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光源氏は超能力者

2012-07-26 18:58:39 | 読む
夢枕獏「秘帖・源氏物語 翁」角川文庫
へえ、源氏物語ですかと思ったのですが、
源氏物語なんですが、
どっちかというと「陰陽師」のスピンオフみたいな雰囲気。
主人公の光の君は生まれついての、もののけが見える体質(?)で、
そのために氷のような美貌ながら、凍りついたような性格になってしまっていて、
妻である葵の上にとりついた得体の知れない妖怪を祓うためにコンビを組むのが、
蘆屋道満!

「陰陽師」でいつも安倍晴明の邪魔をしたり、敵対してた存在だよね。

もとは秦道満というんだって。
つまり、秦氏の一族。
この物語は、渡来人の秦氏、その寺の太秦寺が重要なポイント。
聖徳太子は厩戸皇子、厩つながりでキリストだとかなんとか言われたりするけど、
そこをちゃっかり使ってます。
聖徳太子がキリスト教を許したことになっていて、
表向きは仏教の寺である太秦寺は実はキリストを拝んでいた、と。
三本の柱の珍しい鳥居は、三位一体を表しているのだ、と。オオ!

ギリシャ神話(?)も出てくるの。
ミノス王の迷宮や黄金の魔法、ゴルディアスの結び目も出てくる。
中編なんだけど、大変な物語になってて、おもしろかった。

道満と光の君のコンビは、本家のさわやか美形コンビとちがって、
もののけの世界のほうに近いです。
これはこれでおしまいなのかしら。
シリーズ化は?

今日の歩数計:3,193歩
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