言われたりして落ち込みました。

また多職種のカンファレンスはやるけれど、他にいる主治医の扱いははっきりしておらずそれは主治医には伝わらなかったり、頭部外傷やくも膜下出血の高次脳機能障害と呼ばれる人たちの退院後の生活、とくに住む場所や仕事がないが地域にどんな資源があるのか分からない。

MSWの同僚と頭を悩ましました。

また山のようなアリバイの書類を作らなければならないのですがこれは自分にとってもっとも苦手なことでした。

チームをうまくまとめることができず、どうしていいかわからなくなってきました。
そんななかで、脊髄損傷で入院した方に自殺企図をされてしまったり、若い脳卒中の方が居場所を見つけられずうつになってしまったり、ICUなどでの治療がこじれて合併症で長引いたり後遺症がのこったりで病院とトラブルになりかかっている複数の患者や家族のアグレッションの矢面にたったり・・・。

そんな余裕がない状態で面談中、理不尽に迫られ患者さんに対して思わず手が出そうになり、「ちょっと失礼」と部屋を出てトイレで壁を蹴り足の骨にひびが入り一ヶ月くらい痛ませていました。

そんなことが重なってジワジワと疲弊していきました。

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