気ままな旅


自分好みの歩みと共に・・

事故を予想?  占い師になった僕

2016-05-17 20:54:39 | 日記

 この頃、時間を持て余しているせいか、頭の中に張り巡らせている記憶回路がショートすることがあるようだ。そのせいか、とんでもないことを想い出すものだ。

 戦後まもない昭和22年の正月休みの時期ではなかったかと思う頃の話です。

 当時、東武東上線の中板橋駅近くの叔父の家に家族7人で間借をしていた。祖父の危篤で母の実家のある仙台から9月に引っ越して来たばかりである。そして、もう3月には伯母の貸家のある目黒へ引っ越すこになっていた。中国から引揚げて来た我が家は数か月ごとに住まいを変えて慌ただしかったのである。そんな状況の中で起きた出来事をこの歳になって思い出すことが不思議でならない。

 食べるものも、住む所もままにならない戦禍が大きく生活に圧し掛かっていた頃でした。こどもの遊びはメンコとべーごまが唯一の遊びだったと思う。

 そこに、駅前近くにテントを張りサーカスがやってきた。

   中国で手品と技芸を観たことがある。日本ではサーカスを観たことはない。 だが、ここの会場に足をいれた時に耳に聴こえてきた歌謡曲「サーカスの歌」は何故か何処かで聴いた覚えがあるから不思議だ。入場料はいくらだったか、弟妹を連れていったのかも何も記憶がない。しかし、たったひとつだけ記憶が辛うじて残った或る事故があった。

 それは、トロッコに乗ったサーカス員がスキージャンプのように高い所からレールで下降し放物線を描き、飛び上がった頂点でトロッコは落下し、サーカス員は高い踊り場に乗り移る最後を飾る花の目玉演技で落下事故が起きた。

 我々兄弟4人は最後の回の始まる頃に小屋に入った。丁度、前の回の最後を飾る人間ジャンプが成功し観客の拍手を求め、場内は興奮に満ちていた。、放物線を描いて着地に成功したサーカス員が観客から拍手貰っていたところだった。

 プログラムが進み、トロッコの順番にきた時、前の回で落下したままになっていたトロッコをフックに引っ掛け天井近くまで高く牽引していった。観るともなく動きを見ていた。フックは外すと思っていたが外さない。落下防止に外さないでサーカス員が外すものと勝手に思っていた。ラッパが高らかになりトロッコは滑り始めた。外さない。このままだとロープが突っ張り人もトロッコも頂点で落下してしまう。           

 大勢の観客が見守る中で、予想通りロープが繋がっていて突っ張った・・・一体となって落下した。 駆け寄る係員。その中で両手を高く上げてガッツポーズするサーカス員の姿が見えた。

 大事に至らず良かったと思った半面、声をだして教えなかった罪悪感のようなものが残った。事故は占い師のように占ったのでない。ただ単に教えなかった事故だ。 

想い出にもいろんなのがありますね。

終わり


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