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エコ整備セミナー受講してきました(2)

2010年07月02日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、エコ整備セミナー受講速報の続き、です。

昨日の続きになる。セミナーの2番目は「エコカー市場の将来展望について」というタイトルで、日刊自動車新聞社の畑野旬氏が担当した。

新興国の車保有が爆発的に増える、化石燃料埋蔵量の限界、地球温暖化防止に対する燃費規制の強化などから、エコカー(EV・PHVなど)は一時のブームで終わることはないと持論を展開。

次世代エコカーがここ数年で数多く販売され、EVにおいては第二のモータりーゼーションが起きるとし、整備工場においては、今から技術対応力をつけておく必要があるとした。

次世代エコカーは当然だが、現時点での従来車においても、今や1台の自動車にセンサー・スイッチ類、CPU、アクチュエーターなど100以上の電子制御関連のICが使われているという。

次世代エコカーだから、スキャンツールが必要だというのではなく、従来車の故障診断や警告灯の消去などにも必要性が高いという。しかし、整備工場においてスキャンツールの普及は、遅々として進んでいないのが現状である。

一機50万円以上もする機器への投資負担は重いものがあるが、整備業として商売を続けていくためには、いつか導入しなければならない必需品だ。であれば、一刻も早く導入し、技術力を上げて他社との差別化を図るべきではないだろうか。

その後、ミニセミナーが3者によって行われた。日立オートパーツ&サービスの内海和博氏は、クルマに対するニーズや社会的要請などから、ハイテク化は止まらない。したがってハイテクを診断する技能の向上が必要であり、それを踏まえた、問診技術を高め、提案整備が必要であるという。

工学博士で前東京自動車大学校理事の小谷將彦氏は、許容値であれば全て良しと判定するのではなく、許容値の限界に近い値の場合は、本来の「基準値」に調整するところに整備需要があり、実際にお客さまに整備提案をして、単価アップを図った事例などを紹介した。

ヤシマの吉野一氏からは、SRSエアバッグ、ABSなどの安全装置に対する検査が未実施で納車されている状態は、車体整備事業者には死活問題になりかねないので、入庫検査・出庫検査にOBDのスキャン点検を行う必要性を訴えていた。

今回のセミナーで整備業である以上、最新の「整備技術」は絶対条件であり、それを早く習得すべきであることを強く感じた。当たり前といえば、あたりまではあるが・・・。

経営者の関心は「車検台数」に集中しがちだ。それは、1時間余りの作業時間で3万円前後の工賃を稼ぐとこができ、非常に効率がいいためである。

それとは逆に、ハイテク整備は原因の特定に時間がかかり、その割には工賃が稼げないなどの課題があるために、スキャンツールの導入や整備メニューの開発が遅れがちである。

こうした事情があり、車検の集客などへは投資や費用化を惜しまないが、これからは、ハイテク技術に対する機器投資や人材育成投資をもっと増やすべきである。

スキャンツールを導入している整備工場では、原因不明の時に使うのではなく、低燃費車や低排出車が入庫してきたら、症状の有無とは関係なく、測定し点検することだ。

こうしたOBDの診断が有料になればいうことはないが、仮に無料であっても、保守・保安管理者としての責任を果たすためにも必要なことだ。中古車販売でも、「OBD診断済み車」などと打ち出してもいい。

さて、車検は、同一性の確認など外観検査しか行っていないが、近い将来には、各センサーの判定などの内部検査が導入されてくることと思う。その時に対応するのではなく、今から検査項目に入れて、お客さまに安心と安全を担保した「安心車検」を訴求することだ。

そのために点検時間が増えるが、効率ばかりが経営ではない。肝心なのは、安全第一の整備提供である。


株式会社ティオ
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