tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

矢田寺の「あじさい御膳」(北僧坊)

2024年06月16日 | グルメガイド
これまで、「矢田寺のアジサイを楽しむツアー」(6/12開催)、「矢田寺のアジサイ」(写真)を紹介してきたが、いよいよ今日は最終回、矢田寺の北僧坊(きたそうぼう)でいただいた「あじさい御膳」(税込み3,500円)を紹介する。北僧坊のHPには、



あじさい御膳
一般的な精進料理は出汁(ダシ)を使いませんが、北僧坊の精進料理は精進風の和食なので味がしっかりとついており、手作りした出来たてのものを温かく美味しい内にお召し上がりいただけますのでご満足いただけると存じます。



これが「大平」か。要は、前菜だ。五七桐(矢田寺と縁の深い豊臣秀長の家紋)入り

店頭看板の「お品書き」には、〈炊き込みご飯、当坊こだわりのごま豆腐、酢の物、生ふ(麩)の田楽、煮物、大平(おおひら=平たくて大きな椀)、揚げたての天ぷら、お吸い物〉とあった。


左の手前が「こだわりのごま豆腐」、つるんとしていて、とてもおいしい

実は今回のツアーでは、この昼食が一番の楽しみだった。村上春樹が『群像』1983年1月号で、矢田寺の宿坊で出た料理をべた褒めしていたからである。「宿坊」とあるので、北僧坊のことと思われる。当ブログでも、以前に紹介したことがある。抜粋すると、


ゴボウの炊き込みご飯、素朴でとてもおいしい!お代わりをしたいくらいだった

奈良の料理は決して凝ったものではないのだけれど、そのぶん素朴で、不思議に心になじむところがある。田舎料理といえば田舎料理だけど、ここにはまだ生活の匂いのようなものがある。値段も安いし、観光客の数も京都ほど多くない。


揚げたての天ぷら。梅干しまで揚がっていた!

矢田寺の宿坊は一泊二食三九〇〇円という安さだから、べつに立派な食事が出るわけではない。というか、はっきり言って粗末なものしか出てこない。野菜の煮ものと酢のものと精進あげぐらいのものだ。でもこれが本当においしかった。



それぞれの量は少ないが品数が多いので、お腹がいっぱいになった。確かにダシを引いているので、一般の精進料理より味は濃いめだった。石段を登って汗をかいたので、これはありがたい。

足腰を使って石段を登り、きれいなアジサイに心を奪われ、素朴でおいしい精進風料理に舌鼓を打つ、これはぜいたくなツアーだった。世話人さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする