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整備士に育てるー5:点検のやり方

2010年08月20日 | 生産・作業全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備士に育てる-5:点検のやり方、です。

ある工場で2名のメカニックの作業風景を見ていたところ、点検の方法が違うのだ。例えば、タイヤの点検では、A君はタイヤの減り方を目視点検している。B君は、手でタイヤの表面を撫で触診点検しているのだ。

これでは、整備品質の違いが出てしまう。こうしたバラバラな点検の仕方をしているのは、点検の仕方を教育していない証だ。A君とB君では年齢、経験も違う。B君は、転職してきたメカニックで、前の職場の点検方法を引き継いでいる。

一方のA君は、専門学校を出てきて最初の工場勤めで、点検方法はこの工場に来てから学習したのだ。このように、バックグランドの違いが点検のし方の違いになっていることは、修正していかねばならない。

点検の基本は、指定整備記録簿(分解整備記録簿)の点検項目と点検方法にある。先ずは、「点検結果および整備の概要」の各点検項目と点検方法を実地で教え込むこと。

次に「特殊な自動車に対して点検・整備が必要と認められ実施した項目」についての点検方法を教え込むことだ。

この点検方法を教えるときに、具体的に教えていかないと、メカニックによって判定や作業のばらつきが出る。例えば、エアクリーナーの点検で、「汚れ」「詰まり」とあるが、この汚れとはどの状態をいうのか。同様に詰りとはどの状態をいうのかを明確にして教える必要がある。

また、ホイールベアリングの「がた」点検の場合に、どのようにして「がた」を見るのかを教える必要がある。タイヤの上下および左右に両手でゆすって確認し、どの状態だったらOKで、どの状態なら×なのかを教え込むこと。

また、プレロードのやり方と異音の確認方法なども社内の標準を作り、それに基づいて指導教育することだ。見よう見まね式の先輩ごとのやり方方法を、教えることは絶対にやめるべきである。

一人前の整備士に育てるには、根気と費用がかかるが、整備工場の看板を掲げている以上は、絶対にやらねばならないことである。自然と育つのを待つのではなく、カリキャラムを作って、計画的にスピード感を持って育てることだ。

それが、整備品質を高め維持することになる、CS向上にも効果的だ。また、差別化にもなる。


株式会社ティオ
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