嘘をつかない人は社会的な信用を得る。
でも人は一日中まったく嘘をつかないで社会生活を送ることなどできるのだろうか。
僕は嘘をつかないというのが一面的、限定的な評価だと思う。
それどころかまともに社会生活を送っている人ほど嘘を上手に使っている気がする。
だから僕は信用できると評される人でも安易に信じる気にはならないのである。
僕が本当に信じられる人は、嘘をつかない人ではなく、嘘をつけない人である。
謙虚と自信の二つの極を揺れ動く、不覚にもそれをそのまま露呈してしまうような人である。
それを劣等と捉えるか優越と捉えるかで、相手に対する態度が分かれてくると思う。