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私の昼食は、果物です!/奈良新聞「明風清音」第98回

2024年02月18日 | 明風清音(奈良新聞)
毎月1~2回、奈良新聞「明風清音」欄に寄稿している。先月(2024.1.25)掲載されたのは〈昼食は「果物」です〉。政府の「食事バランスガイド」(厚生労働省・農林水産省)では、果物の摂取目標を「1日200グラム」(ミカンなら2個、カキなら1個)としているが、なかなかこんなに食べている人は少ないし、そもそも日本人の果物摂取量(140~105グラム)は、世界でも最低レベルだ。
※写真はアルギット農法ミカン、ゆら早生(以上、よってって)、味自慢みかん(ダイエー)

なぜこんなに少ないのか、なぜ果物を食べないといけないのか、このようなことを果物好きの私が書いた。私は1日2食にしているが、果物はたくさん食べる。主に朝食と夕食の間に食べるので、「昼食は果物」なのだ。果物はカロリーが低いので、太る心配もない。では、以下に全文を紹介する。



昼食は「果物」です
令和3(2021)年11月、68歳で会社を完全リタイヤしてから、食事は朝食と夕食の1日2食にしている。しかし食事の間隔が空くので、途中で果物をよく食べる。つまり私の昼食は、果物なのだ。

私は至って体が丈夫だが、それは子どもの頃からよく果物を食べてきたからだ、と勝手に思っていた。生まれ故郷の和歌山県北部はミカン、カキ、モモなどの栽培が盛んなので、よく食べていた。奈良に来てからも、奈良県産のイチゴ、ナシ、ブドウなどをよく食べるし、県産品がないときはキウイ、パイナップル、バナナなどを食べる。

最近は夏が暑いので、ついアイスクリームを食べてしまう。すると、あっという間に体重が増えるが、果物はたくさん食べても体重は増えない。

「不思議だな」と思っていたら、その謎を解明してくれる本が出た。田中敬一・間苧谷(まおたに)徹共著『果物をまいにち食べて健康になる』(キクロス出版刊)だ。お二人とも農学博士で、農林水産省勤務のご経験がある。以下、本書の要点をかいつまんで紹介する。


昨秋、ワイドショーで「ゼリーより甘い」と紹介されていた「紅まどんな」を取り寄せた

▼果物の摂取量は少ない
日本人は、どれくらい果物を食べているのだろう。国連食糧農業機関(FAO)の平成23(2011)年の統計によると、1人1日あたり140㌘で、これは世界でも最低レベルなのだそうだ。ベスト3はオランダ(444㌘)、オーストリア(400㌘)、イタリア(386㌘)。日本は中国(223㌘)、韓国(184㌘)よりも少ない。しかも平成30(2018)年にはもっと少なくなっていて、わずか105㌘なのだそうだ。



本当にゼリーより甘かった、さすがは伊予柑の本場、愛媛県のミカンだ!

▼果物摂取量が少ない理由
なぜ、そんなに果物摂取量が少ないのか。本書によると、
1.果物は必需品ではなく「ぜいたく品」という偏見があった
世界史でも教わったことだが、15世紀の大航海時代、ビタミンC不足で多くの船乗りが壊血病にかかり、目から血を流して命を落とした。血管はコラーゲンでできていて、人はビタミンCを摂らないとコラーゲンを合成できないのだそうだ。その後改善され、今はイギリス海軍の水兵はライミー(ライムを食べる人)と呼ばれるのだそうだ。このように、果物は立派な「必需品」なのである。

2.果物は「甘いから太る」という誤解があった
「果物は果糖を含むから太る」と誤解している人は多い。しかしアメリカ食品医薬品局(FDA)は昭和61(1986)年、果糖は高脂血症、心臓病や肥満の原因ではないことを明らかにした。世界保健機関はこの結論を検証したところ、FDAの報告は正しく、また果糖はエネルギー源として重要であると付け加えた。

▼摂取目標は200グラム
これらの科学的根拠を踏まえ、平成17(2005)年、厚生労働省と農林水産省は「食事バランスガイド」を公表した。そこで、わが国の栄養学史上初めて、「果物は野菜と同様、毎日の食生活に欠かせない食品」と位置づけ、果物の摂取目標を1日200㌘とした。これを受け、うるおいのある食生活推進協議会は「毎日くだもの200グラム」運動をスタートさせ、現在に至っている。200㌘だと、ミカンなら2個、カキ、リンゴ、モモなら1個だ。

なお100㌘あたりのカロリーは、ミカン49㌔㌍、カキ63㌔㌍、リンゴ53㌔㌍、モモ38㌔㌍と、野菜のタマネギ333㌔㌍、レンコン66㌔㌍などに比べ、ずいぶん低い。「果物は甘いから高カロリー」は、全くの誤解なのだ。おいしい果物を食べて健康になれるなら、こんな良いことはない。皆さん、もっと果物を食べましょう!(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)


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2 コメント

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果物の効用 (ヨッピー(長越洋子))
2024-02-18 14:10:59
鉄田さん、良い記事ですね。
これからは健康な人ばかりにしないといけない
世の中になっていますww 日本の医療費考えたら何って言う事でしょうとなりますもんね。
理想的には病気せず健康で自分の事が出来る事ですが
最近は情報も得る機会が多く元気な高齢者さんがいっぱいですよね。もう100歳の方がどんどん増えていてそれも陸上とかの分野で活躍、もうびっくりするような時代です。
果物・・私も果糖が原因で太るのだと思っていました。違うのですね。最低は200g摂取・・頑張ります。ちょっと意識すれば摂取出来ますもんね。果物これからは苺かな? これはビタミンCも多くて大好物な人も多いのではありませんか?
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イチゴとハッサク (tetsuda)
2024-02-19 09:14:43
長越さん、コメントありがとうございました。

「野菜を食べなさい」というお母さんはいますが、「果物を食べなさい」というお母さんはいません、それが残念です。「果物は甘いからカロリーが高い」という誤解も、浸透しています。

> 果物これからは苺かな? これはビタミンCも
> 多くて大好物な人も多いのではありませんか?

今はイチゴとハッサクですね。イチゴは大箱に入った「ジャム用」を千円で買ってきて、冷蔵庫で冷やしていただいています。奈良県産のイチゴは、本当においしいです!

ハッサクは以前、道ばたで、45リットルのポリ袋に入ったものが千円で売っていて、「安い!」と飛びつきますと、「もう店じまいなので、2袋千円にしときます」。

家族は「酸っぱい」「むくのが大変」と誰も食べないので、時間をかけて、1人でゴミ袋2杯のハッサクを食べ切りました。100個くらいあったでしょうか(笑)
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