藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

深山 霞の「霞的心」   昭和58年以来の夢叶う

2013-09-17 09:18:28 | 社会・経済

皆様のお住まいは、台風の被害はありませんでしたか。関東、東北地方の皆さんお見舞い申し上げます。

十四日、十五日と二日間出雲路をゆっくりと見て回った。

昭和58年夏、出雲荒神谷遺跡から大量の銅剣、銅矛、銅鐸が見つかったという報道に、考古学好きの私は飛んでいきたかったが、残念ながら当時会社での役職柄、居住地を遠く離れることが出来なかった。 災害時にその対応指定業者に指定されていたからである。

その後加茂岩倉遺跡から十五組三十個の銅鐸が発見されたが残念ながら訪れる機会がなく過ごしてきた。

今回「奥様」の年休が溜まっていたので、四日間の連休となった。 其処で「私のお願い」で、奥様の運転で出雲路への小旅行となった。 

出雲大社式年遷宮の年に当たり、旅館に宿泊できる当てなどなく、行き当たりばったりの旅行である。 わが奥様の良いところは、そうした野生的行動のほうが喜んでいただける処である。 事実出雲ふれあい広場駐車場での野宿となったが、公衆トイレのすばらしさは他の観光地も是非見習って頂きたい程のすばらしさであった。当初十台ばかりであったが、朝目覚めると五十台以上の車がこの駐車場で夜を過ごしていた。 何れも旅館からあぶれた人たちであることは一目瞭然であった。

目的地 (荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡、出雲大社古代柱出土地、神原神社古墳、島根鹿島原発、八重垣神社) 。 その他の神社古墳等は、行き当たりばったりの旅であり順を追ってご紹介すればよいのだが、本日はこの写真と共に島根鹿島原発の現状を感じていただくこととしたい。Pic_0581

正面の縦じまの建屋が左から一号機、二号機の「原子炉」建屋である。その手前が、タービン建屋で、右に高く聳え立つのが排気塔である。 三号機はその向う右奥に現在建設中であるが、その姿はこの撮影場所からは見ることが出来ない。

Pic_0582 原子炉建屋の左の岬の地層がこの島根半島が隆起によって出来たことを端的に表している。

「出雲国引き」とは、巨大地震によって隆起したこの半島の成り立ちを現しているのだと目から伝えて来る迫力である。

柿本人麻呂が、国主としてで益田市の国府に赴任中、巨大地震で益田市や浜田市の海岸線が大きく隆起し国府も倒壊したと言う記録が残っている。 そこで人麻呂は三朝温泉に避難しそこで亡くなった。

皆さんには、一枚目の写真をクリックしていただき、防潮堤が福島原発事故後、約一ヶ月の突貫工事でかさ上げされた姿をご覧いただければ幸いである。 古い防潮堤の上に真新しい防潮堤がかさ上げされた姿が確認できる。 

この原発の一号機の「原子炉建屋」の外壁工事と、「原子炉」の「シュラウド」と呼ばれる格納容器の断熱の為の石綿断熱材の貼り付け工事を、昭和四十四年から四十七年にかけて、私が職長となり行ったのだ。 

Pic_0587 この写真は、島根鹿島原発の資料館で展示してある三号機の模型の写真である。

この燃料集合体が「フルモックス」燃料の模型である。                   

Pic_0588

この模型には断熱材が取り付けられていない。シュラウドと呼ばれる原子炉本体の外側には厚い石綿製の断熱層があり、また、ジェットポンプ配管もまた石綿製の断熱材で断熱されている。

  しかしながら、この様な三号炉建設が平成 二十三年に工事進捗93%でとまったままになっている。 

原発出入り口には頻繁に大型トラックが出入りしている。 出入りの警戒も厳しい緊張感があり、二十人近くの警備員が出入りを警戒していた。 その様子を写真に写そうかとも思ったが、撮影をすることが躊躇われる程の警戒振りなので止めておいた。 

ここからは私の想像である。 福島原発事故後、三号機建設工事に大きな計画変更が為されたのではなかろうか。 より地震に強い配管のあり方が求められ、また非常時の電源確保の為の追加工事と共に、最悪時を想定した非常用タンク設備などの設置等の遅れである。 福島原発と違い、限られた土地に非常時の対策を行う事の難しさがこの鹿島原発には存在している。 これらの問題解決策を検討し、工事をどう行うのか問題が山積し工事の遅れが始まっているようである。

因みに、原子炉の向こうに見える岬の端がかの「加賀のくぐり戸」と呼ばれ、「あの世」と、「この世」の行き来できる唯一の場所である。

何処か皮肉にも思えてくる。                                   

コメント (4)
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