リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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みさと健和会との交流会

2006年10月29日 | Weblog
 埼玉県の三郷市にみさと健和病院という病院がある。またそのグループで東京の千住近くの下町、柳原に柳原病院という病院があり、診療所もたくさん持っている。一昨年柳原リハビリテーション病院という回復期と療養型の病院も新しく作った。

 みさと健和会は「下町に佐久病院を」という思いで創立された民医連系の団体だ。佐久ほどは大きな病院ではないが、地域医療、在宅医療などではよく知られた有名な病院であり、日本の訪問看護のはしりでもあり、「東京下町、柳原を日本のデンマークに」の掛け声のもと、福祉機器の利用や時間巡回型のホームヘルプサービスなど精力的に地域ケア活動をおこなっている。

 佐久病院とは規模やフィールド、設立母体こそ違えど、ニーズに応え地域に必要な医療を提供して行きたいという思いは同じであり、何年も前から、研修医やスタッフ、双方の医師が行き来して双方の施設を見学、勉強会、交流会をしている。

 今年度は若月先生の追悼ということもあり、小海に招き「地域医療の研修」をテーマに発表、ディスカッション、食事会、飲み会がおこなわれた。

 佐久、みさと、双方の研修医や先輩医師の思いを聞けたのもよかったが、小海、柳原で活躍されている先生の実践の報告がどちらもすばらしかった。病院でどこかうわついた、コマギレの医療ではなく、地に足をつけ、とことん付き合う主治医機能を果たし、地域とがっぷり四つに組み、どっぷりと地域社会につかった医療をやっているので迫力ある話でありとてもまねできないと感じた。

 医療はすべからく地域医療であり、第一線から専門医療まで医療のどの分野を担うにしろ、地域医療で無い医療などありえないが、はじめから専門化、細分化した医療をやっていると医療のどの部分をになっているのかというのが見えにくくなってしまう。

 だから早いうちに地域に出て行きニーズを肌で感じ、地域の人の生活を知る機会を持ち、地域に出て学ぶ(というより感じ)、地域に対するアンテナを立てる必要があるというようなディスカッションがおこなわれた。

柳原リハ病院のずっと診療所などで医療をやってこられた先生の、自分はリハなんてやるつもりは全然なかったが、地域で必要で自分しかやるひとがいなかったからしかたなくやっている。医療をやるということはそういうこともあるんだよ。という言葉が印象に残った。

あちらの先生の話を聞いていると、ぜひ、いつか柳原にいってみたいと感じた。

 個々人的には柳原リハ病院の、PHPで安価に独自開発したというWEBベースのリハシステムには非常に興味がある。1人の腕の立つSEがいれば必要十分な情報システムというのは作れるのだ!ということ(*゜ー゜*)。カスタマイズできない大手のシステムはダメで、地域医療と同じで使う人にあわせて作っていかなくてはいけないものなのだろう。(だからシステム会社がこんなにたくさんあるのだ。)

さて今日は救急外来当直。週の初めからズタボロだー。