ホリデイ現役添乗員日記

近畿日本ツーリスト ホリデイ現役添乗員が新鮮な情報をそのまま皆様にお伝えします

アウシュビッツの青い空

2010-07-18 01:48:43 | デイちゃん中欧
お久しぶりデイちゃんです

今年はショパン生誕200年ということで

ポーランドに行ってきました

でも旅行業者は考えている


今年はショパンでポーランドを売れるが

来年はどうする

目玉がないぞ


そこで出た考えとして・・・


・・・アウシュビッツを抜かそうか


そういう案が出てきてもおかしくないほど

アウシュビッツはある意味特殊な場所



ポーランドはほとんど英語ガイドが来るので

添乗員は前もって予備知識を頭に叩き込んでおく

デイちゃんも1週間くらいずっと勉強してポーランドに向かった


ポーランドはカトリックの国

ポーランドは平坦であるが故にいつも侵略され続けた国

そして今は平和な国

でも平和を手に入れるまで

この国ほど困難を極めた国もない


国内の経済の繁栄のため

他の国を追い出されたユダヤ人を受け入れ

そのためヒトラーがユダヤ人を抹殺しようと

文字どうり抹殺しようと

作られたのが強制収容所

そこは想像を絶する場所だった


デイちゃんはお仕事だから

出来るだけ冷静にわかりやすく

英語ガイドの話をお客様に訳さなければならない

でもでも

途中であまりに辛くなってしまい

気分が悪くなって

倒れそうになってしまった


どうしよう


英語ガイドに小声でささやく

少し休みたい

ああなんたること

こんなこと添乗員になって初めてだ

でも

囚人として収容された人はそんなデイちゃんを許さないだろう

なにしろ収容者たちは休憩どころか

トイレだって一日2回しかも全員一緒に決められた時間しか

許されなかったんだから


訳さなくちゃ

何があっても訳さなくちゃ


ぐるぐるまわる頭をかかえて

この場所で起きたかつての出来事から目をそらしてはいけない

その一念でとにかく訳しきった


・・・気が付いたら終わっていて

空には青空が

いつものとうりにあった



あなたには苦しい仕事だったけど

毎日やっている私は慣れる

この仕事を良いとは思わないけれど

誰かがやらなければならないのなら

私がやる

みんなに知ってほしいから



最後にガイドがデイちゃんにそう言って

また会えるといいわね

帰っていった


そうまた行かなくちゃ

どんなに悲惨な場所でも

かつてはそれが現実だったのだから