リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

ケア会議の本質

2009年12月18日 | Weblog
「カンファレンスはチーム医療の練習だ」とは私淑する野中猛先生の言葉ではあるが・・。

精神医療の分野でもケア会議の目的をはっきりさせないまま、ケースカンファレンスになにごとかの解決をもとめて貴重な時間をさいて集まったはいいが・・・。
「地域は、病院は、医者は・・・。」と理解を深めるどころか、お互い自分が苦労しているんだという思いを一方的にぶつけ、情報クレクレ合戦や悪者探しに終わってしまう。
お互いに後味は悪く前向きな方針や相互の理解は深まらない・・。
何のためのカンファレンス?
そんなことがたびたびある。

病棟などのカンファレンスもなぁなぁで、関わっている人が参加できなかったり、情報共有だけになってしまったり有効に活用できていない。
ケアマネジメントにおけるケア会議は目的をはっきりさせマネジメントのPDCAサイクル(Plan→ Do→ Check→ Actionのサイクル)の中に位置づけなければならない。
高齢者の介護保険制度のケアマネージャーにあたる人の仕事や報酬がきちんと制度化されていない障害者のケアマネジメント。チームが回らない状態では誰も担いたがらない・・。

そのことに関して、病院内外の壁や職種間の壁などやすやすと乗り越えてしまうメールなどのITを使った情報共有&カンファレンスのアイディアを仲間と話していたら・・・。

ケースワーカーが「それじゃ、ケースワーカー要らなくなりますね。」

「しかし、それが仕事なの?」と問うと・・。

「たしかに、双方と連絡をとって調整ということに多くのエネルギーを使っていますね。」
「あ、その分、ソーシャルワークにエネルギーを注げば良いのか・・。ソーシャルワーク苦手なんだよね。」

いやいや、情報共有のコストが下がった分、是非是非ケースマネジメントやソーシャルワークに力を注いでください・・。

ケア会議の技術
野中 猛,上原 久,高室 成幸
中央法規出版

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ケア会議評価尺度でケア会議の質や達成度を評価しよう・・・。またケア会議の質をあげるツールとして利用しよう。

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