7月23日に「玉川上水にはフン虫がいるよ2019」をおこないました。
子供達の作品 スケッチ
子供達の作品 粘土
子供達の感想 こちら
保護者からの感想 こちら
スタッフからの感想 こちら
+++++++++++++++++++++++++++++
9時に鷹の台駅の近くの「うさぎ橋」に小さい子も含め15人と保護者が集まりました。はじめに今日の目的を話しました。
「おはようございます。この字は知ってるかな?」
といって木の字を書きました。
「キー!」
大きい子が答えました。
「じゃあこれは?」
といってもう一つ木の字を書きました。
「ハヤシ」
林の話をする
「そうだね。みんなの後を見ると林があるね。ここには木の実や草の実もなるし、夏になると昆虫もたくさんいるよね、林があるということはいろんな生き物が住んでいるという事です。あっちを見ると家ばっかりでしょう。それからこっちを見ても家ばっかり。でもここには林があってずっと続いています。これが玉川上水です。玉川上水にはタヌキもいろんだよ。それはタヌキが食べる木の実や昆虫などがたくさんいるからなんだ。
みんなもそうだけど、動物は食べたらウンチをするよね。ウンチのことを糞と言います。その糞を食べる糞虫という虫がいます。今日はその糞虫も勉強をします。
昨日、先生たちはプラスチックの小さいバケツみたいなのを林の下に置いてきました。そこにはイヌのウンチがぶら下げてあって、うまくいけば糞虫が入っているはずです。これからそこまで歩いていきます。道が滑るかもしれないから足元に気をつけてね」
玉川上水では広くひろがれる場所がないので記念撮影をすることにしました。
うさぎ橋の近くで記念撮影
そこから下流(東)に向かって玉川上水沿いのコナラの林を歩きました。あいにく小雨でしたが、林の中では濡れることはありませんでした。次の久右衛門橋を越えると、津田塾大学になるのですが、昨日そこに14個のトラップを置いておきました。
糞虫トラップ
トラップはプラスチック容器で、上に犬のフンを入れたティーバッグを割り箸にはさみ、その割り箸を置いています。容器の底には水が少し入っています。フンの匂いにつられて飛んできた糞虫はトラップの底に落ち、水の中で飛び立てないで溺れた状態でいます。
糞虫はたぶん入っているだろうとは思いましたが、自然相手のこと、何があるかわかりません、
「さあ、入っているかなあ」
スタッフが確認すると
「あ、いるみたい」
「おお、やった!」
茶こしに出すと小さなエンマコガネが2匹いました。
茶こしに入った糞虫
それをシャーレに入れて蓋をしました。
その次も、その次も入っていました。
トラップをチェックするスタッフ(林さん)
糞虫のシャーレを受け取る子供たち
参加した子供一人一人に担当のシャーレを渡して教室まで持ってゆくように伝えました。
糞虫の入ったシャーレを受け取る
もう一つ話しました。
「こういう調査をしたら、道具などを後に残さないようにしないといけないんだよ。だから、それをしてもらいます。4年生の子はいるかな?では君はトラップをレジ袋に入れてね。それから、トラップに置いた割り箸とフンの入ったティーパックはチャック袋に入れるよ。これは3年生にしてもらおう。ああ2人いるんだね、じゃあ二人にお願いね」
4年生の男子は嫌々ですが、なんとか引き受けてくれました。こちらはただのプラ容器なのでレジ袋に入れるだけですが、フンと割り箸は臭いので、ゴム手袋をしてもらいましたが、ちょっと嫌な作業です。それを女子二人が責任を持って引き受けてくれるました。
回収した糞などを運ぶ3年生女子
袋の中にはフンと割り箸
その後、次々と調べました。そのうち、一つだけですが、センチコガネが入っているトラップがありました。
「センチコガネが入ってたよ!」
と言うと歓声が上がりました。
「エンマコガネに比べるとずっと大きくて1センチくらいあるよ。だからセンチコガネと言うんじゃなくて、センチって言うのは雪隠のこと」
といっても雪隠を知っている人がいないようでした。
「セッチンってトイレのこと。だからトイレコガネって言うことね」
センチコガネとエンマコガネ
こうして調べた14個のうち、糞虫が入ってなかったのは2個だけで、全部で35匹のエンマコガネが採れました。そこでまとめの話をしました。
まとめの話をする
「この100mもないくらいの範囲でも35匹、平均すると1つに2,3匹は入っていたわけだから、その何倍もいるはずだよね。ここにはタヌキがいて、毎日糞をするんだけど、糞は探しても見つかりません。それは糞虫がこんなにいるからなんだ。そのおかげで糞で汚れたり、臭かったりしないんだよ。だから、糞虫は林をきれいにしているっというわけだ」
子供たちは初めて聞く話のようで、よく聞いてくれているのがわかりました。
「それと、お願いしていた調査道具の片付け、特にフンを片付けてくれた2人の3年生はとてもよくやってくれました。みんなで二人に拍手しましょう」
3年生にお礼の拍手
それから津田公民館に行きました。10時15分くらいになっていました。
公民館の教室のようす
はじめに今日調べたことの意味などを説明しました。そして発砲スチロールを切って作ったタヌキで胃袋のこと、フンのこと、そのフンを利用する糞虫のことを模型を示して説明しました。
タヌキの模型、腹の部分が開くようになっており、中に胃のイラストを描いた。
紙粘土で作ったコブマルエンマコガネ
また私が飼っている糞虫の飼育ケースも見てもらいました。
それから糞虫を実体顕微鏡やルーペで見てもらい、スケッチをしてもらいました。
糞虫を顕微鏡を覗く
「ファーブル」を覗く
ルーペを覗く
低学年が多かったので、スケッチは正確に描くことより、自由にのびのびと描いてもらうことにしました。
スケッチをする
こばやし ゆうとくん(8歳)の作品
ほかの作品は こちら
それから粘土で糞虫を作ってもらいました。足はササの茎を切ってつけてもらいました。
たにち やすのり君の作品
ほかの作品は こちら
これらは持ち帰って粘土が乾いたら色をつけて完成です。次の写真は持ち帰って色を塗ったもので、古川佐和子さんの作品です。素晴らしい出来になりました。
彩色した粘土作品(古川佐和子さん)
スタッフが机を回ってアドバイスをしたり、子供がリラックスするよう話しかけたりしてくれました。
スタッフと話をする子供
まとめとして黒板に次のように書きました。
フン虫が14コのトラップに35ひきとれた。
フン虫がたくさんいる。
フン虫がいるからフンがなくなる。
小さな虫、大きなはたらき
「今日、トラップを調べたら、14個のトラップに35匹も糞虫がいました。ということは玉川上水にはたくさんのフン虫がいるということですね。それだけいるから、タヌキや犬のウンチがあってもすぐにフンがバラバラになってしまうんだよ。先生はピンポン球くらいのフンに5匹の糞虫を入れて観察したけど、次の日にはフンのかたまりがバラバラになっていました。もし君が糞虫だったら、フンはこの部屋くらいの大きさになります。それを1日でバラバラにするってフン虫ってすごいよね。フン虫を手で握ってみると、すごい力で指の間を出ようとするのがわかるよ。手がギザギザになってるでしょう。これでフンの中に入ってフォークみたいに使ってフンをバラバラにするんだ。そうするとフンは土の中にかえっていって、植物の栄養になるし、林がきれいになるんだね。だから、フン虫はこんなに小さいけど、林をきれいにするというとても大きな働きをしているんだよ」
最後に感想文を書いてもらい、認定証とオオセンチコガネの標本を渡して終わりにしました。感想文は こちら
オオセンチコガネ
「このオオセンチコガネは宮城県の金華山という島でとったもので、そこはシカがたくさん住んでいます。私はそこでシカの研究をしていました。島中にシカのフンがあって、このオオセンチコガネがたくさんいます。赤く輝くとてもきれいな昆虫なのでプレゼントすることにしました。標本には必ず採集年月日、採集場所、採集者名をつけます。これにはちゃんとラベルが付いています。今日は百円ショップで買ったプラ容器に入れていますが、標本箱に入れても見劣りしません。」
認定証を渡す
最後に作品を手に記念撮影
この活動を通して、玉川上水の自然の中で小さな糞虫が偉大な働きをしていることを知った小さな心に何かが残ればいいなと思いました。
写真撮影は関野、高槻、豊口。写真の公開は了解を得ています。
この活動は豊口信行さんが企画、棚橋早苗さんが素敵なチラシデザインをしてくださいました(こちら)。また以下の皆様にはスタッフとしてご協力いただきました(敬称略)。豊口信行、関野吉晴、棚橋早苗、坂本有加、中塚 智恵美 、東内 一弘、平沼みなみ、林若菜未
子供達の作品 スケッチ
子供達の作品 粘土
子供達の感想 こちら
保護者からの感想 こちら
スタッフからの感想 こちら
+++++++++++++++++++++++++++++
9時に鷹の台駅の近くの「うさぎ橋」に小さい子も含め15人と保護者が集まりました。はじめに今日の目的を話しました。
「おはようございます。この字は知ってるかな?」
といって木の字を書きました。
「キー!」
大きい子が答えました。
「じゃあこれは?」
といってもう一つ木の字を書きました。
「ハヤシ」
林の話をする
「そうだね。みんなの後を見ると林があるね。ここには木の実や草の実もなるし、夏になると昆虫もたくさんいるよね、林があるということはいろんな生き物が住んでいるという事です。あっちを見ると家ばっかりでしょう。それからこっちを見ても家ばっかり。でもここには林があってずっと続いています。これが玉川上水です。玉川上水にはタヌキもいろんだよ。それはタヌキが食べる木の実や昆虫などがたくさんいるからなんだ。
みんなもそうだけど、動物は食べたらウンチをするよね。ウンチのことを糞と言います。その糞を食べる糞虫という虫がいます。今日はその糞虫も勉強をします。
昨日、先生たちはプラスチックの小さいバケツみたいなのを林の下に置いてきました。そこにはイヌのウンチがぶら下げてあって、うまくいけば糞虫が入っているはずです。これからそこまで歩いていきます。道が滑るかもしれないから足元に気をつけてね」
玉川上水では広くひろがれる場所がないので記念撮影をすることにしました。
うさぎ橋の近くで記念撮影
そこから下流(東)に向かって玉川上水沿いのコナラの林を歩きました。あいにく小雨でしたが、林の中では濡れることはありませんでした。次の久右衛門橋を越えると、津田塾大学になるのですが、昨日そこに14個のトラップを置いておきました。
糞虫トラップ
トラップはプラスチック容器で、上に犬のフンを入れたティーバッグを割り箸にはさみ、その割り箸を置いています。容器の底には水が少し入っています。フンの匂いにつられて飛んできた糞虫はトラップの底に落ち、水の中で飛び立てないで溺れた状態でいます。
糞虫はたぶん入っているだろうとは思いましたが、自然相手のこと、何があるかわかりません、
「さあ、入っているかなあ」
スタッフが確認すると
「あ、いるみたい」
「おお、やった!」
茶こしに出すと小さなエンマコガネが2匹いました。
茶こしに入った糞虫
それをシャーレに入れて蓋をしました。
その次も、その次も入っていました。
トラップをチェックするスタッフ(林さん)
糞虫のシャーレを受け取る子供たち
参加した子供一人一人に担当のシャーレを渡して教室まで持ってゆくように伝えました。
糞虫の入ったシャーレを受け取る
もう一つ話しました。
「こういう調査をしたら、道具などを後に残さないようにしないといけないんだよ。だから、それをしてもらいます。4年生の子はいるかな?では君はトラップをレジ袋に入れてね。それから、トラップに置いた割り箸とフンの入ったティーパックはチャック袋に入れるよ。これは3年生にしてもらおう。ああ2人いるんだね、じゃあ二人にお願いね」
4年生の男子は嫌々ですが、なんとか引き受けてくれました。こちらはただのプラ容器なのでレジ袋に入れるだけですが、フンと割り箸は臭いので、ゴム手袋をしてもらいましたが、ちょっと嫌な作業です。それを女子二人が責任を持って引き受けてくれるました。
回収した糞などを運ぶ3年生女子
袋の中にはフンと割り箸
その後、次々と調べました。そのうち、一つだけですが、センチコガネが入っているトラップがありました。
「センチコガネが入ってたよ!」
と言うと歓声が上がりました。
「エンマコガネに比べるとずっと大きくて1センチくらいあるよ。だからセンチコガネと言うんじゃなくて、センチって言うのは雪隠のこと」
といっても雪隠を知っている人がいないようでした。
「セッチンってトイレのこと。だからトイレコガネって言うことね」
センチコガネとエンマコガネ
こうして調べた14個のうち、糞虫が入ってなかったのは2個だけで、全部で35匹のエンマコガネが採れました。そこでまとめの話をしました。
まとめの話をする
「この100mもないくらいの範囲でも35匹、平均すると1つに2,3匹は入っていたわけだから、その何倍もいるはずだよね。ここにはタヌキがいて、毎日糞をするんだけど、糞は探しても見つかりません。それは糞虫がこんなにいるからなんだ。そのおかげで糞で汚れたり、臭かったりしないんだよ。だから、糞虫は林をきれいにしているっというわけだ」
子供たちは初めて聞く話のようで、よく聞いてくれているのがわかりました。
「それと、お願いしていた調査道具の片付け、特にフンを片付けてくれた2人の3年生はとてもよくやってくれました。みんなで二人に拍手しましょう」
3年生にお礼の拍手
それから津田公民館に行きました。10時15分くらいになっていました。
公民館の教室のようす
はじめに今日調べたことの意味などを説明しました。そして発砲スチロールを切って作ったタヌキで胃袋のこと、フンのこと、そのフンを利用する糞虫のことを模型を示して説明しました。
タヌキの模型、腹の部分が開くようになっており、中に胃のイラストを描いた。
紙粘土で作ったコブマルエンマコガネ
また私が飼っている糞虫の飼育ケースも見てもらいました。
それから糞虫を実体顕微鏡やルーペで見てもらい、スケッチをしてもらいました。
糞虫を顕微鏡を覗く
「ファーブル」を覗く
ルーペを覗く
低学年が多かったので、スケッチは正確に描くことより、自由にのびのびと描いてもらうことにしました。
スケッチをする
こばやし ゆうとくん(8歳)の作品
ほかの作品は こちら
それから粘土で糞虫を作ってもらいました。足はササの茎を切ってつけてもらいました。
たにち やすのり君の作品
ほかの作品は こちら
これらは持ち帰って粘土が乾いたら色をつけて完成です。次の写真は持ち帰って色を塗ったもので、古川佐和子さんの作品です。素晴らしい出来になりました。
彩色した粘土作品(古川佐和子さん)
スタッフが机を回ってアドバイスをしたり、子供がリラックスするよう話しかけたりしてくれました。
スタッフと話をする子供
まとめとして黒板に次のように書きました。
フン虫が14コのトラップに35ひきとれた。
フン虫がたくさんいる。
フン虫がいるからフンがなくなる。
小さな虫、大きなはたらき
「今日、トラップを調べたら、14個のトラップに35匹も糞虫がいました。ということは玉川上水にはたくさんのフン虫がいるということですね。それだけいるから、タヌキや犬のウンチがあってもすぐにフンがバラバラになってしまうんだよ。先生はピンポン球くらいのフンに5匹の糞虫を入れて観察したけど、次の日にはフンのかたまりがバラバラになっていました。もし君が糞虫だったら、フンはこの部屋くらいの大きさになります。それを1日でバラバラにするってフン虫ってすごいよね。フン虫を手で握ってみると、すごい力で指の間を出ようとするのがわかるよ。手がギザギザになってるでしょう。これでフンの中に入ってフォークみたいに使ってフンをバラバラにするんだ。そうするとフンは土の中にかえっていって、植物の栄養になるし、林がきれいになるんだね。だから、フン虫はこんなに小さいけど、林をきれいにするというとても大きな働きをしているんだよ」
最後に感想文を書いてもらい、認定証とオオセンチコガネの標本を渡して終わりにしました。感想文は こちら
オオセンチコガネ
「このオオセンチコガネは宮城県の金華山という島でとったもので、そこはシカがたくさん住んでいます。私はそこでシカの研究をしていました。島中にシカのフンがあって、このオオセンチコガネがたくさんいます。赤く輝くとてもきれいな昆虫なのでプレゼントすることにしました。標本には必ず採集年月日、採集場所、採集者名をつけます。これにはちゃんとラベルが付いています。今日は百円ショップで買ったプラ容器に入れていますが、標本箱に入れても見劣りしません。」
認定証を渡す
最後に作品を手に記念撮影
この活動を通して、玉川上水の自然の中で小さな糞虫が偉大な働きをしていることを知った小さな心に何かが残ればいいなと思いました。
写真撮影は関野、高槻、豊口。写真の公開は了解を得ています。
この活動は豊口信行さんが企画、棚橋早苗さんが素敵なチラシデザインをしてくださいました(こちら)。また以下の皆様にはスタッフとしてご協力いただきました(敬称略)。豊口信行、関野吉晴、棚橋早苗、坂本有加、中塚 智恵美 、東内 一弘、平沼みなみ、林若菜未
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