「8月だョ全員集合!オープンヨットレース&パーティー」

これ、ホビ号です。白いセール引っ張り出しました~。photos by U子りん

今週末はクラブイベントでした。
題して「8月だョ全員集合!オープンヨットレース」。参加艇は、ダクロンセール限定です。
HMYCは普段からクラブレースがとっても盛り上がっています。盛り上がっているのですが、あまりに盛り上がりすぎて、もう少しユル目にレースを楽しみたいとか、古い船や小さい船、レース仕様の艤装やセールがない船でも気軽にレースに出てみたい、という人たちにとっては敷居を高くしてしまっている感もあります。

そういう声を汲み上げて、成熟したヨットクラブとして色々な人が楽しめるバランスの取れた活動をすべく企画されたのがこのコレ。2010年には「4月だョ…」と銘打って大いに盛り上がったのですが、今年は震災直後だったため開催できず、「8月だョ・・・」としてレースとパーティーを合体させて肝入りで開催です。

ホビ号は、今回実行委員会からの依頼で、ダクロンセールを引っ張り出して出動です~。当初のプランとしては、コモドアズカップで盛り上がったレディースチームで参戦してレースを盛り上げよう~!なんて話もあったのですが、陸上部隊も人手不足ゆえ、ALL LADIESでは調整つかず。よって、ホビメンバーの3名で船を出し、同じマリーナでフィッシングボート中心に活動しているブルーアンカークラブの方にヨットレースを体験してもらおう~!という企画にプラン変更。

天気予報は雨マークで、ひょろひょろ風とのことでしたが、何とか雨は免れて、涼しい北東の順風でなんとも丁度良いコンディションです。ホビのセールはちょっと錆の色がついてしまいなんか黄ばんでますが、、、 一応、ちゃんとダクロンセールです。
参加艇は17艇。大小様々なクルージングボートが集まって、なかなか楽しげです!180度、4マイル先までちょっくらピクニックしてきます~。


いつもとはちょっと違う顔ぶれでのレースです。


こんなおフネもいるのです。同型艇2艇、絵になってました。

今回のホビはあくまでも脇役です。レーティングはうんと厳しくしてもらってるので?、修正は期待できませんが、水先案内人も兼ねているので、何としてもファーストホームしないといけません。マーク間違えたりしたらシャレになりません。

風軸40度くらい。スタート20秒前くらいにジャイブして、おとなしめにポートスタート。スピンをアップし、しばらくしたら、頭を出しました。うーん、いい景色。普段はこんなことないですから。マークを探すとか慣れてないし。たまにはいいものです。岸側に同型艇チャーボイ。あちらも今回はホワイトセールを上げてゲストデーな感じです。

マーク、無事見つけました。ホッ。ポートのクォーターリー1本でジャイブなしの一直線でした。トップ回航、気分いいわぁ。ポートで暫く走り岸に寄せてから、スタボに返します。ここからは、ブルーアンカークラブ会長ハルオさんにもハイクアウト体験してもらいます~。男2人、ハイクアウト。女2人、ヘルムとメインでドライブ系。なんか、こういうの楽しい~。そこそこの風の中、ショートハンドでやるっていうのも楽しい~。前から後ろまで行ったり来たり、段取り考えて、3人でドタバタ駆けずり回りました。


ショートハンド、楽しいですね!ワーワーと大騒ぎしながらセーリング。

帰りは、チャーボイとファーストホーム狙いの一騎打ちになりました。ホビは気持ちオーバーセールしてしまったので最後ハラハラだったけど、無事ファーストホームできました。
んー、ファーストホームなんて、宝くじ当たって速いフネに買い換えない限り一生ないだろなー、きっと。無事おつとめを果たせて、ハルオさんも喜んでくれて良かったです~。フィニッシュ後、ハルオさんが大事にしている(たぶんかなり高価な)釣竿をポチャンと海に落としてしまったことを除けば・・・


みなさんスバラシイ笑顔!

風に恵まれたおかげで最小21ftまで順調にフィニッシュしたので、誰が勝つのか全く見当つかなかったのですが、優勝は、アルファードさんでした!おめでとうございます。ホビも無事ファーストホーム賞をゲット。成績は、、、まぁどうでもいいんです。あ、言い訳ですごめんなさい。本当はもっとすごく速く走らないといけなかったみたいです。ワハハ。

パーティーはこれまた素晴らしかったです。ドリンクバーがオープンし、外のスペースも広く取って生ビールをぐいぐい飲んで、ワイワイと歓談。普段あまり交わりのない船の方々ともたくさんお話しできて楽しかったです。

後半は、タヒチアンダンスと、最後にはいやホント、かなりセクシーなベリーダンスショーまで、(主にダンシ&おじさま方が)大いに楽しんで終了しました。


大好評!ベリーダンスショー!


あのー。おかしいいんですけど。前列の人たち。

クラブのイベントとしては、本当に大成功でしたね。みなさんお疲れ様&どうもありがとうございました!


本日のメンバー=4名
メイン:ろって
ヘルム:わたし
あと残り全部:Hさん
スペシャルゲスト:BACハルオさん!

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第1回ミッドサマーレガッタ

ビール飲みながらピクニックの予定が、雨。photos by U子りん

夏休み9連休の最終日は新設の第1回ミッドサマーレガッタです。久々にスポンサーなしのプレーンなレース。ちょっとお気楽な小網代ブイ行って来いだし、太陽のもと真夏のピクニックレース~!のつもりで集まりましたが…。何なんですか、この寒さ。しかも雨とか降っちゃって意味わかんないんですけど。
そして、ひょろひょろ風の予報だったのに、スタート海面は結構吹いてます。風軸30度くらいの冷たい北東の風12~14kt、ガストで18ktほど。
どんより空、時々雨。ちっともピクニックぽくない! 残念


本部艇は新艇アド号!マストは…、間に合わなかったそうです(^^)

7マイル先の小網代ブイまではポートのスピンです。ラインはコースに対してやや本部艇側が低く有利。でもポートアプローチもナンなので、アウター側からスタボで流し、ジャイブ&スピンアップのスタート決まりました。運よく周りのフネも同じ考えだったのでほぼ同時に一斉ジャイブしての良いスタートでした。◎。そのまましばしリーディングフリートの一角で進みます。気分イイわ~。

しかーし、今日は小型艇が少なく、本日ホビ小さい方から3番目。よって、すぐに艇団に飲み込まれます。


長者沖くらいまでは、丁度良いクォーターリーだったけど、そのうち時々横っちょから40度くらいのガストが入るようになります。オットットとなりますが、何とかコースキープで走ります。大型艇は徐々にリードを広げていき、ホビは中盤に踏みとどまっています。これまでのところ順調。

暫く行くと、案の定逗子湾ブローが途絶え、ヘロって来ました。ああ風もここまでかなーと思ったけど、そうでもなく。その後、風が少し後ろに回り、落とすのが厳しくなってきました。こんなことならもっと楽にランで走っておけばよかったのですが、今となってはしょーがない。

そんなこともあり、少々亀城に寄り過ぎました
途中、ロック…という程でもないけれど、キールにトン!と軽い衝撃を感じて縮み上がりました。真横に亀城灯台。ひゃあ、確かに今日はちょっと近すぎました。毛根から脂汗が出ます。ドカーンとやらなくてよかった。ホビよりもやや内側を通ったと思われる前の2艇は何事もなかったようです。いつも通ってるからと言って油断大敵。反省。
(上架時にキールを確認しましたが問題ナシでした。ふー。)

最後、デッドになってしまい、ブームを押さえてムリ帆しながら、何とか小網代ブイ回航。前とはそれほど離れていないので、後半勝負です~。


程なくして返し、スタボロングで葉山へ向かいます。風はまたガガガガーと重い北東がきっちり入るようになりました。丁度ジェノアMAX~ちょい逃がしな感じで、一番ウェザーがきつい風域。メイントリマとの息がキモです。波悪し。フルパワーで走りたいけど、時々メインで逃がしきれずラフして抜くという、ちょうどそんな境界線を行ったり来たり。難しかったです。あれこれ感じたり考えたりしながらどっぷりセーリングの世界に浸かりました。

途中、一度岸に寄せます。20度から45度くらいの振れ幅の中、Hさんがうまくシフトを使うコースを引いてくれました。ぐいぐいアングルを稼いだおかげで、先行していた同サイズのフネを最後のミートでひっくり返すことができました。

雨は残念だったけど、イイ風のおかげで2時間ちょっとの早いレース展開。結果は、16艇中着順10位、修正7位。まずまずですかね。ホビみたいなチームで、これより更に上に行くのは相当頑張らないと難しいです。でも葉山の百戦錬磨の皆さんの胸を借りて少しずつ良くなってきているので、その過程も楽しもうと思います。本日、頼れるメンバー8名。サイコーに楽しかったです。ありがとうございました~。
これからも、楽しくガンバリマス!

第1回ミッドサマーレガッタ リザルトはこちら


本日のメンバー:8名
バゥ=フェロ本委員長
マスト=風呂井戸先生
ピット=リゲ子
ヘッドセイル=T田さん、S木さん
メイン=ろって画伯→絵日記あります
ヘルム=わたし
背後からの統括=Hさん
DNC=ハッティー

 
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大島巡航&トウキョウズカップ2011

熱低と雨雲を追い払って大島へ!

ホビ号恒例、夏の慰安旅行トウキョウズカップBコースに今年も参加しました。
慰安旅行であるからして、メインは大島へのクルージングとプール付きの定宿での滞在です。レースは、短いのをチョロっと、ね。

8月5日(金)大島へ
朝7時にマリーナ集合!金曜日です。そうです。平日です
7:45葉山をドックアウト。前日に小笠原近海に突如発生した熱帯低気圧にはビビりましたが、みんなの念力で消滅!そして雨の予報なのに何故か青空です。背後はグレーの雨雲なんだけど、大島方面はキラキラの夏空です。早速オーパイ君を190度にセットし、「夏休みにカンパーイ!」

去年は大時化の中の回航でした。大波の中、真のぼりで機走もできず、ストームジブ揚げて航海訓練みたいな回航でした。今年は夏空です。音楽かけて飲んだり食べたり昼寝したりしながら、昼過ぎには大島へとっつき、14時には波浮へ到着。途中、雨雲とニアミスして一瞬パラっと来たことはあったけど、まるでファスナー開くみたいにホビ号の行く手はみるみる晴れて青空になって、通り過ぎたあとはまたファスナー閉じて雨、、、みたいな。念力すごいぞ。


今年もシークリフにお世話になります。プールサイドにテーブルをセットして、キンキンのビールにワインです。近所で買ったアジ、カツオ、いわしのお刺身と、もちろんくさやも。プールにドボン!してから宴会開始です。


くさや、くっさーーー。でも赤ワインと抜群に合うのです。夕方までまったりして、お風呂の後、夕寝。初日はサイコーに楽しく終えました。

8月6日(土)トウキョウズカップBコース参加
翌、土曜日はレースです。レースと言ってもホビが参加するのはBコース。岡田~波浮まで11マイルのショート・パッセージレースです。そして、いろいろ起こります。
まず、スタート時刻10:30だと思っていたら、10:00の間違いでした~。スミマセン!どうりで誰もいないはずです。急いでドックアウトすべく、キャビンに入って艤装品の入ったカゴを変な体勢で引っ張り出そうとしたその時。クキっと。腰に電気が走り。あぁああぁ~、まずい~、と体を起こして足に体重乗せたら、腰に、、、千枚通しが、、、刺さってて、、、無理。
本日のわたしのポジション決定。口ヨット。

何故か腰痛持ちが多いホビ号なので、コルセットを借りることができました。スタート海面までの1時間はキャビンの中で動けず寝たきり。乗員チェックまでになんとかライジャケを付けてコンパニオンウェイから顔を出し、チェックイン完了。直前にポジション変更することになってしまいました。すんまそん。

毎年の事ですが、島の周り全体を支配するのは西~南西の風です。でも岸付近は激しく風が乱れていて、岡田付近では西からダウンバーストみたいなのが降りて来たり、ベンドした風が北から吹いて来たり。メチャクチャです。これも去年と一緒。ホビは迷わず沖出しのプランです。ラインは岸が有利ですが、ホビはアウター側からほぼジャストで出ます。

スタート直後は全体的に風が入っていましたが、そのうち岸から止まり始めます。沖は、良いで。スピンを揚げ、ブローラインに乗って高速道路ぐんぐん走ります。
そして、まぁお約束なのですが、その風も徐々に消えてきます。三原山を下ってくる風と南寄りの風がケンカするポイントに差し掛かり、全体的にひょろひょろ風になり、スピンダウン。

そうこうしているうちにまた岸艇団が走り始めました。こうやって抜きつ抜かれつやっているうちにドーンと南西が届くようになり、沖から走り始める… 予定だったんだけど… あり?いつまで経っても風来ません。岸艇団もほんの少しの場所の違いで止まっているところと走っているところがあり、なんだか2~3艇だけ抜け出してとっとと行ってしまった感じです。むぅ。

島ブランケから抜けて、ようやく走り始めた頃には先頭は豆粒みたいになっていました。
豆ってるよ~。取り残された岸艇団にも同時に風が入ったので、この時点で一番遠くにいるホビはビリっぽい。 その後、風がどんどん上がり、上り一杯になったので、上れないクルージングボートが脱落していき、ようやく中盤まで這い上がってきました。後ろに居るのは白いセールばっかりだけど。

フィニッシュラインはびっくりする位置にありました。今年からフィニッシュラインが筆島沖から波浮の湾口に変わったのですが、砕けた波が5メートルくらい跳ね上がる断崖絶壁の岩場のすぐ手前に本部船を発見。 SI見ると、本部船は「竜王と湾口の白灯台の見通し線」ということになっているので、Bコースのフィニッシュは断崖に向かってのこういう過激な位置になってしまうようです。
スピンランだったら恐ろしいですが、幸い上りだったので、フィニッシュライン切ったら即タック、即ジブダウン&エンジンスタートの段取りを確認し、フィニッシュ。ふー。

結果は、何とかビリだけは免れて、13艇中8位。あーよかったビリじゃなくて。トウキョウズカップBコース侮れません。ハンパない~。でも青空に入道雲、緑の大島でのレース、最高に楽しかったです!!来年も絶対参加!!運営のみなさん、どうもありがとうございました!!




早めにレース終わったので、またプールサイドでのんびりタイムです。とにかくこういう時間がたっぷりあるのがトウキョウズカップBコースの魅力です
夕刻より、波浮港で交流会&表彰式。Aコースも続々入港し、色々な人と再会しワイワイ楽しい夜。今年は全クラス合わせて久々に50艇の大台に乗ったようで、賑やかでした。


定宿シークリフにて。今年も楽しかったです~。

8月7日(日)葉山へクルージング
たっぷり寝て、翌日はのんびりと葉山へ戻ります。天気良く、風も弱めでマイルドなコンディションです。帰りもすっかりオーパイ君のお世話になり、例によって、飲んだり食べたり寝たり喋ったりまた飲んだり。15:00過ぎ、葉山へ到着。順調なクルージングでした。

腰を痛めたのは不覚だったけど、今年も楽しい旅でした。
良く飲み、良く食べ、良く遊び、良く喋り、そしてなんといっても良く寝た3日間でした。


ありがと大島~。今年も楽しかったよ~。

旅のメンバー:
ろって画伯(絵日記、あります)、ヨシオ、総長、S木さん、糸りん、みぉぅちゃん、のどごし先生、わたし

 
 
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大混戦40時間。第52回パールレース

40時間21分06秒でフィニッシュです。
photo by U子りん。すごい時間にありがとー

元気にパールレースから帰ってきました!
昨年の灼熱地獄の漂流48時間に比べれば楽だったのですが、結果的に40時間の厳しいレースとなりました。そして風はおおむね予報どおりの風向から吹きましたが、ラルを小出しにされ、艇団がばらけたと思ったらまたカームで大集合、ようやく抜け出して頭を出したと思ったらまたピットストップで追いつかれ仕切り直し、脱落した~と思ったら結局艇団の中に戻ったり、最後は真夜中の雷とゲリラ豪雨でぐしゃぐしゃになりながら、最後まで自艇のポジションをよく把握できないままのフィニッシュとなりました。

◎ドキドキの布施田通過
7月29日(金)Gaiaは8名のメンバーでドックアウト。ダブルハンドクラスのスタート後、IRC,ORCの45艇が一斉にスタートしました。スタボーで7.2マイル先の最初のウェイポイントへ向かいます。


今年は、神の島の沖を通る必要がなくなり、布施田水道以外は制限ナシです。布施田の南側を通るのが最短なのですが、ローカルナレッジ乏しく、事前準備がホントに大変でした。夜なべしていくつかのルートと通過の角度をA4サイズにプロットしておき、ハンディーに入力しておいた岩の位置、避険線と、手描きのルート図とにらめっこしながらの通過です。


夜なべ仕事で作ったルート図です。時間なくて手書き。状況に応じてA~Dまで。ドキドキでした。

岸に寄せられる潮が強くヘディングをかなり沖に向けながら、すぐ傍でシャバシャバしている岩場にビビりながら、予定通り最短AルートをCOG106度で通過。
ふーーーー。これで、ナビ担当の仕事、半分終えた感じです。まだスタートしたばっかだけど。ビビリーなわたしにとってはかなりのプレッシャーでした。艇団もばらけはじめ、いい位置につけることができました。

◎序盤は順調な滑り出し
次は利島まで87度125マイルの果てしなく長いレグです。風弱くあまり落とせないので、87度には向けられないけど、ジェネカーで快調に飛ばします。大型艇の何艇かがのぼり気味に沖に出していきます。岸にも数艇が先行。Gaiaはスピード重視でラムラインの沖側を進みます。

先行艇団がジャイブして中に寄せてきました。Gaiaは、かなり離した同クラスの後ろの艇団をユル目にカバーしながら進みます。ジャイブのタイミングをうかがっていたところ、後ろから先に返してきたので、ラムラインから5~6マイル離れたところでジャイブ。まずここが第1の分かれ道でした。でも同クラスの艇団からかなりリードしていたGaiaにとっては序盤で大きな博打を打つ理由はナシ、でした。

さて。今回のGaiaはまたまたフルーツ三昧です。プラムは逗子のスズキヤで11パック買い占めて持参。計算によると、3時間に1コ食べていいらしい。他にも定番のバナナ、オレンジ、りんごまで。キャビンの中は甘~い香りでトロピカルムード満点です。

18:00のロールコールの頃には順調に豊橋の経度線あたりまで来ました。風は西。晴れてはいたけれど、ぼんやりかすんでいて視界がよくありません。周りのフネも数艇しか視認できなくなっていたけど、例年に比べても順調と言える滑り出しです。



夜になりました。岸からかなり離れているので灯台は確認できません。大潮の新月です。空は、鳥肌が立つくらいのたくさんの星と、南の水平線まで続く天の川。静かな夜。完全に日常から解放された夜。こういうの、好き。東京で普通に暮らしていたらなかなかないので。

◎そしてカーム・・・。
トントン拍子に行かないのがロングレースの常です。風がぱったりとやみました。ブームが頭の上を行ったり来たりして、メインがバッサバッサと落ち着きなくはためきます。ヘディングを利島へ向けてじっと耐えるしかありません。何もやることがないので、ベビースターラーメンとか、茎わかめとか食べます。ウマーッ!そして、もう全クラスぐちゃぐちゃに集まってきてしまいました。


風、なーい。

日付の変わる0:00のロールコールは御前崎の沖。一時、安定した西の風がしっかり吹き始めたと思ったら、夜中にまたラルにはまりました。そして、長いこと漂う羽目になりました。今年は順調な滑り出しと思っていたけれど、ここへ来てブレーキです。そしてせっかくのリードも空しく後ろの艇団にキャッチアップされます。まぁ、ロングですから。こんなのもよくあることです。とにかく色々な風が吹いたりまた止んだりで一晩中一喜一憂しました。

◎今年も利島は遠かった・・・。
翌朝になってもまだ風吹かず、悪いことにだんだん前に回ってきて、北東の風になってしまいました。予報どおりの傾向とはいえ、ちょっと早すぎです。


昼になってようやく少しずつ走りはじめ、艇団もばらけはじめます。Gaiaも抜け出しました。今まではかっ飛びジェネカーでの利島アプローチが常だったのに、今年は上りになってしまいました。

伊豆半島の先っぽ目指して突っ込んで、一度沖に出します。風が徐々に右に振れて行き、艇団の右に位置していたGaiaは沖からの大外狩りでゲインしたつもりだったけど、利島に近づくにつれ、潮が強く、アングルが全くとれなくなります。何度タックしてもスタボでは石廊崎、ポートでは新島を向いてしまいます。結局北に振れ戻ったこともあり、また岸から後ろの艇団にウジャウジャ追いつかれてしまいました。最終レグを前に、またもや艇団の中に逆戻りです。ガーン。


利島が遠い…(T_T)


そして次なる心配事は、暗くなる前に利島を廻れるかどうかです。利島側は寄れるとは言え、鵜渡根は灯台が無く単独の洗岩もあるので、暗闇の中、アップウィンドで抜けるのはちょっとキンチョーします。19:00過ぎ、幸いまだ明るいうちにポート1本でちょうど利島と鵜渡根の間を通過することができまた。セイルチェンジのショートタックを2本入れ、利島の東側に出ます。125マイル利島レグがようやく終わりました。ホント、利島は遠かった。。。そして今年も2度目のナイトに突入です。

◎またまたカーム、ついでにゲリラ豪雨
艇団の中に埋もれたままのGaiaです。風はかなり不安定で、振れ幅は20度から一時は100度くらいまで振れて、江の島までジェネカーで一直線に爆走するする淡い期待を膨らませたりしたけれど、結局、やっぱり真上り。そしてまた風は頼りなくなり、カームに捕まってしまいました。 ピットストップ何回目だろう~。

川のせせらぎのような音が聞こえてきました。何だろ?と思ったら元町沖で川のように流れている潮に乗っていました。風は殆ど吹いてないけれど、SOGは1.5kt以上出ています。
その後だらだらと暫く流されたのち、しっかりした北東風が入ってきました。稲光があちこちで光りはじめます。ピカっとなった瞬間に、まわりの船が一瞬浮かび上がり、位置関係がわかります。かなりのダンゴで、ある意味、ここからが勝負。艇団のどの位置に自艇を置くかも重要です。

そして、深夜にものすごい雷雨になりました。罰ゲームか何かでしょうか?寒くて眠くてみんな憔悴しきっていたけど、バウマンより「ジョシ2人中に入っていいよ」との優しいお言葉。わたしはすっかりグロッキーだったので、しばしダウンビローさせて頂きました。ううう。ありがとうございました。

◎最終レグで猛チャージ
弱い風の中、何度か戦略的なタックを敢行。そして、一段強い風が入りはじめました。ほんの少し離れた場所の艇にその風は入らず、ここで最後の最後にようやく艇団から抜け出します。あとは20度の江の島へ向かってスタボ一直線。ぐいぐい走ります。3艇横並びな感じです。中盤のゴチャゴチャの艇団の中で風の吹き出しを真っ先に掴んだ3艇です。ここまで色々あったけれど、最後に何とか帳尻を合わせた感じでよかったです。どこの艇かはわからないけど、昨晩から近くを走っていた明るいLEDのバウライトが沖側、パフが入るとスッと前に出るからおそらく大型艇であろう赤が岸側。2艇の間をGaiaが進みます。

白10秒の江の島灯台が見えてきました。今年のフィニッシュはかなり奥で、ハーバーの入口付近まで網をかわしながら入っていかないといけません。突堤の白灯台のISOのグリーン4秒は確認できたけれど、バックに広がる海沿いの街灯りと重なってしまい、本部艇のライトもアウターのライトもまったくわかりません。とにかく本当に直前までフィニッシュラインがわからなかったので、最後の最後までソワソワしてしまいました。

辺りがうっすら白み始めた午前4時31分06秒、無事フィニッシュ。40時間半の長いレースでした。

帰着申告へ行く途中、先にフィニッシュした艇をチェックします。同クラスでは、すでにドックアウトしていったチームと、他にもう1艇いたけど、レーティングが近いライバル艇はまだ見当たらないので、着順は3位。これは修正でも3位の可能性があるかも?と言っていた矢先、フェロちゃんがフィニッシュ。夕べからずっと近くにいて、最後もGaiaのすぐ沖側を走っていたのはフェロちゃんだったんですねー。これで3位の線は消えました。

結果は、IRC-Bクラス4位(12艇中)、IRC総合11位(43艇中)でした。
不安定な気圧配置に翻弄されっぱなしの2日間でした。風が吹き出した時にどこにいたかによって、頭を出す艇団が毎回違い、引っ込んだり飛び出したり。難しかったですねー。実力はもちろん、執念と、そして運も味方につけないと勝てないレースだったと思います。IRC総合優勝は、トランスパック帰りのベンガルチームが乗り込むHORIZONでした。流石の走りです。おめでとうございます!!

今回のG号のメンバーはみんなそれぞれの持ち場で素晴らしい働きをして、見習うこと・勉強になることが盛りだくさんでした。特にN野さん。艇団に対してどのようなポジションを取るのかなど、フリートレースの考え方も長丁場のレースでもとても重要で、戦略的なポジショニングのあと、小さなチャンスで前へ前へ出て行く走りや、ラルの間、メインは暴れるし舵は効かないしで、ヘディングを保持するのも難儀する中、集中力を切らさずわずかな艇速でもフネを前に進め続けたことで生まれた差、など。こういうセーリングセンス、本当に大切ですね。勉強させてもらいました。これは、凡人がちょっとやったくらいじゃダメだけど。

HMYCからは6艇が参加。うち1艇は残念ながら出走できませんでしたが、準備、回航、レース、みなさん本当にお疲れ様でした。パールレースは、大変だけど、終わってみるとやっぱりすごいレースで、何度でも出たいと思ってしまうレースです。いつも大した働きもできないへっぽこなナビ担ですが、参加させて頂いたGaiaの皆さんに感謝。
そして白状します。ロールコールの時、茎わかめコソ食いしましたごめんなさい。


おつかれビールが内臓に染み入ります。。。

うーん、あんなに早くフィニッシュしたかったのに、終わってしまうと、ちょっとサビシイですね。

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