我が家の連中は、危険な作業は爺ジがやるものと定めているのか、刺したり噛んだり喰いついたりする生き物への応対とか、枝切りや鳥の巣撤去などの高所作業、つまり危険を伴う仕事は全て老人の私に回ってくる。何が起こるか予見できないことは、私に任せておこうという魂胆だ。
大変な思いをして仕事を片付けても、「ご苦労様」でも「お疲れ様」でもない。好きな仕事をさせてやったぐらいの感覚だろう。
シルバー人材センターに依頼するような作業を、ひと通りこなしてきたのがいけなかった。家庭内の便利屋である。
同居の息子と4年生の孫(男児)とが、夏頃から釣りに熱中し、この季節、浜名湖の陸釣りで〈アイゴ〉の稚魚を釣ってくるようになった。
この孫は魚料理に関心が深く、釣った魚は全て自分で下拵えをしたがる。煮て美味しいアイゴを食べるのが好きらしい。
しかしアイゴの背鰭・腹鰭・尻鰭の毒針(棘)の除去だけは、妻が「爺ジに任せなさい」と厳命しているので、私がハサミで切り取ることになる。誤って毒棘に刺されようものなら、腕が腫れ痛みで呻吟する羽目に陥る危険な作業だ。万一酷い目に遭うなら孫でなく、夫の方が妻には安心らしい。結婚して60年近くなると、そのようになる。
アイゴ(浜名湖ではシャクシャと呼ぶ)のシーズンが終わることを、ひたすら願っているこの頃である。
うちも結婚して60年も経つとそうなるのかな笑 ちょっとだけ笑っちゃった。うちの両親みたい(о´∀`о)
アイゴって美味しいのかな?食べたことないかも…です。調べてみます。
この魚、毒針があるので、釣り人には敬遠されますが、餌が藻類なので食味は好いです。小型を煮付けにすると肝が美味しく、
日本酒に好い肴になります。
大型は刺身もいけます。
鱗が無いこと、小さな斑紋があることで、見た目は食欲を唆りませんが。
機会があったら、ご賞味をお奨めします。