玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

フクロウ分析の結果

2019-04-04 10:50:46 | 観察会
皆様のご協力で八ヶ岳と弘前リンゴ園のフクロウの巣材の分析ができました。まだ全部ではありませんが、実習で分析した結果を報告します。

 八ヶ岳では4カ所の巣を分析し、合計136のネズミの下顎骨が検出されました。アカネズミの仲間は森林に住むネズミで、ハタネズミは牧場や畑のようなひらけた場所に住むネズミです。八ヶ岳ではハタネズミの方がやや多く、63%がハタネズミでした。



 これに対して弘前のリンゴ園では123もの下顎骨が検出されましたが、87%と大半はハタネズミでした。



 このことはリンゴ園はリンゴを育てるために除草をしたり、低木を除去したりするので、ハタネズミに住みやすい環境になっているということを反映していると思われます。このことはまた、NHKテレビの「ダーウィンがきた」で紹介していた、「フクロウがいなくなったらネズミが増えてリンゴの木がかじられる被害が出た」というのがハタネズミのせいだったこととも符合します。アカネズミは樹皮をかじるというようなことはできないからです。また弘前大学の東先生たちの論文でもハタネズミが多かったという結果とも一致します。

 子供の含む多くの参加者のおかげで良い結果が出たことをうれしく思います。
コメント
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