リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

ACT-K 専門性の時代。

2010年03月17日 | Weblog
ACT-Kの高木先生は毒舌であった。

どんな職種も2、3割はダメだという。
そして精神科医は5割はダメだと・・・。
しかし薮にもなれない土手医者は仕方ないので放っておいて薮に近づきかかっているスズメ医者を患者や家族で育ててほしいとエールを送る。
(薮、土手、というのは先を見通すことの出来ないダメな医者のこと)

精神保健福祉を担うと期待されて誕生した専門職であるPSWはPoor Secretary Workerになっていないか?

 精神障害者が安心して居ることの出来る場を地域につくる、主体的な活動ができているだろうか。

就労や生活再建の主役であるはずのOTはFitness club OTになっていないか?

 バイクマシンの自転車こぎと同じでこげどもこげども一つも前へ進まない。
 ちっとも退院に結びついていない。
 そんな作業療法ではなくOccupational Therapyの名の通り、社会に障害者の居場所をどんどんつくっていくべし。

看護師は、「薬飲んでますか?」としか聞かないアリナミン看護になっていないだろうか?
 
 病院に入院できなかったかわいそうな人だからせめてこれだけはというものではない。
 小さなニーズを大切にしてそこに関わる。
 チームでの動きと生活支援こそ看護の本領。
 やはり精神医療の主役だ。


臨床心理士は統合失調症においても心理教育や家族支援、SSTなどにまだまだ活躍できるはず。
またチームにいることでそのチームの雰囲気がよくなるという役割も期待できる。

19世紀のイギリスの労働者は指示され与えられた仕事をこなす肉体労働のモデルであった。
その日の稼ぎでギャンブルとメシにお金を使いまた次の日に働ければそれで良かった。

しかし今の時代は自分の専門性でお金をもらう時代。
仕事で得たお金の一部は自分の勉強につかい専門性を磨くべし。
そして忠誠を誓うのは病院ではなく、当事者、利用者であるべきなのだ。

精神障害者への訪問は、まず支援を受け入れてもらうところから始まる。
関係づくりに1年かかることもある。
支援をできる関係があること自体が支援であり、そこが専門性である。
薬を飲んでもらうことがだけ治療ではない。
日常生活支援は立派な治療である。
そして生活支援で病気はよくなるのだ。

「ビューティフルマインド」に描かれている天才数学者のジョン、ナッシュは重い精神の病(統合失調症)を患ったが、大学という場で立派な仕事をした人として尊重され安全と自由を保障され、そして妻がずっとみまもっていたという絆があった。
そして病気から回復し後にノーベル経済学賞を授賞した。
人は人によって傷つき、人によって癒される。

安心して病気になれる世の中にするために活動していきたい。

ACT-K 精神障害者の地域移行は必然

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ACT-K 専門性の時代

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