玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

津田塾大でフクロウの巣箱かけ

2024-11-07 07:13:32 | 生きもの調べ
2024年11月7日
鷹の台あたりでフクロウの声を聞いたという情報があり、津田塾大学から西の方に飛んでいくのを見たという情報もありました。そこで津田塾大学の林に巣箱をかけることにしました。
私は山梨県の八ヶ岳、長野県黒姫のアファンの森、宮城県の復興の森などでフクロウの食べ物を調べたことがあります。いろいろなことがわかってきたのですが、東京のような大都市にはそもそもフクロウがいないので、大都市のフクロウの食性はわかっていません。産地や里山ではアカネズミやハタネズミなどのネズミ類を食べていますが、地方都市の場合は鳥類も食べることがわかっています。私が東京のある場所で行った断片的な分析によると、ドブネズミなどラット類が食べられていました。
 フクロウは肉食の猛禽類ですから、フクロウがいるためには豊富なネズミがいる必要があり、ネズミがいるためにはその食物が必要ですから、フクロウがいるということは豊かな生態系があるということです。こういう種を「アンブレラ種」と言います。フクロウという傘の下に多くの動植物がいるから、傘を守ればその全部が守られるという意味です。
 その意味で、フクロウがいることは玉川上水の自然の豊かさを象徴することです。玉川上水の樹林は帯状ですが、津田塾大学はそれに接してまとまった林があるのでフクロウには適しています。実際、私は数年前にここでフクロウの死体を見つけるという得難い体験をしました。そこで、ここに巣箱をかけてフクロウに利用してもらえればいいと思いました。八ヶ岳では20個くらいの巣をかけたらその年にフクロウが入ったそうですが、アファンの森では数年かかったそうです。
 日曜大工で巣箱を作り、大学に了解をもらい、この日に設置をしました。

大きさはこのくらいです。向かって左は大出水さん。

巣箱には工夫があり、天井にミラーが付いていて、下から巣箱の中が見えるようになっています。また入口の下に黒い横棒がありますが、これは発泡スチロールに黒ペンキをスプレーしたもので、フクロウが入ろうとすると、爪痕が白く残ります。

巣箱をかける(撮影、小川さん)

かけた巣箱(撮影、小川さん)

あとはフクロウが使ってくれるのを待つだけ・・・
コメント
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