第26回初島ダブルハンドヨットレース2014

HMYC全員集合。今年もがんばりました!

今年も初島ダブルハンドの季節がやってきました。一年の折り返しの地点です。梅雨前線の位置がちょっとずれるたびに毎日コロコロ変わる風予報を見て、「だとしたらコースはこんな感じで、ここらへんでジャイブがあるけど、この風だったらこのやり方で…」、などと例によって毎日妄想し、色々考え、考えて考えて考えすぎて、結局何も考えないのと同じなんじゃないかということに気づき、結構スッキリと当日を迎えました。今年も相棒マッキーとプチ冒険レースにチャレンジです!

ドックアウト前、勝負ソックス(5本指)を履こうとしたら、両方とも左足を持ってきてしまったことが発覚しました。小指のところに親指は入らないので、どうしようかと若干狼狽していたところ、片方を裏返しにして履けばOKなことに気づきました!天才!今日のレースも冴えまくりかもしれません!

ホビーホークの属するDクラスは、30から39フィートまで様々なタイプの船が集まっていて、それぞれコンディションによって得手不得手があります。サイズでは最小ながらトップレーティングのホビーホークは、とにかくロケットスタートを決めてスピンランでどれだけ逃げ切れるかがカギになりそうです。

スタート海面は北東の風が6ノットほどで、小雨が降ったり止んだり。初島までのコース240度に対してほぼ真ランの風なのでスターボードのスピンスタートになりそうです。


スタートはいいポジションでジャストで出ることができました!落ち着いてスピンアップ。華麗にパッと開いてロケットスタート!の予定でしたが、ここでいきなり提灯。ガーン!このスピンは使う予定がなかったため前日ちゃんとリパックしておかなかったのが原因です。自業自得…。
ハリヤードを半分下ろし、ツイストドーナツみたいになったスピンのねじれを直し、またハリヤードを上げて、なーんてやっているうちにいいスタートの貯金はパァ。ロケットスタートとは程遠く、ごちゃごちゃの艇団に埋もれての走り出しとなってしまいました。そして、またしても序盤から同クラスの先行艇を追う展開になってしまいました。

しばらく走ると先行艇が早くもジャイブ。雨雲の下に差し掛かると、こちらにも大きく後ろに振れる風が入ったので、これに合わせてジャイブします。今回は風が弱かったので、常連チームから教えてもらった「ホイホイジャイブ」で行くことにします。メインを真ん中まで引き込んで固定し、股にティラー、両手にガイとシートを持ち、真ランをキープしながらクルーがポールを返します。ホイホイジャイブは楽々成功しました!

その後も雨雲の下のパッチで東に振れ、落ち着くと北東に振れ戻るというパターンが続き、振れに合わせてジャイブ4回! 少しずつ挽回して順位をあげていきます。実は最後の1回のジャイブは12~3ノットの中だったので、ちょっと危なっかしかったです。
 メインを中央に引き込んでも、どちらかに微妙に風がはらむと足に挟んだティラーが重くなり、わたしの鈍りきった内転筋では真ランをキープするのが厳しく…。もうちょっとでポールを担いだマッキーがタコ踊りしそうになっていました。教訓!ホイホイジャイブは風速10ノットまで。それ以上ではメインを先に返します。

初島がぼんやり見えてきました。同クラスの艇は、かなり前方にトップ艇〈BASIC〉(SEAM31)、真横にいた〈Hayate〉(SEAM31)とは逆タックで走ります。ここで離されるわけにはいかないので、2艇の動きを見ながら初島のアプローチを考えました。
この直後、真っ黒な低い雲の下に差し掛かり、16~18ノットの風に突入。一気に加速しアゲアゲのスピンランで悦に入っていたところ、突然バイザリーの強烈なガストが入り、アンヒールしたまま一気にプレーニング!ヒャー!
なんとかコントロールしようと踏ん張りますが、ローリングが収まらずそのまま大きくアンヒール沈。ブームが上から降ってきてドッカーン! あわわわ、人生初、チャイニーズジャイブからの大ブローチング。やってしまいましたー。

すぐにマッキーの無事を確認。完全に横倒しだったので、ラダーはノーコン、膝まで水に浸かりながら、どこも壊れませんように…と祈りながらしばらく横倒しになっていました。まわりのフネには思いっきりキールを披露してしまったかも。
すごーく長い時間に感じたけれど、ようやくフネが起きあがりはじめ、殺人的な勢いで戻ってくるブームを首を引っ込めてやりすごし、落ち着いて呼吸を整えます。
 スピンがフォアステイに絡み付いていたので、まずはスピンドロップ。マッキーが格闘してくれて無事回収できました。大きな破損はなく、スピンポールのブライダルが切れただけで済みました。

今日のコンディションでまさかチャイニーズジャイブするなんて夢にも思いませんでした。周囲にいた何艇かも同じ突風でブローチングしたようですが、結局、強烈なガストは後にも先にもこれ1回きりでした。
しばらく丸坊主のまま、慌てずに前を片づけたあとジブあげて走り出します。でも、こともあろうに今度は風がおちてしまいました。後続のスピン艇にジャージャー抜かれ、同クラストップ艇〈BASIC〉は遥か前に見えなくなってしまいました。

あとになって考えればブライダルを修理してもう一度スピンをあげるという選択肢もあったんだろうけど、さっきの大ブローチングが強烈すぎて、おき上ってからもしばらく膝がブルブルしていたわたしはそこまで考えが及ばず。後ろのフリートに飲み込まれながら、11時40分に初島回航。
だいぶやられてしまったけれど、復路は上りなので、コース取りによってはまだまだ挽回のチャンスがありそうです。あきらめずにセーリングに集中です。

 3位入賞という目標は「クラスの中で半分より前に入ること」に下方修正し、まずは目の前の〈Zephyr〉(COMET375)をキャッチアップすべく追いかけます!初島回航後、ひとまずタックしてラムライン付近まで上ります。これが良かったようで、東に伸ばした艇団に少しゲインできました。この先は点在する雨雲の下に大きな振れを伴うパフがありそうなので、うまく掴んで頭を出して行きたいところです。風速は4ノットから8ノットくらいで息をしている感じ。一本の長いポートタックでじわじわとリフトを得てイイ感じ。

 中盤で少しずつ東に振れて行くエリアに入ります。ポートロングなのでいつスターボードに返すか迷います。あと10度落とされたらタックすると決めて、粘って粘って返したら、その後50度くらいのリフトをもらい一時はヘディングがほぼフィニッシュに向きました。
 近くにいたフリートの中で一気に前に出て、やったー!と思っていたけれど、なんのことはない、やっぱり局地的な振れだったのでまた戻ってしまい、その後風の弱いエリアに入ってしまったり、また俄然走り出したり、潮目を通過したら逆潮になってしまったりと、目まぐるしい展開。

 マイナスアングルを走らないように、ターゲットスピードを下回らないように、トリムもひっきりなしにしながら、“Don’t stop thinking”で一生懸命走らせたつもりでしたが、なんと、最後の最後にコースを外してしまい、四畳半ブローを掴んで躍り出た〈Zephyr〉に再び前に行かれてしまいました。

はー、詰めが甘い。でも最後までがんばりました。16時49分、無事フィニッシュ。


色々あったけどフィニッシュしたどー!

結果はDクラス15艇中6位でした。下方修正した目標はクリアしたけれど、うーん、残念です。でも、全てうまくやって、それでもラッキーが重ならないとなかなか勝てないのがこのレース。まわりはベテランセーラーばかりだし、これが実力なので仕方ありません。いちから出直して、来年またチャレンジしたいと思います!



自身11回目、マッキーとの女性コンビでは7回目のチャレンジが終わりました。最初の頃は、何も考えずにもっとイケイケホイホイでやっていたように思います。
 でも経験って、失敗も成功も怖い思いをすることも全てひっくるめてのものであり、色々なことを実際に自分の操船で身を以て経験して初めて、経験として蓄積されていくんだなと考えるようになりました。まだまだ勉強が足りません。ディスタンスレースって、本当に何回やっても学ぶことばかりです。


ライバル艇<ゼファー>の二人。でっかいなー。来年は前走らせてもらいますよ!

レースが終わって、今はさわやかな気持ち。フィニッシュ直後は悔しさも残っていたけれど、パーティーで顔を合わせた途端、みんなクシャクャの笑顔になって、あーだった、こーだったと盛り上がりました。

 そして、表彰台に上がったライバル艇の皆さんに盛大な拍手を送りました。このさわやかな達成感は、走った人だけが味わえるご褒美かもしれません。来年も、きっと出ます!!


初島ダブルハンドヨットレース2014 レース結果はこちら

ビーサンネタはバルクヘッドマガジンにも連載中です。
BULKHEAD MAGAZINE「連載 ヨットレース繁盛記」

 
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 第64回大島レ... トウキョウズ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。