おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、H21年度分解整備業実態調査の緊急レポート(2)価格競争の影響がくっきり、です。
さて、平成21年度の作業別整備売上を業態別作業別で見てみると、次のようになる。
・専業工場:19,459億円(-14.4%)
車検整備:8,523 点検整備:682 事故整備:3,872 その他:6,382
(-11.0) (-9.2) (-16.9) (-17.4)
・兼業工場:6,844億円(-1.3%)
車検整備:3,026 点検整備:239 事故整備:1,280 その他:2,299
(+2.7) (-11.5) (+1.4) (-6.3)
・ディーラー:26,140億円(+2.2%)
車検整備:8,208 点検整備:1,752 事故整備:5,489 その他:10,691
(+3.8) (+5.4) (-3.4) (+3.4)
専業工場は、すべての作業において前年を下回る実績となった。点検を除くすべての作業でマイナス幅は二桁のダウンである。特に、稼ぎ頭である「車検整備」と「その他整備」で大きくダウンしたのは、痛手である。
一方のディーラーは、事故整備こそ前年比マイナスであったが、他の整備はすべてプラスであった。
専業とディーラーの作業別売上の伸び率の差は、単価にあることは、下記のデータに示す通り明白である。専業工場の入庫台数の影響は、-1.8%であったが、整備単価は-13.2%の影響で厳しい結果となった。
・専業・・・・・・・・・入庫台数前年比98.2% 整備単価前年比86.8%
・ディーラー・・・・ 同 103.2% 同 99.6%
ディーラーは、整備単価の影響-0.4%を、入庫台数+3.2%でカバーして、前年実績プラスの成長であった。
こうしたことからも、業界、特に専業工業は、価格競争から抜け出る新しい競争が必要である。新しい競争とは、価格という土俵で戦うのではなく、自ら「新しい土俵」を作っていくことである。
新しい土俵とは、自社の特徴つくりとイコールだ。特徴がないから価格でしか競争ができない。ある整備工場では、徹底的に技術に特化して、高単価を上げている。
例えば、一台のエンジンオイル交換で13,000円も売上げている。オイル交換無料や500円のチラシが入る時代に、1万円以上の料金をいただいているのだ。それは、特徴があるからできることだ。
周りの工場と同じようなオイルを使い、エンジン特性を無視してただ単に「5W SM」グレードのオイルを売っているのではない。エンジン特性や普段の走り方などを掴んで、その上でベストマッチなオイルをプロの目で選んで交換をする。結果的として、お客さまはエンジンオイル交換で感動して帰っていくのだ。
カーショップは、カー用品主体のサービス工場から、サービス工場主体のショップの展開を進めている。サービス工場で用品を販売しているといったイメージだ。オートバックスでは、全国に120店舗を出店する計画だ。
ますます、顧客の争奪戦は激しさを加えることは間違いないところだ。だからこそ、特徴を持ち、価格競争に巻き込まれないことが、経営の健全化を促進することになるのだ。
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