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玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

講義録1 タヌキ <「ポケット」を調べる>

2016-04-25 01:58:14 | 生きもの調べ
<「ポケット」を調べる>
 「地球永住計画」が始ったので、私は改めて玉川上水のタヌキを調べることにしました。それにあたって狙いをつけたのは、「ポケット」です。玉川上水は細長い緑地ですが、ところどころにその細い緑に「ふくらみ」のような緑地があります。そのようなところには、暗いところに生える草などがみつかることが多く、もちろんタヌキの生活の場の可能性も多いものと予想されます。私はこれを「ポケット」と呼ぼうと思います。ちょっとしたふくらみがあって、そこに生き物が入っているというイメージです。私は前々からそうした「ポケット」のひとつとして津田塾大学に目をつけていました。津田塾大学は玉川上水に接しており、キャンパス内にはうっそうとした森があります。だから、私はきっとタヌキがいると考えました。許可をもらって調べることにしました。ところが期待していた「タメフン」が見つかりません。タヌキは同じ場所に糞をするので、これを「タメフン」といいます。いわばタヌキのトイレです。小一時間歩いても見つからないので、あきらめかけていたとき、関野先生が笹薮の中で見つけてくれました。私が確認にいくと、間違いなくタヌキのタメフンでした。そこでここに自動撮影カメラを設置しました。同時に、別の場所にもカメラを設置して、その前にベーコンとリンゴを置いておきました。そうしたら、早くもその日の夜にタヌキが写っていました。タメフンのあったところではタヌキがフンをするようすも写りました。というわけで、私が「きっといる」とふんだ津田塾大学にタヌキが暮らしている証拠が得られました。

 
餌に寄ってきたタヌキ(左)と糞をするタヌキ(右)

 私はさらに、タメフンを拾ってきて、顕微鏡を使って内容物を分析しました。すると3月のフンからは鳥の羽や足、ギンナン、植物の葉などが検出されました。植物の葉の一部はヤブランであることがわかりました。またゴム手袋の破片も見つかりました。


3月のタヌキの糞から検出された内容物 a.ギンナン、b.羽毛、c.骨、d.鳥の足、e.ゴム手袋


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