11月17日に観察会をしました。快晴で気持ちの良い日でした。 今回は今まで観察会をしたことのない拝島の上流の水くらいど公園に行きました。
拝島の駅に着いて様子を見ると話しかけてくる方がおられました。小太刀さんと佐藤さん、それに大橋夫妻で、花マップのシンポジウムに参加されたということでした。井の頭公園で観察会などをしておられるそうです。
平和橋から上流に向かいました。日光橋公園というところがあり、子供の遊具などがありました。玉川上水沿いよりは良さそうなので、そちらを歩くことにしました。ヌルデやアオハダがあったので、複葉の説明などをしました。ゆっくり歩きながら植物を見ましたが、全体に小平あたりよりは山の植物が多いと感じました。皆さんが親しんでおられる井の頭に比べればさらに違いが大きいのだと思います。林はコナラ、クヌギ、イヌシデ、ケヤキが主体ですが、その下に生える低木類などが豊富でした。みなさん、かなり植物をご存知のようでした。
この範囲では「これぞ」というものはなく、クマシデの果実、ヤブランの果実、コウヤボウキの花くらいでした。公園が終わると小鳥観察用の板壁があり、行き止まりでしたので、そこから上水の方に降りました。
上水沿いに歩く
クマシデ(撮影 豊口)
コウヤボウキ(撮影 豊口)
すぐのところで赤いものが目にとまりました。マメのサヤでした。図鑑で確認するとタンキリマメでした。エンドウなどよりは短いサヤに2つの豆が入っていました。
タンキリマメ
「タンキリって、喉のタンを切るってこと?」
「結核とか病気になってタンが出るのを直すってことでしょう」
「薬草ってわけだ」
「昔は具合が悪いから病院に行くってこともなかったから、言い伝えでこれにはこの草が効くとか色々生活の知恵があったんだね」
「私は東北が長かったから、それほど歳の違わない人から聞いたんだけど、医者に診てもらうというのは「ご臨終です」って言ってもらう時だったそうです」
「え?」
「医者にはらうお金がないから、気楽に病院にはいけなかったということだそうです」
「へえ」
別の人が
「タンカを切るじゃないのね」
「タンカキリマメなんてね」(笑)
チジミザサがあり、粘り気のある果実を触ってもらいました。
チジミザサの果実
しばらく歩くと線路をくぐり、明るい場所に出ました。上水沿いにノコンギクがあり、その近くにトウバナの仲間がありました。イヌトウバナかなと思いましたが、多分クルマバナのようです。
水路沿いの道から上に登る道がついており、その登りがけにある花をみつけた人が尋きました。それはホトトギスの仲間の蕾でした。少し周りを見ると開いた花がありました。ヤマジノホトトギスだかヤマホトトギスだかあやふやだったので調べるとヤマホトトギスのほうでした。違いは、花被片が反り返る、雄しべの付け根にも斑点がある、散房花序などだそうです。
ヤマホトトギス
丘のようなところに上がると、送電線の下なので樹木がなく、ヤブ状態でした。探すと、ノイバラ、ヒヨドリジョウゴ、アオツヅラフジ、スイカズラ、ガマズミ、カマツカ、ゴンズイなどの果実を見つけることができました。
果実を渡す(撮影 豊口)
リーさんが尋きました。「テリハノイバラとどう違うんですか?」
「テリハノイバラは海岸に生えます。仙台の海岸では3.11の時に17メートルにもなる津波で植物は根こそぎやられましたが、このテリハノイバラとドクウツギは砂浜にはえる低木で、もともと厳しい環境に耐えれれるので、その年に花を咲かせて結実しました。2年目にはタヌキが戻ってきて、その糞を分析したら、これらのタネがたくさん出てきました。ドクウツギの実は人間が食べると死ぬほどの猛毒ですが、タヌキは平気みたいです。ある動物には毒だが別の動物では大丈夫というのことはよくあるらしいです」
ヒヨドリジョウゴ
アオツヅラフジをとって中の種をルーペで見てもらいました。「何かに似ていないですか」。あれこれ意見がありましたが、最終的に「貝みたい」「アンモナイトみたい」ということになりました。アメリカセンダングサやコセンダングサも果実になっていました。
ベンチがあったので果実を並べたら楽しい感じになりました。
ベンチに並べた果実(撮影 豊口)
この日、見た果実類(撮影 豊口)
その先を進むと水くらいど遺跡ということで、何か碑でもあるかと思っていましたが、特にないようです。
(撮影 豊口)
途中で合流した豊口さんが「このくぼみが遺跡です」ということでした。あとで説明の看板があるところに行くと、江戸時代に羽村からここまで掘った時、水が土にしみこんでてしまい、工事が失敗となって北側を掘り直したと書いてありました。
水くらいどを歩く
そこに公園のようなところがあったので記念撮影をしました。
後列 左より リー、辻、大西、佐藤、小太刀
前列 左より 大西博資、高槻、大西薫、豊口(敬称略)
終わると大橋さんがセンニンソウの果実を見つけ他ので、近づいて果実を観察しました。周りにオニドコロも果実をつけていました。
センニンソウ(撮影 豊口)
オニドコロ(撮影 豊口)
クラシックないい感じの橋があり、その一つ上流の橋でノブドウの果実をみました。
ノブドウ
今日は、この季節の主だった果実を見ることができて、花を見るのとは違う楽しい雰囲気でした。
その後、豊口さん、佐藤さん、大橋夫妻とカレー屋さんでお昼にし、歓談しました。花マップや観察会の話だけでなく、私のブログを見ておられるようで、三鷹ルームでの舘野さんの話や麻布大学いのちの博物館の話もしました。井の頭の「かいぼり」の話もおもしろくうかがいました。
多くの写真は豊口さんの撮影です。ありがとうございました。
拝島の駅に着いて様子を見ると話しかけてくる方がおられました。小太刀さんと佐藤さん、それに大橋夫妻で、花マップのシンポジウムに参加されたということでした。井の頭公園で観察会などをしておられるそうです。
平和橋から上流に向かいました。日光橋公園というところがあり、子供の遊具などがありました。玉川上水沿いよりは良さそうなので、そちらを歩くことにしました。ヌルデやアオハダがあったので、複葉の説明などをしました。ゆっくり歩きながら植物を見ましたが、全体に小平あたりよりは山の植物が多いと感じました。皆さんが親しんでおられる井の頭に比べればさらに違いが大きいのだと思います。林はコナラ、クヌギ、イヌシデ、ケヤキが主体ですが、その下に生える低木類などが豊富でした。みなさん、かなり植物をご存知のようでした。
この範囲では「これぞ」というものはなく、クマシデの果実、ヤブランの果実、コウヤボウキの花くらいでした。公園が終わると小鳥観察用の板壁があり、行き止まりでしたので、そこから上水の方に降りました。
上水沿いに歩く
クマシデ(撮影 豊口)
コウヤボウキ(撮影 豊口)
すぐのところで赤いものが目にとまりました。マメのサヤでした。図鑑で確認するとタンキリマメでした。エンドウなどよりは短いサヤに2つの豆が入っていました。
タンキリマメ
「タンキリって、喉のタンを切るってこと?」
「結核とか病気になってタンが出るのを直すってことでしょう」
「薬草ってわけだ」
「昔は具合が悪いから病院に行くってこともなかったから、言い伝えでこれにはこの草が効くとか色々生活の知恵があったんだね」
「私は東北が長かったから、それほど歳の違わない人から聞いたんだけど、医者に診てもらうというのは「ご臨終です」って言ってもらう時だったそうです」
「え?」
「医者にはらうお金がないから、気楽に病院にはいけなかったということだそうです」
「へえ」
別の人が
「タンカを切るじゃないのね」
「タンカキリマメなんてね」(笑)
チジミザサがあり、粘り気のある果実を触ってもらいました。
チジミザサの果実
しばらく歩くと線路をくぐり、明るい場所に出ました。上水沿いにノコンギクがあり、その近くにトウバナの仲間がありました。イヌトウバナかなと思いましたが、多分クルマバナのようです。
水路沿いの道から上に登る道がついており、その登りがけにある花をみつけた人が尋きました。それはホトトギスの仲間の蕾でした。少し周りを見ると開いた花がありました。ヤマジノホトトギスだかヤマホトトギスだかあやふやだったので調べるとヤマホトトギスのほうでした。違いは、花被片が反り返る、雄しべの付け根にも斑点がある、散房花序などだそうです。
ヤマホトトギス
丘のようなところに上がると、送電線の下なので樹木がなく、ヤブ状態でした。探すと、ノイバラ、ヒヨドリジョウゴ、アオツヅラフジ、スイカズラ、ガマズミ、カマツカ、ゴンズイなどの果実を見つけることができました。
果実を渡す(撮影 豊口)
リーさんが尋きました。「テリハノイバラとどう違うんですか?」
「テリハノイバラは海岸に生えます。仙台の海岸では3.11の時に17メートルにもなる津波で植物は根こそぎやられましたが、このテリハノイバラとドクウツギは砂浜にはえる低木で、もともと厳しい環境に耐えれれるので、その年に花を咲かせて結実しました。2年目にはタヌキが戻ってきて、その糞を分析したら、これらのタネがたくさん出てきました。ドクウツギの実は人間が食べると死ぬほどの猛毒ですが、タヌキは平気みたいです。ある動物には毒だが別の動物では大丈夫というのことはよくあるらしいです」
ヒヨドリジョウゴ
アオツヅラフジをとって中の種をルーペで見てもらいました。「何かに似ていないですか」。あれこれ意見がありましたが、最終的に「貝みたい」「アンモナイトみたい」ということになりました。アメリカセンダングサやコセンダングサも果実になっていました。
ベンチがあったので果実を並べたら楽しい感じになりました。
ベンチに並べた果実(撮影 豊口)
この日、見た果実類(撮影 豊口)
その先を進むと水くらいど遺跡ということで、何か碑でもあるかと思っていましたが、特にないようです。
(撮影 豊口)
途中で合流した豊口さんが「このくぼみが遺跡です」ということでした。あとで説明の看板があるところに行くと、江戸時代に羽村からここまで掘った時、水が土にしみこんでてしまい、工事が失敗となって北側を掘り直したと書いてありました。
水くらいどを歩く
そこに公園のようなところがあったので記念撮影をしました。
後列 左より リー、辻、大西、佐藤、小太刀
前列 左より 大西博資、高槻、大西薫、豊口(敬称略)
終わると大橋さんがセンニンソウの果実を見つけ他ので、近づいて果実を観察しました。周りにオニドコロも果実をつけていました。
センニンソウ(撮影 豊口)
オニドコロ(撮影 豊口)
クラシックないい感じの橋があり、その一つ上流の橋でノブドウの果実をみました。
ノブドウ
今日は、この季節の主だった果実を見ることができて、花を見るのとは違う楽しい雰囲気でした。
その後、豊口さん、佐藤さん、大橋夫妻とカレー屋さんでお昼にし、歓談しました。花マップや観察会の話だけでなく、私のブログを見ておられるようで、三鷹ルームでの舘野さんの話や麻布大学いのちの博物館の話もしました。井の頭の「かいぼり」の話もおもしろくうかがいました。
多くの写真は豊口さんの撮影です。ありがとうございました。