波浮から葉山へ帰還

楽しかったクルージングも最終日。ホームポートの葉山マリーナへ向かいます

朝、スコールがありました。
あたり一面この世の終わりみたいな真っ黒な雲に覆われ、首筋にヒューーーっと冷たい風を感じたと思ったら、大粒の雨が落ちてきて、あっという間に土砂降りに。日本列島亜熱帯化を目の当たりにするような、トロピカル・シャワーです。でも10分もしたらウソみたいに晴れ、またみんみんゼミが鳴き始めました。
雨やむのを待って、午前6時半に波浮港を葉山に向けてドックアウト。


夏空~!!上空は風が強いみたいです。

今日は雲がモクモクたくさんあって、絵心(写真心?)をくすぐられます。空は、青く晴れあがっていればいいってもんじゃなく・・・。雲があると青空もグッと引き立ちますね。なんて素人愛好家ながら(^_^;)


朝ビー? 雨上がりは空気が澄んでます~

夏のスコールのあとって、雨を吸い込んだ土や濡れた木や草の独特な匂いがして、トロピカルな空気が漂います。南の島へ到着した飛行機のタラップを降りたときの、あの匂いです。雨上がりで空気も澄んでいて、とても気持ちよい朝。


ここはミクロネシアか?!って感じのトロピカルムードがむんむんな大島


雨雲が移動して、遠くの海の上にシャワーかけてます


今日は、この後南西の強風が予想されてるけど、今のところまだ穏やかな海です。それに葉山への進路は約10度なので、よっぽどデンジャラスな時化にならない限り、イケイケ・かっ飛びのダウンウインドです。

風早を越えて暫くすると、案の定風があがってきて、大波を食らうようになってきました。ロデオボーイ乗ってるみたいです(^_^;)。ライジャケ・ハーネス着用。見慣れた景色が近づいてきた頃には一面白波で、ヨットなんて誰も走ってません~。上りだったら、叩かれて大波かぶってビチョビチョですね。つくづくラッキーな航海でした。
午後、無事に葉山到着。楽しいクルージング旅行も終わりです。順調な楽しい航海でした。

今回は、ホビ号で久々の遠出でした。黄金週間に新島に行こうと計画していたけど、天候が悪くいけなかったのでリベンジです。自分たちのフネで、自分たちで計画して、みんなで協力しながら、「不自由だけど自由」なフネの上の生活を楽しむのは、サイコーの楽しみであり、勉強でもあります。昔、末席クルーだった頃は、泊地でNHK第2放送の気象通報を聞いて天気図用紙に怪しい地上天気図(-_-;) を書いたりしたものです。速くて聞き取りにくくてとても追いつかないから、カセットテープに録音したりして。今は、携帯電話もGPSも当たり前で便利な世の中だけど、キカイに頼りすぎもいけませんね。

それでも、入港ガイドを見ながら初めて入る泊地へドキドキしながらアプローチしたり、接岸、もやい、アンカリング、風のこと、波のこと、潮のこと、天気のこと・・・色々気にしながら狭いフネの上で仲間と快適に楽しく過ごせるように、自分のできることを探して、工夫して、協力しないとやっていけません。そういう意味でクルージングは、 「海の総合学習」 って感じです。たった4日間のクルージングでも、自分のショボいセーリイング・キャリアを豊かにして、思い出に彩りを添えてくれます。マリーナのすぐ沖でブイばかり廻ってないで、これからも、たまには遠くへ行きたいです~!!

旅のメンバー:
ビール先生、総長、サイトーさん、わたし

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

新島・白ママ断層!

圧巻の白ママ断層崖。この目で見られて感激ですッ!

式根島の透き通る水でワイワイとしっかりはしゃいだあとは、少しずつ北上です。本当はもう1日新島に滞在してもよかったんだけど、天気図をチェックすると九州にある熱帯低気圧ともう1つの低気圧が合体して、そこから伸びる前線の影響で相模湾は強風の予報。ここはひとつ無理せずに、今日中に大島あたりまで北上しておくことにしました。波浮からだったら、南西のブン吹きになっても1日で楽に帰れる距離なので。

式根島をあとにして、新島の南側を抜けます。早島の沖はものすごく潮があたっていて、海面が沸き立つような感じ。そしてそして東側に回りこむと羽伏浦の海岸線が見えてきました。真っ白い砂のまぶしいビーチが延々と続きます。




そして、ついに見えてきました。高さ250mの真っ白な絶壁・白ママ断層です。

口が。あんぐり開いてしまいます。海蝕で姿をあらわした1千年以上も前の火山灰層だそうで、写真でしか見たことのなかった白い絶壁を、ついに自分の目で見ましたッ!ハーッ、感動。自然ってすごい。

(トップにあるこの写真、白ママ断層をバックに走るヨット。この写真をこの方たちにプレゼントできたらいいのだけど。。。どなたか見覚えありませんか?)


新島をバックに走るホビ号。クルージング最高~(≧∇≦)

追っ手の風、ジブ帆で今度は鵜渡根島、利島を左手に見て進みます。潮ももらって快調に飛ばします。大島が見えてきた頃にはチョット風が上がってきて白波が立ち始めたけど、順調なセーリングで夕方には大島・波浮港へ到着しました。あり?つい最近来た気がするんだけど・・・。あはは。でも勝手知ったる波浮港なので、なにかと安心です。


波浮到着~。すっかり直火ロースト(-_-;)

今日は、心に栄養をフルチャージした1日でした。自分は幾つまでこんな野生児ライフを楽しめるのかな?いい歳してこんなに潮々でいいんだろうか?なんて思ったりするけど、まだまだ童心に返って心底楽しむことができる自分を見つけて、訳もなくほくそえんだりして。 いくつになっても、こういう時間をちゃんと楽しめるヒトでいたいなぁ。

シアワセな大人の夏休みは続きます。


コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )

式根島・吹の江にて

念願の吹の江にやってきましたッ!

新島に着いた翌日は、式根島へ。海は穏やかで快晴。入り江へ探検するのにはもってこいのコンディションです。朝、早く出港しようと思ったら、出港直前にエンジンアラームが鳴り・・・。オイルの量、少なかったのでガソリンスタンドが開くのを待ってオイルを補充してから出発。


いつもは、、、激務でズタボロなビールもしばし夏休み~。

式根島は新島のお隣の島です。地内島の内側を通り、周囲を岩で囲まれた式根島へアプローチします。式根島はむか~しは新島の一部だったそうで1703年の大津波で分離したとかの言い伝えがあるそうですが、ホンマかいな?!


式根島の北側へアプローチです

お目当ての吹の江は、関東のセーラーだったら一度は行ってみたい憧れのアンカリングスポットです。わたしは・・・、実は新島も式根島も初めてです。レースでブイばかり廻ってちゃダメですね。来れて、ホントにウレシイです!!


吹の江の入口です。左には洗岩と暗岩があるので右ベタで進みます。

停める場所が決まったら、飛び込んで泳いで岩場にあるビットへもやいます。風向きによってはアンカリングも。でも海底には珊瑚も育っているのでなるべく傷つけたくないですね。


総長がドボンしてもやいとりに大活躍!

普段だったらテンダーが必要だけど、真夏なら飛び込めばOKです。裸足で岩場を登るのはチョット厳しいかもしれないのでウォーターシューズかウエットブーツがあれば


もやいを取って、エンジンを止めると非日常へタイムスリップ。海底が見えるよ~

早速シュノーケルとフィンを持って海へドボン!です。最近はヨットが忙しくてダイビングもご無沙汰しているわたしですが、久々に水面下へ海底散歩です。



キレイな海でプカプカ中~。


ここ伊豆なのに、珊瑚が育ってます。


お馴染みのソラスズメダイもいっぱいです


ゆるゆるタイム~

自分たちのフネで楽しい仲間とここに来られて幸せでした~。ウトウトしたりプカプカしたり洞窟探検に行ったり。贅沢な夏休みを満喫。みんな、都会暮らしだけど、すっかり裸足の生活にも慣れ、潮風やギラギラ太陽も心地よく感じるようになりました。

このあとは、式根島をあとにして北上します。
楽しくて、死にそう。
 
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

葉山から新島へ

新島港の西側、地内島です。

黒こげになって、(^_^;)元気にクルージングから戻ってきました!連日天候に恵まれ、最終日こそ吹かれましたが、ゲリラ台風の発生直前に無事葉山へ辿り着き、すべて順調な楽しい休暇でした。現地レポートができなかったので、楽しかった夏休みクルージングを少しずつ振り返ります~。

月曜日の夕方、鎌倉花火大会を海の上から見物するため遼艇が続々集まる中、汗だくになって準備。まず、クルージングには超!便利なジブファーラーをセット。普段はレースのために封印していますが、マストにのぼってハリヤードをリストレーナーに通し、下ろしてあるアッパースイベルもセットし、かな~りくたびれたファーリングジェノアをセット。給水、給油、買出し、荷物積み込みを完了したのは午後9時ごろ。それから逗子デニで作戦会議をして、午後11時15分ドックアウト!まずは新島を目指します。直線では50マイル程だけど、一度伊豆半島に寄せてから徐々に南へ向けることにします。

暗いうちはビール先生とわたしの二人ワッチ。風弱く、フラット。南下するには絶好のコンディションです。あんまり急ぐと暗いうちに本船航路に突入してしまうので、気持ちスロットルをおとして機走でトコトコ行きます。江ノ島灯台、三崎灯台は確認できたけど、その後だんだんガスってきて、すぐに見えてくるはずの初島灯台もなかなか見えません。その後、辛い辛いゼロヨンワッチの時間帯になると、低いところが完全にガスの中に入ってしまい、岸の明かりも灯台も全く見えず・・・。
眠い中、目標物ナシでまっすぐ走るのは結構しんどいけど、でも空には星が見えてるので、夜光虫をかき分けながらマストとシュラウドに星を合わせて走ります。オートパイロットがあれば楽チンなんだろうけど、こういう経験も普段はなかなかしないので、いい勉強になります~。

川奈にとっついてから暫く伊豆半島に沿って進み、稲取すぎたあたりで夜が明けてきたので、新島の西側を狙います。朝食後、オフワッチになり1時間半くらい爆睡。その後、2週間前にパールレースで回航した利島・鵜渡根を左に見て、いよいよ新島に近付いてきました。


ウォー!新島見えてきました。

風が東に振れて、さわやかウィンドが吹いてきました!ここでフルセイルでセーリングを始めます。波と風と 「Israel Kamakawiwo'ole」 の透き通る声をBGMに至福のセーリング・タイム。あぁ、生きててよかったなぁ。なんて思ったりして。
右手に地内島を見ながら、本村の新島港に入港します。マストが何本か見えますが、まだガラガラです。スターンアンカーの槍付けで13:00過ぎ、無事新島港にもやいを取りました。


早速、野菜カリーとキンキンに冷えたサングリアでランチです

その後は隣のビーチに泳ぎに行ったり、オーニングの日影でお昼寝したり、まったりドリンキンしたりと思い思いの時間を過ごします。
そうそう、新島に来てびっくらこいたことが1つあります。それは、ガイジン観光客がいっぱいいることでした。ポルトガル語かスペイン語を話す若い海遊び系のダンシと、スタイル抜群の水着のジョシがビーチや通りにたくさんいて、ここホントに新島なの?って感じでした。タクシーの運ちゃんによると、少し前に外国人向けのガイドで新島が紹介されたらしく、それから人気のサーフスポットにたくさん訪れるようになったとか。


港のすぐお隣の前浜ビーチに夕陽が沈みます。

夕方、ちょっとだけ涼しくなってから、湯の浜露天風呂にテクテク歩いていきました。水着着用の露天風呂だけど、シャワーや更衣室もあって岩場にいくつもの湯船があってこれはこれで楽しいですね。24時間利用できて、しかも無料!ということで、ここでもたくさんのガイジンが居て、育ちの良い?葉山っ子たちは多少気後れしたりして。ワハハ。

温泉に入ってサッパリし、夕飯もガッツリ食べて、酒屋で氷をゲットしてフネに戻りました。島の夜は案外涼しくて快適なお泊りヨットでした。すっかり野生児になって、楽しい夜。明日は式根島探訪です。
 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

夏休みは、島へ。

2006年の冒険航海です。小豆島をあとに白石島へ向かう朝。


夏休み中ですッ!え?この期に及んでまだ休むの?と言わないでください。全社一斉の夏休みなので会社、やってません(-_-;)

日曜日は、HMYCのサンタクロースレガッタに参加!小網代浮標回航の行って来いレースでしたが、なんとなんとなんと・・・。優勝でした。久々です。ほんと久々の優勝です。葉山のクラブレースで勝つのはとっても難しいので。風が超ラッキー!だったというのがホントのところです。でも、ショボイわたしのヨット人生の中で、自分のチーム、自分のヘルムで優勝したというのは初めてのことなので、とってもうれしいデキゴトでした。詳細はたぶん、前後すると思うけどまたあとで。

今日の夜から、クルージングに出ます! 葉山を出て夜通し走り、まずはダイレクトに新島を目指します。その後新島・式根島に滞在し、帰路は下田経由か大島経由ということになりそうです。ま、でも少人数なので、風次第・天気次第のあてのない旅です。帰りは木曜か金曜くらいになりそうです。

夏休み気分盛り上がってきました!では、これから買出しに行ってきまーす。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

トウキョウズカップ2008

ホビ号の陽気でしょっぱいジョシたちです~

今年も楽しい楽しいトお祭りレース・ウキョウズカップへ行って来ました。HMYCの仲良しチーム6艇で、今年もお馴染みの宿を押さえてBコースへ参加です。毎年思うけど、トウキョウズカップに行かないと、なんだか夏休みが始まらない感じ。夏と言ばトウキョウズカップなのです!

まとわりつくよな暑さの中、行きの回航のためドックアウト。南の上りなので最初から波浮目指して機走でまっしぐらです。途中 南西沖ブイを越えたあたりからうねりが大きくなったけど、うねりの中、そうめん大会も無事敢行し、風あがってくるかな?とも思ったけど、結局また穏やかになって順調に波浮に到着しました。

定宿のシークリフへ行き、水着になってプールサイドへGO!初日はプールの水入れはじめたところで半身浴状態だったけど (-_-;)。クールダウンしたあとは、プールサイドでドリンキンタイムに突入です。これが、楽しいのです~。先週のパールレースでストイックに潮ッケをチャージしたので、今週は一転、ユルユル軟弱にレジャーモード全開。夕方からはプールサイド の芝生で恒例のBBQ。楽しい夜でした~。


プール付きの宿に島でのレース。年に一度のチーム慰安クルーズみたいな感じ。

さてさて、レースの方は、今年は珍しく風のあるトウキョウズカップでした!スタートエリアの風はホントひっちゃかめっちゃかで、山肌に当たった風がぐるぐる回ってあっちゃこっちゃから吹いて来ます。スタートライン付近は、超ド級のガスティー&シフティーな風がぐるぐるしていて、しかもフリースタートなので、周りにちゃんと水をあけてないと対応できません。リミットマークからスタボでラインに入ります。スタボで入ったのに反対から風が 来て突如ポートになっちゃったりしましたが、結果的に第一線からのサイコーのスタートでした。
リコール旗があがるけど、ホビ号は絶対にOK。出てたよなぁという艇が1艇戻ります。

すぐにスピンアップ。タイトリーチです。風けっこうあるので派手にブローチングしてる艇もちらほら。葉山のエース・アド号が岸寄りでフリートを引っ張ります。岸の風を見るのにいいベンチマークになります~。
で、風強いので、10マイルの競馬レースはあっという間に終わります。島を右回りにまわりこんでいくので、すぐにのぼりになりスピンはおわり。クローズになってからは高さをロスしないように途中からは振れタックです。最後はかなりオーバーパワーになり、No.3にしたかったけど、もうフィニッシュすぐそこだし、だましだまし逃がして走ります。

マイナスアングル走らないように、かなり頑張って刻んでいったのに、あとで聞けば沖出しのナポ号はぐんぐん振れるリフトに乗ってノータックでフィニッシュ手前まで来たそうで、嗚呼ガッカリ。 まぁ島廻りなんてこんなもんですね。あとで航跡見て、あんなに振れタックしたのに、変な潮とリーウェイで悲惨なタッキングアングルだったことがわかり2度目のガッカリ。

結果は、BコースのクラスⅡに参加した葉山艇4艇が1位~4位を独占~。 でもホビ号は4位(同クラス葉山でビリ )だったのでした。3度目のガッカリ~。うーん、ガッカリてんこ盛りな今年のトウキョウズカップでした。でもメチャクチャ楽しかったのでヨシとします!


レース終わってカンパーイ!

Bコースの総合優勝は走りも飲みもエース級・アド号でした!おめでとうございます~。そして、その晩の波浮港の交流会(地元のお祭り&表彰式)では、いろんな人と再会し、楽しかったデス。パールのフィニッシュのあとそのままトウキョウズカップに参加して帰ろう~というフネも多かったみたいですね。今年はやや参加艇が少なかったけど 、三宅~筆島のコースも新設されてまたまたこれからも楽しみなレースです!


せっかく来たから・・・とそのあと寿司屋へGO!


葉山大集合の図。今年は水色軍団でした(汗)。
ドン引きされてないか・・・ちょっと心配してみたいりして

帰りの回航は、またまたいい風でした!港の商店で食料を買出しし、氷を買って、ビールをキンキンに冷やし、9時に波浮をドックアウト!


葉山までの35マイルは追っ手で波乗りまくりのごきげんセーリングです。もういいや!ここまで来たら日焼けも解禁!って感じで帆走って飲んで食べて・・・盛り上がり


補助輪付き自転車でがんばるマリリン。おぉ波乗ってるよ~。


Go! Go!フェローズ!

今年もよく飲みよく食べよく騒ぎ、よく喋りそしてよく笑ったトウキョウズカップでした。来年も、絶対参加!

トウキョウズカップ2008 Bコース クラスⅡ 結果はこちら
Bコース総合成績はこちら

旅のメンバー:7人
バゥ=ヨシオ
ミドル=マリリン、ろって
ヘッドセールトリマ=のざP、総長
メイントリマ=ビール先生
ヘルム=アタシ


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

第49回 パールレース

スタートですッ!!

今更だけど・・・パールレースのレポートです。長いです。覚悟してください。

今年もまた葉山のSydney36CR・Gaia号でパールレースに参加させてもらいました。なんと言っても今年は同型艇Miwaが居ます。でも、乗ってるメンツを見ると、サウナ帝王M石氏、M代氏、Hineちゃん、ネゴロフスキーなどまぁ内輪みたいなもので、ライバル艇というよりは、ラットの色で赤チーム、青チームみたいな感じですかね。スピンの有無や重量などでビミョーにIRCのレー ティングが違う2艇なのですが、なんとビックリ、GaiaがIRC-Aクラス1、MiwaがIRC-Aクラス2に分かれてしまいました。同型艇なのにぃー。(でもこのおかげでナイスな結果となるわけですが。エヘヘ)

7/25金12:10、快晴の空のもと180マイル先のフィニッシュ目指していよいよスタートです。スタートラインのバイアスは相変わらずものすごいことになってますが、まぁそれも含めて全部レースの要素なのでヨシとします。ピン側からまずまずのスタート。高い所に居た艇がラウンジエンドで戻っていきます。第1レグ、まずは135度方向の神の島へ。ジェネカーはちょっと無理そうなのでライトジェノアで行きます。昨年はもっと風弱く展開もスローだったのでトップ艇団にいながらの勝負だったのですが、今年はそこそこ風があり各艇一斉に横ッ走りを始める競馬スタートだったので、なんとなく艇団に埋もれてしまいました 。(-_-;)

神の島は水面下で見えませんが、水面がシャバシャバしてます。GPSで神の島を北に見る位置になったのでこのあたりが少々安全目な回航ポイントです。ベアダウン&ジェネカーアップ。かなり団子状態。ここからは伊豆諸島の利島まで東へまっしぐら 気の遠くなる125マイルの第2レグです。マストトップジェネカー様々の威力を発揮してぐぐーっと前へ出る走りをしたいところです。風は徐々にあがり安定して南15~6ノット。これから徐々に右に振っていき、南西~西、しかも夜にかけてあがってくる予報です。風を掴みに極端な沖出しをするとか、北に変わり岸に期待するようなも要素もナシなので、ジェネカーでラムラインをひた走ります。カミにMiwa、シモにOREOS(X-35OD)。どちらかと言うとケアすべきは、同クラス・同一レーティングのOREOSですかね。


順風~。ジェネカーでカッ飛びます!

日が暮れる頃になり、順調に南西の風を受けて走りますが、ジェネカーで効率良い角度となると少しずつラムから離れて沖に出ていく感じ 。このままジェネカーでずーーーっと突っ込んで深いジャイブをするのか、スピンで落してラムを走るのか。難しい判断を迫られます。Miwaはジェネカーでガンガン沖へ。でも同じクラスのスピン艇がきっちり落してラムに乗せているので、ここでスプリットするよりはスピンを揚げてこれ以上ラムから離れないように走ることにします。そしてすぐにシモの艇団に追いつき、追い越し

夕陽は水平線に沈んでいきました。そして日が暮れてナイトに突入。
でも・・・。なんか・・・。風が・・・。ツオイような気がする・・・。さっきからコンスタントにTrueで25ノット、時折30ノットの数字が見え始めました。波も悪くサーフィングも豪快で、ボートスピードも13ノットを超えてきます。WOW!デンジャラス~!で、やりました。夜の遠州灘で。1発、2発、3発・・・とブローチング(汗)。ガツーンと横倒しにはならなかったけど、チョイこけからなかなか立て直せず、何度も何度もこけ、、、。かなりビビリました。喉、カラカラになりました。これでせっかく抜いたシモの艇団にまた並ばれたけど、幸いスピンも破かず誰も怪我もなく、気を取り直して超爆走プレーニングを続けます!みんなテンションあがってるし!こんなコンディションなので、交代ヘルム以外はオールハンズ&オンデッキ。

夜が更けてきました。気付けば落っこちて来そうな満点の星空に、ドバーーーっと横たわる天の川。濃紺の空に、吸い込まれそうに白い月明かり。地球なんてこの星の中の一粒なんだなぁ、なんて訳も無くおセンチになったりします。風は、また22~24ktくらいで落ち着きます。

昨年は一晩中スローペースだったけど、今年はとんでもないハイ・スピードで、暗いうちに伊豆半島をかわし、Fl 6s の利島灯台を確認。そして、水平線から朝日がのぼりました。太陽が水平線に沈んで水平線から昇ったのを続けて見たのは初めてのことです。


先行艇の向こうの水平線からデッカイ太陽が昇ります

いよいよ相模湾です。利島と鵜渡根の間を狙ってジャイブし、ジェネカーで北上開始です。明るくなったら回りにチラホラとフネが見えてきました。たぶん夜の間スピンで並走していた何艇かと、前にMiwaの赤いジェネカー。


夜明けの利島です

利島回航後、Gaiaは大島の西端を狙います。ずっとジェネカーとスピンで快走を続けて来たけれど、ここへ来て試練の時を迎えます。ま、想定内だけど、風が弱くなり先行艇のヘディングがおかしくなりました。爆走ランはジ・エンド、ここまでです。ジェノアをアップし、シマシマの水面を風を探して走ります。前の艇団が止まってるのでチャンスでもあります。

ここから先は、ジェノアあげたりおろしたりあげたりおろしたり、またあげて、またおろしたり、もういい加減どっちかにしてくれーーーってくらい沖の風と陸の風がケンカしてがんばっちゃってる感じです。南西沖ブイの風情報は東1m・・・。その後も、ラルったり四畳半ブローを掴んだりしながら、それでも案外上手くくぐり抜け、ぐんぐん追い上げてMiwaを捕らえます。すぐ近くにOREOS、NANAちゃん、Gふぉーがいたはずだけど、このメチャクチャな風で見失ってしまいます。でも、ラッキーにも風は10ノット程の東風に落ち着き、最後はジェネカーで快走します。ここから先は同型艇Miwaと至近距離でガチンコ対決です。


相模湾に入ってからの同型艇ガチンコ対決!

見慣れた景色が近付いてきて、やっとやっとやっとフィニッシュの「はしだて」を確認しました。僅差のリードを保ったまま、Miwaの前で勝負!のジャイブをかまして、フィニッシュラインへ。そしたらMッキーから悲鳴があがります。なななんと至近距離からOREOS登場! Miwaと遊んでいるうちにやられるところでした。
同一レーティングであるからして、先に入った方が勝ちです。デッキ上に緊張が走ります。あっちがスタボのスピン、こっちがポートのジェネカーでミートです。ポートで前を切り、相手の前で今度はホントにホントに勝負のジャイブ!で、きれいに決まりました!一瞬オーバーラップしたけどすぐ切れて、インナーマークのぎりぎりを狙って加速し始めた次の瞬間、プーが!!なりました!!一同歓声(≧∇≦)。頭のテンコからアドレナリン大爆発。

24時間と28分9秒でフィニッシュしました。丸1日走って、同一レーティング艇と2秒差、同型艇と27秒差。こんなことって・・・あるんですねー・・・。暫くは心がワサワサして興奮状態でありました。これは、この先おばあちゃんになってもたぶん、一生忘れないシーンになるかも。


結果、IRC-A クラス1優勝!(≧∇≦)、同型艇MiwaもIRC-A クラス2優勝!(≧∇≦)。IRC総合はMiwaに軍配でした。あとほんのちょっと速く走れれば、総合優勝も手に入れることができたけど、やっぱりそう何もかもはうまく行くはずなく。利島であれだけリードされたMiwaに追いついて追い抜いただけでも相当ガンバリマシタ!!素直にMiwaの健闘をたたえたいと思います。まぁ、赤チーム、青チームの仲だしねぇ。

今年のパールレースは、Sydney36CRの2艇でIRCのワン・ツーとなりました。スバラシイ風、スバラシイ船、スバラシイ仲間、すべてに感謝です。Gaiaの皆さんどうもありがとうございました。

今回のわたしはと言えば、かなーりツカエナイクルーで・・・(-_-;)。ホビ号のヘルムは頑張ってるつもりだけど、最近、ヒモ引っ張ってないし、大きくて速いフネにも乗ってないし・・・。やっぱりヨットレースはスポーツなので、身軽にフットワーク良く機転利かせてナイスな動きができないと全くの役立たずです。かなり、自己嫌悪。またちゃんとトレーニングして、テーザーも頑張って、そしてたまには大きい速いフネにも乗ってあれこれバランス良くやっていかないと、動きの鈍い使えないヘルム・バカになってしまいます


GaiaとMiwaのオーナー二人で優勝カップでビールです!

そのあと、みんなもカップにビールをついで回し飲みします。チョットぬるくて金属臭いけど、美酒とはこのことを言うのです。最後は、こんなになっちゃってますが

はーっ。満点の星空のもと、真夜中の海をみんなと一緒に爆走したりしたあとは、日常の便利で生ぬるい暮らしはシゲキックス食べても刺激が足りなくなってきます。外洋レースの勝利は、本当に格別です。でもそんなものは超越して、なんかもうちょっと特別なものを感じてます。これは、走った人の心の中だけにある特別な気持ちだと思ってます。もしかして、おセンチなのはアタシだけでしょうか。

外洋レースは、なんだかわからないけど、かきたてられるものがあります。太陽は、水平線に沈んで水平線から昇って来るのです。大海原にぽつんと居ると、浮世のややこしい事なんて全部忘れて、「はじめ人間ギャートルズ」(古いよバカ)のゴンになった気分になるのです。(ドテチンはバウの方にいっぱい居たし)
暑くて暑くて潮と日焼け止めと汗で全身ベタベタで、臭いし、汚いし、もうチョー不潔な人だったけど、そんな事別にどうでもよく。こんな経験をすると、世知辛い都会生活や自分の仕事の悩みなんてかな~りちっぽけなもので、そんなショボい事はほっといて、自分はもっと大きく生きよう・・・なーんて思ったりするのです。

海は、ほんと偉大。

Yahoo!ニュース「外洋ヨットレースの国内最高峰「パールレース」36艇が志摩からスタート」
伊勢志摩経済新聞「外洋ヨットレースの国内最高峰パールレース」

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )