ガテン系セーリング!第3回小田切杯

雨でした~。 photo by U子りん

前回の強風レースで吹っ飛んだり千切れたり壊れたりしたところもレースの合間になんとか修理完了。今週はクラブレース「小田切杯」です。そして天気は雨。今までチャラチャラしてた梅雨前線もやっとこさ本気を出したようで、雨粒も一生懸命降ってます。

参加艇は26艇、モデラートクラスも合わせると総勢34艇と賑やかです。HMYCのクラブレースは当日エントリーなのに、自分もそうだけど、どうやらお天気と参加艇数には相関関係はないようです。そして予報では雨ベタとか不吉なことを言っていましたが、スタートエリアに行ってみると、そこそこイイ風が吹いています。ヤッホゥ!取りあえず雨ベタは免れましたー。

北~北東の風、烏帽子岩まではスタボーの横っ走りです。大型艇巨大ジェネカーのブランケだけは避けたいので、できるだけ上寄りでスタートしたいところです。なんとか隙間を見つけて滑り込み、まずまずの位置でスタートします。イメージ的には、即ジェネカーアップして、ジャーっと走り出す…、予定でしたが、ハリヤードがあがりきらず、ちょっとモタモタしてしまいました。

AWAはやや前で、スピンでは厳しくジェネカーでギリギリの角度です。10kt程の順風、パツパツのタイトリーチだったのでウェザーがかーなりきつく、なんだかセーリングというよりは、重機を操縦する肉体労働者のような感じです。ブローが入るとおっとっと!となるので必死です。気温が高くムシムシなので、カッパの中は、早くもスチームサウナみたいになってます。痩せるかも~!

本日、クルーメガ盛りの9名です!ブローが入るとスーパーハイクアウトでガッツリ起こしてくれるので、江の島まで大きいフネをまくりながらグイグイ走ります。

烏帽子岩が見えてきました。いつもは江の島に差し掛かる頃に風が怪しくなり、ピットストップが常だけど、今日は風がそこそこあったおかげで江の島のブランケもさほど影響なく早い展開です。江の島を境に風軸が真北になってきたので、ジェネカーおろします。ジェネカー貯金ができたので前半はまずまずでした。5~6艇と絡みながら烏帽子岩をクロックワイズで回航。

帰りは、フィニッシュへ向けるととアビームからクローズちょい落とし位の角度です。ジェネカーは無理なのでジェノアのアウターシーティングで最短を走ります。
気づくと雨があがり、風が不安定になってきました。このまま弱くなるのかもしれないので、前半のジェネカー貯金でどこまで逃げ切れるかです。そして、フィニッシュラインが見えてきた頃には、案の定風が少しおちてきました。クルーメガ盛りの<ホビーホーク>も少しずつモッチリした走りになってきて、カミへ行ったりシモへ行ったり移動が忙しくなってきました。先行していた格上のフネにはこのあたりで次々キャッチアップされます。

今日は、微妙な角度やスピードを気にかけながらのセンシティブなセーリングではなく、終始ガテン系セーリングでした。ティラーがスコップがわりです!わはは。
往復とも横っ走りだったこともあり、ほぼレーティング順にフィニッシュとなりました。ホビーは12:36に着順17位でフィニッシュ。

修正秒はかなりの接戦で、ワンアクションのミスや大網をかわしたロス、風の高速レーンに微妙に乗り損ねた差だった感じです。ピクニックレースと言えども結果的にはかなり熱い戦いでした!成績は、26艇中、第10位。あとちょっとだったけどシングルならずー。むぅ…。でも、最後まで風落ちずに気持ちよく走れて楽しかったです!

優勝は、アルページ(Dufour34E)でした。おめでとうございます!得意な風、得意なコースでポテンシャルを最大限に生かした走りで速かったです!モデラートクラスも、それなりに経験豊富な昔鳴らした方々を中心に、26ftから41ftの新艇まで様々な顔ぶれの8艇が参加。こちらも年間優勝を決めるので、勝ったー負けたーと密かに盛り上がりを見せています

パーティーでわいわい盛り上がっている最中、ふと空を見上げると、朝の雨がウソのような青空が広がっていました。思わず梅雨明け宣言!したくなるような空でした。夏はもうすぐそこですねー。


夏はもうすぐそこッ!

第3回小田切杯 リザルトはこちら

本日のメンバー:9人
バゥ=Teruさん
マスト=風呂井戸先生
ピット=チ・ャオさん
ヘッドセイル=M居さん
フローター=S原さん、S木さん
メイン=ろってん
ヘルム=わたし
背後からの統括=Hさん
 
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強風!第2回 SHUGYOKU CUP

お誕生日おめでとー!

関東地方が梅雨入りしてから最初の週末がやってきました。大島レースの翌週も、またまたクラブレースです。ちょっと息切れ気味だけど、このまま一気に夏まで駆け抜けたいと思います!今週は「SHUGYOKU CUP」で北のド強風に吹き倒されてきました!

梅雨入りしたとは思えないサワヤカな朝です。この時期には珍しく朝から北風がしっかり入っているので、涼しくてカラっとした空気です。思わずスキップしそうになります。
レース海面に到着すると、あり?予報よりかなり吹いているんですけど。一面白波だらけです。No.3積んできてよかったー。
本日のメンバー7名。うちジョシ3名。この風ではちょっとウエイトもアンダーで、いつものトリマーとタクティシャンが不在なので、変則ポジションです。背後からの統括がいないので、後ろの方が心許なく、若干スースーする感じ。

第1レース、ガストで20ノット程。ヘッドセイルを上げるとき、ラフをちょっと破いてしまい、応急処置をしながらスターティング・マニューバに入ります。間に合わなければ最悪このままスタートになることも覚悟してラインに張り付きます。無事ジブあがり戦闘モードに入ったのはスタート2分前だったけれど、なんとかロスなくスタートできました。

 うーん、吹きあがってきたようだけど、きっと気のせいです。風速25ノットとか表示されるのも、きっと目の錯覚です。少なめのタックでカミマークにアプローチし、スピンは落ち着いてからアップ。上がった瞬間にバーンとはらんで、爆走開始です!心臓がキュンとなります。

スパンク速ーっ。 波のない強風、水面を切り裂きながら、波柱を垂直にあげて異次元スピードで飛んで行ってしまいました。ホビも、度胸一発ジャイブがなんとか決まり、下マークまでのアクションは余裕を持って早番にしようね~と言っていた矢先、2人前に行ったらバウ沈やってしまいました大ブローチング!下マーク直前で切れ上がってしまったので、最後落としきれなくなり、ブームを押さえながらムリ帆でなんとか回航。ひゃー!毛根から脂汗が噴出します。

次のダウンウィンドでも勢いで懲りずにスピンを上げました。喉カラカラ、野生ジャイブ未遂を起こしながらも頑張って完走。長いこと横倒しになっていたのが響き、着順15位、修正13位。

続く第2レース。スタート直後、風速29ノットの数字が見えたと思ったら、その後表示がおかしくなりました。マストトップを見上げると、風速計ユニットが吹っ飛んでぶらんぶらんになっていました。青くなります。 どうか、最後まで落っこちませんように! そして次は、大きな破断音でギョっとします。ジブハリの外皮が切れて滑ったようで、ずりずり落っこちてきました。

あぁ、本日、もう色々なものを壊しすぎました…。トホホです。しかも、こんなに吹くとは思わなかったので、フラクショナルのスピンを積んできませんでした。デカスピンしかありません。慣れないポジションでやっていることもあり、2レース目は「スピン、やめときますかね」ということに相成りました。ショボーン。ま、仕方ないです。

スピンを上げないダウンウインドはなんて平和なんだろー!脂汗も出ないし、脈拍も静穏だし、天気もサイコー! 一気にピクニックモードになって、気持ちよくレースを完走。このレースは着順14位、修正13位でした。
本日の総合成績は21艇中、14位。不完全燃焼だけど、シリアストラブルではなかったのでヨシとします。

優勝は、強風番長ガイアでした!おめでとうございます! 上位の顔ぶれは盤石のチームばかり。ホビもこの環境で揉みくちゃにされながら、これからも楽しくガンバリマス!

第2回SHUGYOKU CUPリザルトはこちら

本日のメンバー:7人
バゥ=Teruさん
マスト=T田さん
ピット=みぉぅちゃん
ヘッドセイル=チ・ャオさん、風呂井戸先生
メイン=ろって
ヘルム=わたし

ビーサンネタはバルクヘッドマガジンにも連載中です。
BULKHEAD MAGAZINE「連載 ヨットレース繁盛記」

 
 
 
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第63回 大島レース

大島レース、行ってきまーす!photo by BULKHEAD MAGAZINE

今年も、伝統の大島レースに出場しました!クラブレースの合間を縫って船を整備し、OSRカテゴリー3の準備もみんなできっちりやりました。たった85マイルのワンオーバーナイトのレース、しかもここ数年は穏やかな海況ばかりだけど、昔は大島の裏で必ず吹き倒されて、ビチョビチョのケチョンケチョンで真夜中フィニッシュ、なんていうのも何度もあったレースです。搭載する安全備品のことはもちろん、セーフティーセーリング全般について総点検するいい機会になります。今日は、いつものうきうきヨットではなく、ちょっと気持ちも引き締めてドックアウト。

◆スタート後、2時間。まだ江の島すぐそこ

最初のレグは初島までの24マイルです。スタートエリアは北東~東の風10kt程。プロパーでは、ジャイブセット、ポートのスピンスタートです。混雑するピンエンドからまずまずのスタートを切ります。


photo by BULKHEAD MAGAZINE

しかーし、このあとすぐに風が怪しくなります。スタート後30分もしないうちにもたつきはじめ、昼すぎにはかなりの微風に。ふー、島回りレースに勇んで出発したのに、2時間経ってもまだ江の島。早くも長丁場を予想させる展開です。南風を先取りするためプロパーより少し南に向けて走る艇団と、岸寄り艇団に分かれますが、ホビーホークはほぼラムラインを走ります。そして南に膨らんだ艇団よりはゲインしたようです。途中からはしっかりした南東の風が入り、ようやくハイクアウトの風になりました。今回22艇中、IRCでは下から3番目のホビーホークですが、微風で大きく遅れをとることなく16:05初島回航。イルカの群れにも会えたし、序盤はまずまずの滑り出しです。

◆怪しい夕焼けの後、雨雲の下の風を捕まえる
次は初島から大島の千波へ向かう22マイル、通称大島への渡りレグです。小型艇はどんなに速く走ってもこのあたりで日没を迎えしまうので、暗くなり始めた頃には風が落ち、潮の強いエリアでのたうち回るのがお決まりのパターン。でもまあ、それが大島レースの面白さでもあります。
定石どおりに川奈へ向けて暫く南下します。ほどなくして日没を迎え、怪しーい夕焼け空が広がります。そして…風がなくなりました。あー、やっぱりな。でもこれもすべて織り込み済み? まだまだ艇団の真ん中にいるので、ここからが勝負どころです。

暗くなりました。夕焼けの上空にあった真っ黒い雲の下に差し掛かり、そのうち雨がパラパラ降ってきました。そして、雨雲の下は風もありましたっ!生き返ったようにシャバシャバ走ります。で、また一転ヨレヨレになったり、またシャバシャバしたりで、何度となくセイルチェンジを繰り返し、元町の明かりを横目にドリフト走行?で走ります。走っても走っても元町。この時間帯にうまく風を捉えた艇が少し伸ばし、前の艇団と後ろの艇団に分かれ始めました。ホビ号もかなりゲインし、何とか前の艇団にくっついてカームから抜け出すことに成功

その後、晴れて月が昇りました。大潮の白くて大きい満月です。真夜中の真っ黒な海が満月に照らされてサラサラと銀色に輝いています。60年以上前から続く大島レース。先人たちもこんな月夜の下を走ったのかな。

◆深夜の千波沖、テルテールがモジャモジャ生えてくる
長丁場のレース、なんとしても集中して船を前へ進めるため、今回ヘルムは2時間交代としました。痺れるような微風の中、失速に注意しながら神経を研ぎ澄まして走ります。テルテールライトでぼんやり浮かび上がるテルテールとジャンボとを交互に見ていると、もう、目がしんどくてしんどくて。まるで精神修行のようです。そのうち、テルテールの毛糸がセイルからモジャモジャいっぱい生えてくる幻覚を見ました。ひえぇー。一体何やってるんでしょう~、真夜中に。

午前1:03、竜王をマグ0に見て大島回航のロールコール。タックした時に近くをクロスした何艇かはあたりをつけました。レーティングでかなり上位の艇もいて、いいところを走っている感じです!
その後、また雨が降り出しました。さっきの通り雨と違い、今度の雨は長くしっかりした雨です。眠くて辛い時間帯にびしょ濡れになりチコッと凹みます。わたしは電池切れになり、オフワッチに入ったら気を失っていました。寝たとも言う


夜が明けて、ハリヤードのプチトラブルを解消。

◆夜が明けて、みんなの顔がへのへのもへじみたいになってきた
いよいよ最終レグに入り、葉山へ北上開始です。スピン上げたり下ろしたり、また上げたり。セイルチェンジももう何回やったか数え切れなくなりました。みんなかなり疲れがたまってきて、顔がへのへのもへじみたいになってきましたよ。そして、また、ぱったん、ぱったん漂い始めます。


風、なーーーーい!鏡のような水面を漂いながら、必死にスピンを拡げます。


激しく東に流される潮なので、COGがフィニッシュに向くようにヘディングを真北に向けて暫く我慢の時間帯です。東側に何艇見えてきました。そのうち、ん?なんだか走り出したように見えます。こちらは頼りない南東が吹いては消え、消えては吹くけど一向に安定しません。結局東から先に風が入ったようで、ようやく走り始めた頃には、後ろの艇団がかなり大きくなってからでした。太陽が高くなり、紫外線が徹夜明けの脳天を直撃する感じ。でも、まだいい位置に付けているので、何とか逃げ切れるよう最後のひと踏ん張りです!!

順風のスピンランで見慣れた景色が近づいてきました。最後、名島をかわすためにジャイブし、12:18無事フィニッシュ。


ふー、力全部出し切りましたー。今回は、コンディションとしてはマイルドだったはずなのに、結構きつかったです。ロングレースは団体戦。人間なので眠くもなるし、集中力だって全員が常に100%というわけにはいかないけれど、カバーしあって総合力で100%を出しきったかな。こういう感じ、久しぶりです。サワヤカな達成感に包まれてマリーナへ帰ります。

期待した成績は、IRC-Bクラスで2位。うぅ、連覇ならず。僅差でクラス優勝を逃したのはちょっと悔しいけれど、IRC総合で22艇中第4位は上出来です~。

今年の大島レースも楽しかったです!!変化に富む相模湾の地形と、複雑な潮、刻々と変化する風、最後まで何が起こるかわからないところも島廻りレースらしく、そういう魅力がギュッと濃縮されたレースでした。くたびれたけど、来年もまたきっと出ます!

第63回大島レース リザルトはこちら

大島レースのメンバー:7人
風呂井戸先生、チャオさん、Hさん、リゲ子、わたし
Specital thanks to K澤さん、I原さん

ビーサンネタはバルクヘッドマガジンにも連載中です。
BULKHEAD MAGAZINE「連載 ヨットレース繁盛記」

 
 
 
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