リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

どうする診療録!

2006年06月24日 | Weblog
 当院では、経過の長い患者さんの外来の診療録に閉じこむ伝票類や、レポート、診断書等さまざまな書類のコピーが多く、とくにさまざまな処置や検査に同意書や問診表をとるようになってからは紙書類は増える一方で現場では整理に混乱を極めています。外来カルテも一患者一カルテにはなっているのですが、受診科ごとにカルテの記載の場所が別だったり、医師記録以外の書類は後ろに閉じこむことになっていたりで最新の情報、必要な情報がどこにあるのかがわかりません。(大学病院では各科ごとでカルテも診察券も別だったのでそれよりはマシですが。)カルテの整理や伝票張りも大変な手間です。すべての診療科の医師記録や検査結果を時系列にとじこんでいくことはできないものでしょうか?
 また入院カルテも、医師記録と指示、看護記録、その他のスタッフのカルテの記載部分が分かれているので使いづらいく他職種の記録を参照しづらいです。(大学病院ではカルテ自体もわかれていたのでそれよりはマシですが。)最近になって、科や疾患によってはクリニカルパスがつかわれるようになって情報共有がはかられるようにはなってきました。それを発展させてプログレスノートでは、1日1ページなどにして、全職種が書くような仕組みにはできないでしょうか?そのようにしている病院はあるのでしょうか?
 3年前にオーダリングシステムが導入されましたが、中途半端な電子化のためオーダ入力に加えカルテへの指示記載(あるいはシール張り、伝票張り)のため医師や看護師の業務量は確実に増えました。朝夕などは、ひとつしかないカルテの取り合いです。メッセンジャーがフィルム類や、伝票類、カルテをもって病院内を動き回っており、記載も遅れますし、必要なときに必要な情報が無く限られた情報で判断をせまられ危険です。カルテの所在を確認する電話や、情報共有が不十分なため些細なことの確認のために院内電話やPHSが常に鳴り響いています。
 シークエンシャルとランダムアクセス、他の職種の記載を診たいという欲求と自分でカルテを持っていたいという欲求。(情報共有)医療行為後すぐに記載したいという欲求などを同時にかなえるためにはは電子カルテの上手な利用しかないのでしょうが 既存の電子カルテソフトの多くはオーダリングやレセプトから発達したもので、情報共有や業務標準化、アウトカム評価のためのデーターベースとして利用するいう目的に使うには不安がのこります。RSSなどのWEB技術を利用した電子カルテシステムはできないものでしょうか?
 これらのことについて訴えていきたいのですが、院内には外来業務委員会、カルテ記載委員会、診療録管理委員会、クリニカルパス委員会、電子カルテ委員会などさまざまな委員会があるも、ルール作りのルールや、病院に組織としての意思決定のルール(これらはいわば憲法、議会のようなもの)が明確ではしていないために、どこにどのように訴えていけばいいのかわからず困っています。再構築(リストラクション)をすすめ、病院が組織として成熟していく必要をつねづね感じます。なんだか愚痴ばかりになってしまいましたが、すこしづつでも良い方向へ前進していかなくては。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿