第53回パールレース、やりました (^^)v

貴重な経験、一生の宝物です。ありがとうございました!

今年もパールレースに参加してきました!
三重県五ヶ所湾口をスタートして、伊豆諸島の利島を廻り、江の島フィニッシュの180マイル。今年は風に恵まれ、利島アプローチまでノージャイブの一本コース。終始ダウンウインドでぐいぐい走り、25時間ちょいでフィニッシュ!昨年、一昨年のカーム地獄がウソのような早い展開のレースとなりました。

◆五ヶ所湾へ
木曜朝、ズタ袋を背負ってナビのお大事グッズが入ったブリーフケースを抱えてのぞみに乗りました。もぎもぎにグリーン車をごちそう?になったのですが、当のご本人が多忙で午後着になってしまったので、一人グリーン車です。ビーサンで。(-.-) 新幹線のグリーン車なんて、毎年パールの時しか乗りません。グリーン車でもらったおしぼりは大事にとっておき、御前崎を超えた頃に顔を拭くのに使います。毎年だいたい。
名古屋の近鉄の改札で、他のメンバーと合流。サロンの指定席で皆ではしゃぎながら宇治山田へ。ん~、これまでの所、かなりセレブな感じです。若干一名、二日酔いのため顔が土色で目から血が出そうな人がいますが。

10時半過ぎ、宇治山田着!徒歩圏内のスーパーでたんまり買い出しをし、ランチに鰻を食し、食後のコーヒーまで飲んでJSAFバスへ。んー、まだまだかなりセレブっぽい。でも、「ハーバーまであと1km」の看板の所でバスを降ろされた所で、セレブ生活はおしまいでした。
恐ろしい炎天下の中、大汗かきながら荷物と大量に買い出ししたものを持って1kmのアップダウンを歩き、すっかり憔悴。例年は下まで行ってくれるのに、、、。罰ゲームですかね。


VOC到着。いつ来てもよい所です。

Mッキーと合流し、早速フネの準備に取り掛かります。マスト登ってチェックしたり、潜って船底磨きしたりとみんなサクサクと手際よく分担作業。わたしはGPSの入力とウェイポイントの最終チェックをし、最後スピンのリパックを手伝って灼熱地獄の作業終了!ふー。汗ドクドクかいてくたびれたー。

そして。なんと。送迎バスの都合がつかず、宿へは軽トラの荷台に乗っかって行くことになりました。朝はグリーン車で来たのに。セレブだったのに。ま、これも楽しくていいけど。


青いオープンカーで宿へ!!

宿に着き、お風呂に入ってさっぱりして、ご飯食べながら軽めに飲んだあと翌日に備えて早寝します。明日も暑くなりそうです。

◆いよいよスタート
前置き長くなりましたが、いよいよスタートです。


ドックアウト前にパチリ。すでに汗だくです。

ドックアウトの頃は14、5ktの南風が吹いていましたが、スタート海面に着くと6~8ktの軽風です。最初のレグは、神の島まで**度、**マイル。スタボーの片上りです。AWA30度~50度くらい迄のオシレートの風。ラインは長め、神の島にはアウターが近いけど、振れ次第で角度が厳しくなりそうなのと、風弱く艇団に埋もれると走りにくいので、真ん中ちょいカミ目の一線を狙って出ます。
ダブルハンドクラスに続いて12:10、まずまずの位置でスタート。

風弱く序盤は苦労します。頭が引っ込んでしまうと苦しいので、一番カミのフレッシュな所まで出て頑張ってスピードを維持します。ちょい大回りでも、ジェネカーの角度に落とせる時がくれば必ず頭を出せるはずなので暫くは我慢の走りです。徐々に頭を落とし始める艇や、早くもジェネカーを揚げる艇もチラホラ見えますが、焦らずにのぼり気味で沖側を進みます。

五ヶ所湾口から離れて暫くすると、風が安定して来ました。ここで少しだけ頭を落としジェネカーアップ。スピードに乗りはじめ、すこーーーしずつですが挽回していきます。スタートして1時間半、神の島・里中のベアリングが真北を指したのを確認し、東へベアダウン。先行するビッグボートは既にどんどん小さくなっていきます。さー、Gaiaもここから横っぱしりで挽回です!!おにぎりとかトマトとかプラムとか食べて、イケイケほいほいです!

◆利島へ向け、東へ120マイル
第2レグは、大王を越え、遠州を越え、御前埼を越え、石廊崎を越え、伊豆諸島の利島まで、ひたすら東へ120マイル走る長いレグです。南西の順風を受けて快調に飛ばします。気づけば同サイズのフネはだいたいかわし、遥か前にビッグボート、前にAクラスが何艇か確認でき、シモにLL8他。Gaiaはジェネカーのみのため利島までは落とせませんが、この頃は潮も良く、COGもそれほど外れていないので、角度はあまり気にせずにとにかくぐいぐい走ります。

あっと言う間に御前崎まで来ました!去年は夜中に御前崎でピットストップし、後続艇にキャッチアップされて再スタートとなったしまった苦い思い出が。おととしなんて、浜名湖の沖で翌日まで漂流して、灼熱地獄の中、もう少しで干物になるところでした。それに比べて今年は、18:00のロールコール時にもう御前崎まで来ていました。風があるってスバラシイ!!

そういえば、我々はある重要プロジェクトを検証するミッションがあったのでした。ふなメシ研究所のヨコチン所長の発案で、ホセ平研究員から給仕されたのは冷凍そうめんです。当然、ネギとショウガの薬味付き。前の日に宿の厨房を借りて茹で、カチカチに凍らせて、クーラーボックスの中で自然解凍したものです。


冷凍そうめん、ビミョー

恐る恐る食します。一言で言うと、なんていうか、食感は湯葉っぽい?美味しいか不味いかと言われれば、うーん、うーん、どちらかと言うと不味いですかね。残念。
ってか、わざわざ冷凍しなくても流水麺を冷たい水でさらして食べればいいだろ!との突っ込みどころ満載だけど、チャレンジする心は大切です。これからも地道な研究活動を続け、いつかギョニソを凌ぐ偉大なヒットふなメシを世に送り出してください。


陽が傾いてきました。

背中に夕日が沈みます。順番に夜支度を済ませてから、夕飯タイムです。え?さっきそうめん食べたけど?と言ったら、あれは前菜なんだそうです。主菜はギョニソロールパンタルタルソース添えでした。
その後、若干胸焼けしました。残念。


夕焼けセーリングの後、ナイトに突入です。

その後も風は適度に吹き続け、夜中もかなりのデットヒートが続きます。至近距離で抜いたり抜き返したり、気を抜く場面はなく、一晩中キリキリ競い続けます。途中、風がやや後ろに回って弱まった時間帯がありました。ヘディングは神津島を向いてしまい、一時はラムラインから5マイル以上南に出てしまいました。一度、中へ入れるべきなのかみんなで悩みます。少しヘディングを落としてみて、VMGの変化をチェックします。やはりよくないです。

このレグはまだまだ先が長いので、角度はどうなるかわかりません。ジェネカーの特性を生かし、とにかく頭を前に出す走りを心がけることにします。集中を切らさず、前に出て距離を稼ぎ続けるよう頑張ります。そんなの当たり前のことだけど、ひたすらみんなでそれを目指し、確認し合い、声掛け合い、良いムードを維持しなくてはいけません。わたしは走りにはぜんぜん貢献できないけど、みんなと心は一つにしていようと思ってましたッ!それぞれ交代で横になったりしたけど、ダレることなかったです!こまめにしっかり食べるというのも良かったです。明るく前向きな気持ちも維持できるし、リフレッシュするし、全員の様子がわかれば心くばりも出来るってもんです。すべて順調。

◆利島アプローチ
頑張った甲斐あり、夜が明ける頃には少しずつ落とせる風になってきました。一時アゲインストだった潮もまた良くなってきました。いよいよ夜明けの結果発表です。


夜が明けて、新島、利島、鵜渡根が見えてきました。

岸側に真っ先に見えてきたのはLL8の赤いスピン。このあとフィニッシュまで、ひたすらこの赤スピンを追い続けることになります。答え合わせをしていくうちに、夜のうちに後ろを引き離し、残った艇団がわかってきました。Gaiaは今回Bクラスで一番下のレーティングです。LLを除き、みんなAクラスらしきフネなので、更にモチベーションアップします!!


利島へアプローチするLL8。ずっと、追い続けたよ。

利島と鵜渡根の間を抜けるための、ジャイブのタイミングとアプローチは少し難しかったです。先行艇も落としきれずに何度かジャイブしています。朝方、風が少し頼りなくなり、数マイル手前でCOGが新島の南を向いてしまったタイミングで一度返します。その後すぐにまた風が吹きはじめ、そこからは順調でした。一時は3ktくらいの潮をもらって、SOG 10ktオーバーで走ります。2回目のジャイブで鵜渡根にとっついて、3回目のジャイブでうまく利島をかわしながら大島へ向けられるラインに乗せることができました。いつ来てもここはすごい所です。例年、必ずチキンジャイブをするポイントです。(去年は上りだったけど)。
ふー、明るい時間帯でよかった!川のように流れる潮に乗って少しずつ落として行きます。いよいよ最終レグです!


鵜渡根をバックに走ります。灯台ないので夜はビビります。右奥は新島

◆江の島フィニッシュへ快走!
おにぎり島・利島を後にします。今年は山の上が雲ですっぽり覆われていて、ちっともおにぎり島じゃありませんでした。


利島にクジラみたいな雲がかかっていました。いよいよ北上です。

ようやく携帯の電波も届くようになり、情報収集します。
風早の大島灯台は西南西10m/s吹いているけど、江の島風速計はなんと風速ゼロ。まだ朝早く、沿岸には風が届いていないようです。今走っている辺りは、時折10ktくらいまで落ちるけど概ね12~14kt程の風が安定して吹いています。今日もすでに太陽ギラギラです。昼にはこのサーマルが岸まで届くはず。そう祈りつつ残り50マイル、風とともに北上開始です。

フィニッシュのヘディングは真ランに近く、しかも大島の乳ケ埼をかわすまでは、風の弱い場面もありあまり落とせませんでした。毎年、この最終レグのコース取りで結果が大きく左右します。赤スピンが見える範囲にいれば修正で逆転可能です。相手は先にジャイブして風早をかすめていくコースを取りました。逃がしてしまうのは危険だけど、抜く必要もなくこちらも冒険するようなコース取りは不要です。頭の中で相模湾を俯瞰で見下ろしてムニャムニャ考えます。南西風の時は風早からの吹き下ろしを貰って一度大島の北にしっかり出るのがセオリーで(すみません、勝手な持論です。ホントか?)それから南西ブイよりも岸には入れないよう、相模湾の真ん中寄りを進んで行くことになりました。

結局Gaiaも含め、皆さん同じようなコースを取ったようです。そして、大島から離れて暫くした頃、20ktオーバーの風がガッツリと吹き始めました!!wow!!
この風になるとAクラスのスピン艇はさすがに速く、あっという間にすぐ後ろまでキャッチアップされます。でも、Gaiaも負けじと得意の強風で爆走です。前との差を少しでも詰めようと最後の集中です。波乗りブラザーズは、3分おきくらいに三人交代で執念のパンピング。(もちろん、一波一回ですよ)これはかなり効いたと思います。180マイル走って、最後秒差の勝負になったことが過去にもあったのです。この執念がダイジです。

残航4.5マイルを切る頃、フィニッシュ30分前コールをします。みんな、ノリノリになってきて、声かけ合いながらかっ飛びダウンウィンドです。フィニッシュを探しますが、なかなか見つからず焦ります。とにかく江の島の白灯台を目指して走ります。7月最終週の土曜のお昼だけあって、江の島付近はたくさんのディンギー、しかも鴨根と網をうまく避ける進入角度で入って行けるよう考えなくてはなりません。なんせ爆走中なので、ジャイブのタイミングもドッキドキです。

やっとこさフィニッシュとアウターが見えてきました!陸の景色とかぶってしまい、かなり近くに来るまで本部船が確認できず、随分とハラハラしました。そして、フィニッシュ直前でなんとポート/スタボーで都知事艇とジャストミートです。こっちがスタボ、相手がジャイブしました。最後、フィニッシュラインに向けて、絶対に失敗してはいけないチキンジャイブです!ひゃー。なんとか成功!そして、13:15、所要時間25時間5分でフィニッシュのプーが鳴りました!一同歓声、手元の時計によると、たぶん、たぶんだけど、クラス優勝はイケたはず!!

帰着申告をしているとき、twitterをチラ見してみると、某おヒマな方がIRC総合成績の集計を呟いてくれていました。(ありがとドラえもんー。)そして、Gaiaは総合でもAクラスをかわしてトップに躍り出たようです。うひょーーー。何と言うことでしょう~。もの凄い勢いで走り続けた大型艇は、最後に朝方のカームに捕まってしまい、フィニッシュ手前でまさかのピットストップがあったようです。後続艇は終始順風、そして最後はかなりの強風で大島から一気に下って来れたのですから、この差がそのまま結果となりました。風が味方してくれたということでしょう。ヨットの神様ありがとう。

総合成績は、1位ガイア、2位スパンク、3位クレセント。いつもクラブレースで切磋琢磨している葉山のチームで上位を独占したのも嬉しかったですねー。


ありがとうございましたー。

外洋レースの勝利は格別です。またいい歳してガッツリ日焼けしてしまいましたが、ほっといてください。だって、この経験はプライスレス!一生の宝物ですから~
Gaiaの皆さん、夜通し運営してくださった皆さん、そして自分の恵まれたセーリングライフに感謝です。また、コツコツと楽しくがんばります!どうもありがとうございました。


そして、最後はビールまみれに、、、

★第53回パールレースリザルトはこちら

 
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強風~!第4回熱海レース

ババ吹きレース!楽しかったです。all photos by U子りん

梅雨明けおめでとうございます!今年もやって来ましたギラギラの夏。三連休の前半2日は、熱海1泊の往復ピクニックレースです。
しかーーーし。
初日の土曜日は超ババ吹き!海は一面沸き立っていて白うさぎ1750万匹  オヨヨ。
「これは絶対無理。中止だよ」と言う声もチラホラ。でも、今までも滅多なことでは中止にならなかったHMYCのクラブレースであるからして、やるだろうなーと覚悟決めてました。レース委員会のミーティングで、予定通りスタートすることに決定。スタートを遅らせてもむしろ吹き上がる予報だし、熱海までの所要時間も考え、定刻通りのスタートです。艇長会議では、出走を検討中のフネが数艇居たのみで皆さんヤル気。ホビは少々迷ったけれど、経験あるメンバーが多いことから、安全第一を肝に銘じて出ることにしました。

ジャックライン張って、全員ハーネス着用。フル装備でレッツゴー熱海です~。
みんなギリギリに下ろしたためクレーンが混んでいてスタート間に合うかビミョーですが、緊張しながらドックアウト。頼りない艇長だけど、とにかく落ち着いて頑張らないと!!他にも何艇か遅れていたためAPが揚がり助かりました~。熱海までは250度、ポートの片上りです。ワンポン、No.3で時化の海をスタートです。


スタート直後、リーフ解除したけど、また吹き上がってきて…。

スタート直後、やや風が落ち着いたかに見えたので、ひとまずリーフ解除。でもまたすぐに吹き上がってきふて、またまたワンポン。みんな手際よくやってくれて流石です。マストヘッドの計器が調子悪いのか、どうも風速が弱めに出るのですが、ワンポンとNo.3でもかなりタジタジなので、25kt or moreは吹いていた感じ。


ワンポン、No.3でジャストでした。

それから暫くオバケ波との戦いです。でもセイルのバランス良く、ウェザーもニュートラルでとても走り易かったです。No.4も積んできたけど出番ナシでした。ホビはキール重量を280kg増量してスタビリティーアップしているので、普通の30SNと異なり強風得意です。(その分微風は遅い訳ですが)わたしも強風ダイスキ。ヒールもバッチリ起せていたので、徐々に前に出て行きイイところを走っています。

しかーーーーし。
調子こいて悦に入っていたのがヨットの神様にバレてしまいました。半分くらい来た所で、また風が少し落ち着いたのでリーフ解除、更に風が落ちたのでMHにチェンジ、更に更に風が落ち、信じられないことにカーム地帯にはまってしまいました。南西の風の時、真鶴半島を結ぶラインの岸側は風がないことが多いというのは、もちろんわかっていたつもりだけど、かなりの強風だったし、必要以上に南下してオーバーセールする必要はないんじゃないかと思い(甘いッ!)、まんまと魔のエリアへ吸い込まれていきました。そしてそれに気づいてタックを返しても、あまりのマイナスアングルに耐えきれず、またタックバック。そしてまたハマる。こうやって、ヨットの神様のお仕置きにより、1時間半真鶴の手前でのた打ち回ることになりました。他にも3~4艇いましたかね、同じ目に遭った艇が。はーッ。ハーネス着用でババ吹きの海を意を決して出てきたのに、まさか。。。。今日。。。。ロールタックする羽目になるとは思わなかった。。。もう調子こきませんから許してください神様。

しかーーーし。
許してもらえませんでした。カームから抜け出してからは順調に走って来ましたが、フィニッシュを目前にして、お約束の熱海沖カーム出現。四畳半ブローをセコセコと拾いながらなんとかフィニッシュを目指しますが、フィニッシュライン10艇身前くらいまで来て風おしまい。結果タイムリミットに3分届かすDNF。ガーーーーン!まあ、レースも人生もこんなもんです。

オバケ波の強風セーリングで頭から波かぶり、カームでのた打ち回ったり色々だったけど、楽しかったです。16:00過ぎ、無事熱海スパマリーナへ入港。パーティーで言い訳大会をひとしきりしたあと、温泉三昧。しおしおの身体をさっぱり洗い流し、部屋飲みで盛り上がり、就寝。長い一日でした。


2日目の復路も吹きました~


2日目。本日も強南西ババ吹き予報!でも追手の風なので幾分気が楽です~。早朝は北東の風が吹いていて、またまた罰ゲームかと思いましたが、ドックアウトの頃には予報通り南西の風に変わりました。出てみるとかなり吹いてます。25ktからガストで30ktくらいの強烈な吹きおろしが入って来ます。熱海は水深がかなり深く、マークやアンカーを打てるのはマリーナを出てすぐのポイントしかないらしく、付近には漁網、岸側には岩が顔を出していたりで、狭い範囲でのマニューバがちょっとハラハラです。山からのダウンバーストみたいな吹きおろしを受けながらも無事スタート。暫くはスタボーのスピンランです。


スタボのスピンランで葉山へ

暫くすると、吹きおろしが届かなくなり、風も落ち着いて快適なスピンランです。落とし過ぎて昨日の二の舞にならないよう、ややのぼり気味で葉山を目指します。恐れていたカームにも捕まることなく、あっという間に江の島が見えてきました。
そして徐々に風が前に回り、フィニッシュへ向けられるようになったのはいいけど、また吹き上がって来ましたよ。気づくと25ktオーバーです。ウェザー非常にきつく、オバケ波に乗ったり乗り遅れたりしながら、大汗かきかき、アドレナリン大放出での爆走スピンランです。

サーフィング、そして早め早めの波舵がキモです。でも、子持ちシシャモの腹くらいの力こぶしか持ち合わせないわたしは、波に合わせているつもりでも切り遅れることがあり、ちょいコケを繰り返しながら必死でフィニッシュ目指します。このコンディションでは本当はティラーを両手でじか持ちしたいのですが、チビッコ故、そのスタイルだと前が全く見えません。10cmくらいの座布団あれば見えるんだけど。


あちこちで大ブローチング大会が開催された模様。

結局、フィニッシュに上り切れなくなりました。できるだけタイトリーチで走ろうと試みますが、ここで立て続けにブローチング2回。まぁ大コケではなく、舵も完全にストールはしていなかったので、すぐに持ち直しましたが。諦めてジブ揚げてフィニッシュです。ふー。爆走でしたね。早かったです。熱海から3時間半でフィニッシュ。ノージャイブ1本コースだったので、競馬レースとなり残念ながらほぼ大きい順にフィニッシュ。修正も殆ど変らず10位。

2日間の強風レース、スカーッと楽しかったです!
今回は、安全面のこと、強風セーリングのこと、色々イイ経験になりました。この風域でデカスピンを揚げて舵を取ったのも初めてだったけど、まずまずコントロールできることがわかってチコっと自信になりました。そしてこのフネでの初ブローチングも。

久々に耳の中まで潮でザリザリになり、タラソテラピーな2日間でした。何事もなかったから言えるのだけど、また一つクラブレースで強風セーリングの場数を踏むことができました。安全第一は当然だけど、強風は少しずつでもチャレンジして行かない限りいつまでたっても経験できないので、この環境に本当に感謝です!
結論: 全然ピクニックレースじゃなかった!!

往路メンバー:10人
バゥ:風呂井戸先生
マスト:Teruさん
ピット:リゲ
ヘッドセール:なべさん、Mッキー
メイン:S根さん
ヘルム:わたし/ろって
フローター:C夏ちゃん、itりん

復路メンバー:8人
バゥ:Teruさん
ミドル:リゲ、C夏ちゃん
ヘッドセイル:itりん、Mッキー
メイン:S根さん
ヘルム:ろって/わたし

 
 
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初島ダブルハンド2012 クラス2位!(≧∇≦)

83艇参加!初島ダブルハンドA~Fクラスの2位の皆さんとパチリ。
photo by U子りん

金曜日、準備のためいつものように休みをとって、午後葉山入り。安全備品積んで、いらない荷物全部おろして、ジャックラインつけて、予備スピンは全部ヤーン、ジブ3枚はテルテールにセイルコートかけきちんとラフ合わせにリパックし、艤装も完了。朝は何かとバタバタするので、できるだけの準備を前日済ませました。ゆっくり準備していく過程で、ソワソワした心も落ち着いてくるのは毎年のことです。作戦会議をして22時就寝。今年もこうやってダブルハンドの朝を迎えました。

6:05ドックアウト。これも毎年のことだけど、「来年はもっと早く出よう」と今年もまた思う。スタート海面に着いて急いでチェックインし、スタートどうするか考えます。


スタート前です。行ってきまーす。photo by キワムの写真館

どうやら雨はなさそうだけど、風は期待薄です。北から南東へ振れて行く予報。ライン思ったより長くありません。先は長いのであまり混んでいるところで絡みたくないし、両サイドは避け、空いているところからアビームで真っ直ぐ出ることに決めて真ん中あたりを陣取ります。周期的に北西寄りのシフトが入ってきます。ポールはセットしたけれど、240度に向けるとAWA70度くらいがチラチラ入ってくるのでスピンはとりあえず様子見。

で、ですね。P旗直前に最後ふかしてエンジン切ると、風1ktくらいしかありませんでした。がーん。最後に見た時は6ktくらいは吹いてたんだけど、風向ばっかり気にしてエンジンで走り回りすぎて風が落ちてるのに気づきませんでした。かなーりお粗末です。まったく足りません。トホホな感じでだいぶ遅れてスタートラインを切りました。あーもうバカバカバカみたい

ジェネカー艇はあげましたが、スピンは半々くらいです。ほどなくして上りの風が入ってきました。
北西~西、時々無風。風見はぐるぐる回り、計器の表示は「---」。一吹き来たと思っても、まったく安定せずセイルを右に左にと返しながら小型艇軍団と絡んでのた打ち回ります。後ろがさびしいです


風なーーーい!photo by それもいいよねKAZさん

1時間くらい苦しんだ後、ようやく南東の軽風が入って来てスピンアップ。ふー。
今回、女子2人でのマストヘッドスピンのジャイブや取り込みが不安だったので、靴下(ソックス=スピンのスナッファーです)を用意してコソ練をして臨みました。0.6のビッグスピンにセットしてありますが、ピークに重いものをぶら下げるので微風ではちょっとどうかなと思い、微風用VMGスピンにするか迷います。でもエリアを考えるとやっぱり大きいのに限るなーということで、靴下付きビッグスピンを揚げました。靴下を、できる限り上に、くっしゅっときれいに畳めるかがキモです。するするっとあげてパッときれいに開きました。ホッ。

徐々に安定した風が吹きはじめ、ここから挽回です。まわりは小さいフネなので一気に前に出て、ようやく同サイズくらいの艇団に追いつきました。猛追開始です。AWA80度くらいになっても結構気持ち良くスピン張れて、快調に飛ばします。最初トップ艇団をひた走っていた魁と、ジュルビアンが照準圏内に入って来ました。2艇ともライバル艇だけど、経験豊かな方たちでもあり、ホビの走りのベンチマークとなるフネです。


順調に走り出しましたッ!photo by 哲太郎さん

ほんのちょっとの違いだけど、一段北側はもっと南にベンドした風が入っていたようで、スピンを下ろし始めます。沖側も走っているは様子なく、スピンをおろした艇が多いようです。ホビのラインは神がかったような風が続きスピンでどんどん差をつめて、ついに魁に並び、ジュルビアンにもかなり追いつきます。スタートのトホホはここでようやく帳消しになりました。

初島まで8マイルを切った頃、前から南西の黒い帯が近づいてきました。すぐ前のフネがその風に入りスピンをおろすのが見えたので、落ち着いて準備し、ジブあげてスピンを靴下様にシュルシュルと収納しテイクダウン。おぉ完璧だ。靴下様々。まだまだ初島アプローチまで距離があるので、落とすのはリスキーと考え、クローズで初島の左端を狙います。

今回のダブルハンドは船が大きくなったこともあり、テーマは、気を抜かない、諦めない、でも欲を出しすぎない。要は、慢心せずにとにかく基本に忠実にやる!と心に決めています。コースは基本的にプロパー、どうしても外れる場合はラムラインの南側に、真鶴には近づかない。こんなプランでした。毎年、岸側、沖側と色々判断が分かれますが、今年は少なくともホビの周りには岸艇団というほど寄せている艇はあまりいなくて、一番岸寄りを走っている艇団がほぼラムラインで、ホビは全体の中では岸寄りだけど、それでもラムよりは少し南を走っていた感じです。

初島に近づくと、徐々に風が不安定になり、ムラムラの海面になってきました。ここからが勝負どころです~。風がまた左に振れ、岸側のグループも楽々上り切れる角度になりました。ホビはここで初めて少しセイルを出してスピード重視で初島に向けます。しかーし、岸に一筋いいブローが入り、岸側がじわじわ頭を出しはじめました。せっかく有利なシフトをもらったのに、あっさりと先行を許してしまいます。あー、もう詰めが甘い

トップ回航の艇が初島の向こう側から出てきました。SwanNYYC42エスプリです。トップ艇をこんなに間近で見たのは初めての事です。そして先行されていた沖艇団をかわしていたことに初めて気付きます。なんだか割といい所にいるみたい???


初島で運営ボートが撮ってくれました。photo by キワムの写真館

頭を冷やして初島アプローチ考えます。カームらしきエリアも見え、ヒジョーにムラのある海面なので、初島は大外狩りすることにします。欲が出てつい小回りのタックをし、今まで何度も失敗しているので。
でも、まさに初島にとっついた頃、ちょうどブローが入りはじめます。プランを変更し、結局早めに一回寄せることにします。そうこうしているうちに沖からアプローチした大型艇団がダンゴでやってきました。三日月号2、3、Gaia、アド号、LLなど。ぎゃあ~。そして内側からジャージャー抜かれ、ワラワラしながら13:35(だっけ?)初島灯台マグ0通過。とにかくスピンをはらませてスピードをつけることに集中します。そして同クラスのエブエブをすぐ後ろに発見!!

往路は60度。南~南西の風弱く、とても60度には落とせず、暫くはヘディングを東に向けて走ります。チョッピーな波と頼りない風でスピンがはらまない~。靴下様は、FRPの筒みたいなのが上にぶら下がっていて、微風下ではそれがシモに流れてピークを潰してしまいスピンをきれいに前に飛ばせません。おまけにカミに連なっている大型艇の影響を受けて、小一時間ヒジョーに難儀します。ここでエブエブを簡単にカミに逃がしてしまいます。ふー。またまた詰めが甘い!フリーはこっちの方が速いはずなのに…。

その後、ようやく風が6ktを超えてスピンが飛ぶようになってきました。ボートスピード4ktキープできるよう、風速とシフトに合わせて丁寧に滑らせます。メインもひっきりなしにトリムしながら、祈るような気持ちで今日一番の集中です。スピンをはらませてさえいれば、フネはそれに答えてくれて、ついにジュルさま、エブさまに並びます。ジュルビアンを捉えたのは今日初めてですー

往路1/3くらい来た所で、周りがジャイブしはじめました。ホビもここらで一発ジャイブを決断です。ブローの中で真ランをキープできそうだったので、靴下様は使わずに通常ジャイブです。軽風なので、シートとガイはフィックス、股の間にティラー、Mッキーがインボード外すと同時にメインを返し、ポール付け替えるまでひたすら真ランをキープ。何ごともなく成功。ホッ!実はこれがMッキーとの過去5回のダブルハンドチャレンジで、初ジャイブだったのでした。ワハハ。

その後、ジュルさまは藻の大河を横断するために右往左往したらしく、エブ様はホビの後ろを嫌って、ジャイブして三浦半島側へ。ここで、カバーするか迷ったけれど、レーティング差を考えると前を走っている魁との差を縮めた方が得策で、この風が続けばデカスピンで魁にはかなり追いつけると判断。エブエブとはスプリットします。

その後、大きく南東に振れるシフトを得て、ヘディングが平塚を向きました。これは返すといい線行くんじゃないかと思って2度目のジャイブです。この時は風弱く、リーチtoリーチのジャイブになります。真ランまで落としてみたけどスピン潰れてフォアに巻きそう。ここまで来てトラブルは避けたいので、安全策を取り、靴下様で収納してから、ポール付け替えて、メイン返します。靴下を上げ下げするヒモはあとでちゃんとポールをかわしてスピンの内側に持ってこないといけません。完璧!Mッキーを今日から「靴下使いのプロ」と認定します

返すとヘディングがフィニッシュにどんぴしゃ向きました。おぉ、ラッキー。風もやっとこ吹き始めました。本日初めて、風速2ケタ台、10ktを記録。しっかりした南東風で艇速も6ktを超え、リーチングのスピンでようやくヒールとかしはじめます。江の島方面へ伸ばした艇は、最後のぼりきれなくなったようでジブで走って来ます。あとは、魁のN崎さんとの差を縮めるのみだけど、順風の横っぱしりになってしまうと、レーティングで格上の艇にはそう簡単に追いつけるものではありません。スクラッチシート見ると、11時間で魁と4.4分差、エブエブで7.8分差までです。最後の最後までN崎さんのトランサムを追い続けましたが、どうやら届きそうにありません。


フィニッシュ近づいてきました。photo by キワムの写真館

本部艇が見えてきました!最後パツパツのタイトリーチになってしまいましたが、なんとか上り切って、プーが鳴りました!
18:33、所要時間11時間33分で無事フィニッシュです。安堵と達成感。さっきまで目を三角にして走っていましたが、フィニッシュではさわやかな感動に包まれて、本部艇に何度も何度も大きく手を振ります。ありがとーございました!!!


何とか日没前、最後はタイトリーチでフィニッシュです。photo by キワムの写真館

靴下様々のお蔭でスピンも難なくテイクダウンし、メイン下ろしてなんとか縛り付けて、みんなが待つ葉山マリーナへ帰ります。赤灯台が点灯し、日没を迎えました。

みんなが待ってるっていっても、まさかエブエブまで待ってると思いませんでした。
あちらの方が先にフィニッシュしていました。軽くめまいがします。でも舫いを取ってもらい、向こうから敗北宣言。ホビの5分前にフィニッシュしたとのことで、着負けしたけど修正でひっくり返せるみたいです。

そして、Gaiaのサポート隊がお片付けを手伝ってくれました!何が辛いって、フィニッシュしたあとに、たった二人で全部のセイルを片付けて解装することです。もう手ブルブル、膝ガクガク状態なので。サクサクと片付けを手伝ってくれて、ホントうれしかったです!ありがとう~。

無事レース終わりました。同クラスの他艇の動向が全くわからなかったけれど、たぶん数艇は前にフィニッシュしてるだろうから、良くて4~5位、真ん中より前に入っているといいなぁと思っていた所、夜遅くのtwitterで公式掲示板情報を目にし、確認するとなんとDクラス2位!!Mッキーとお布団の上で握手です

魁には修正で120秒ほど届かず、ヒジョーに惜しかったけど負けです。でも何故か悔しくありません。考えてみれば、ダメダメなところも多かったのに、風のシフトや吹き出しなどラッキーな面に助けられたレースでした。スタートの失敗はもちろん、孕まないスピンの苦しい走り、セーリングで挽回したのに初島の勝負どころで簡単にやられていること、そもそもトリムは常に合っていたのか、微風のボートハンドリングはどうだったか等、色々考えるとN崎師匠に勝つなんてやっぱり10年早い!ということで納得。

出走82艇中、着順15位とは、驚きの出来です。初めてのDクラス。今年もまた唯一の女子コンビなので、経験豊富な皆さんに胸をお借りするつもりで出ましたが、今年は風が弱く、セイルチェンジもなく、女でも体力的なハンディが無かったのが幸いでした。そして魁とエブエブというDクラスのライバル2艇と、Cクラス優勝のジュルビアン。本当にみなさん上手くて、コースや走り、タック・ジャイブのタイミングなど、ゲームメイクも常に参考にさせてもらいました。今回はずっと絡んでいたこの3艇に引っ張ってもらい、いい所を走れたように思います。一緒にトップ争いをできたことを誇りに思います。ありがとうございました!!


2位なんて、ほんとビックリです。photo by キワムの写真館

翌日の表彰パーティーは、毎年本当に楽しいです。勝っても負けても同じレースを苦労して走った仲間です。でもやっぱり、成績ちょっと良かったのでいつもより更に楽しかったです。陽に焼けたくしゃくしゃの笑顔で、みんなで大いに盛り上がります。そして、一昨年までのチビッコクラスでライバルだったチームとは、それぞれのクラスで上位になった方にお酒を1本賭けてました。めでたくワイン1本ゲット!!わーい。本当に楽しいレースでした!!


HMYC集合写真です

葉山マリーナヨットクラブからは14艇が参加!チーム葉山のこのバカ笑いったら。こんな笑顔、ヨットやっていなかったらそうそうできないかも。楽しい仲間と、レースをオーガナイズしてくれたZMYCの皆さんに感謝です。ありがとうございました。

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