今年2月のローザンヌバレエの決勝を、6月24日に放送していたのを見た。
元バーミンガムロイヤルバレエ団の山本康介さんがゲスト解説。
この山本さんの評が、私はとても興味深かった。
前半はクラシック。
私が端正だわ!と思ったロシアの男子も、しっかり安定してるなぁと思った中国の女子も、
山本さんは、腕の使い方がよくない、短く見えるとか、固すぎるとか、はあ、そういうものかと思った。
中国の女子はアテール(かかとを上げてない状態)の基本ポジションが甘い。
あとで出てきた中国女子も、すごくきれいな人で脚長くて華やかで、わあ!と思ったんだけど、
「容姿端麗で美しいですね。でも、ちょっとポジションが甘い。5番がきちんと入ってない」
それと山本さんの評でおもしろいなと思ったのは、見せ方が強すぎるというのがあった。
見せ方が弱いと言った人もいたので、程よいアピール度が(山本さんの中で)あるんだと思う。
衣装も、コンクールだから自分をできるだけよく見せようというのはわかるが、
役を越えて派手なのはどうかと言ってたし、古典には古典の見せ方があると。
ブラジルの女子、ガウヴォンさん。
出てきたとき、小柄でマリシア・ハイデに似てるなぁと思った。紺色の衣装がステキだった。
山本さんは「素養も申し分ないが、腕の使い方が気になる。腕のポジションが違うところから出てるような」
日本からは男子の森脇くん、女子の大木さん。
2人とも、顔が大きい!と感じちゃった。
イヤ、いまの子たち、日本人でも顔小さい人が多いのよ、だから。
大木さんはかなり小柄な人だと思う。
山本さんは、森脇くんは力強くて清潔感もあるが、「膝のうしろのストレッチが足りないような」
大木さんについては、
「とてもていねいに踊っている。ロシア版の古い振付を変えずにそのまま踊っているのが好感が持てる」
自分の得意技を見せるためにアレンジしてる人もいるから。
アメリカの男子で、お!これは王子様だねえ!という感じの人がいたけど、
山本さんはやっぱり「身体条件は申し分ないが、5番ポジションをもうちょっときちんと」
特に男子は、ジャンプの前と着地は目立つよね。
中国女子の郭さん、「ドン・キホーテ」のキューピッドを踊ったんだけど、ステキ!
シンプルな衣装でスタイルのよさが目立つ、キュートで魅力的だった。
山本さんは「振付をきちんとこなすことによって役が見せられる、すばらしいですね」
アメリカの男子で、私が、なんかカラテカの矢部さんみたいと思った人がいたの。
山本さんは「もう少し筋力がついてくるのを待ちましょうか」
カナダ男子のシェール・ワグマンくん。
出てきてポーズを決めた瞬間、これはルジマトフのタイプだ!すでに「見得の切り方」を知ってる。
山本さんは「オリジナルの振付にかなり難しい技を織り込んでいるんですが、
最後なんかはむしろオリジナルをもう少しきちっとやったほうがいいかな。
ただ、彼はパワーがありすぎるくらいなので(笑)。
見せ方はすばらしい」
後半はコンテンポラリー(現代舞踊)。5曲の候補曲があって選べるんだそうです。
このコンテがとてもおもしろかったの。
どの人もクラシックより思い切り踊れてる感じがあって、
単に動いてるだけじゃなくて、ちゃんと表現になってた。
むかしはクラシック育ちの人の踊る現代舞踊って、きれいに動けるけれど動いてるだけになりがちだった気がする。
いまは、バレエでは絶対使わないような肩や腰や背中の動きも、自由にできてるし、
みんな10代なのに、ちゃんと踊りになってた。
日本の森脇くん、大木さんもクラシックよりコンテのほうがよかった、生き生きしてて。
中国の郭さんも、ゾンビみたいな奇怪な表現があったりするのもおもしろくできてて、表情もあって、表現力がある。
ガウヴォンさんも、コンテがすごくよかった。
山本さんも、ジュニアの子たちのコンテのレベルが上がっていると言ってた。
やっぱり難しいのはコミカルなものね。
なかなかコミカルに見えない。
ルジマトフ二世のワグマンくんはコンテもこなれてて、惹きつけられる。
山本さんも「身体能力もすごいし、スター性も十分」。
入賞の発表は、山本さんは「ちょっと意外です」と連発。
クラシックの基礎としてどうかと思う人がけっこう上のほうで入っていたので。
もっとほかにいたのでは?とも言ってた。
1位はワグマンくん!おお!
山本さんもこれは文句ないと。
山本さんの総評は、みんな、身体条件、要素は申し分ないが、腕の使い方が固い人が多い。
どうしても飛ぶ、回るということに気が行きがちだが、腕の使い方や肩や顔、目線が大事だ。
山本さんが立ってやってみせてくれたので、違いがよくわかった。全然違って見える。
ジャンプも、足を開くことに一生懸命になってしまうが、
ジャンプとは乗り越えて体重を移動させることが基本、
そういう基本の理屈を理解しないとだめだ。
外旋(外向きの脚)の立ち方がなぜ重要かという理屈も、実際に見せてくれて、納得。
いろいろおもしろかったです。
元バーミンガムロイヤルバレエ団の山本康介さんがゲスト解説。
この山本さんの評が、私はとても興味深かった。
前半はクラシック。
私が端正だわ!と思ったロシアの男子も、しっかり安定してるなぁと思った中国の女子も、
山本さんは、腕の使い方がよくない、短く見えるとか、固すぎるとか、はあ、そういうものかと思った。
中国の女子はアテール(かかとを上げてない状態)の基本ポジションが甘い。
あとで出てきた中国女子も、すごくきれいな人で脚長くて華やかで、わあ!と思ったんだけど、
「容姿端麗で美しいですね。でも、ちょっとポジションが甘い。5番がきちんと入ってない」
それと山本さんの評でおもしろいなと思ったのは、見せ方が強すぎるというのがあった。
見せ方が弱いと言った人もいたので、程よいアピール度が(山本さんの中で)あるんだと思う。
衣装も、コンクールだから自分をできるだけよく見せようというのはわかるが、
役を越えて派手なのはどうかと言ってたし、古典には古典の見せ方があると。
ブラジルの女子、ガウヴォンさん。
出てきたとき、小柄でマリシア・ハイデに似てるなぁと思った。紺色の衣装がステキだった。
山本さんは「素養も申し分ないが、腕の使い方が気になる。腕のポジションが違うところから出てるような」
日本からは男子の森脇くん、女子の大木さん。
2人とも、顔が大きい!と感じちゃった。
イヤ、いまの子たち、日本人でも顔小さい人が多いのよ、だから。
大木さんはかなり小柄な人だと思う。
山本さんは、森脇くんは力強くて清潔感もあるが、「膝のうしろのストレッチが足りないような」
大木さんについては、
「とてもていねいに踊っている。ロシア版の古い振付を変えずにそのまま踊っているのが好感が持てる」
自分の得意技を見せるためにアレンジしてる人もいるから。
アメリカの男子で、お!これは王子様だねえ!という感じの人がいたけど、
山本さんはやっぱり「身体条件は申し分ないが、5番ポジションをもうちょっときちんと」
特に男子は、ジャンプの前と着地は目立つよね。
中国女子の郭さん、「ドン・キホーテ」のキューピッドを踊ったんだけど、ステキ!
シンプルな衣装でスタイルのよさが目立つ、キュートで魅力的だった。
山本さんは「振付をきちんとこなすことによって役が見せられる、すばらしいですね」
アメリカの男子で、私が、なんかカラテカの矢部さんみたいと思った人がいたの。
山本さんは「もう少し筋力がついてくるのを待ちましょうか」
カナダ男子のシェール・ワグマンくん。
出てきてポーズを決めた瞬間、これはルジマトフのタイプだ!すでに「見得の切り方」を知ってる。
山本さんは「オリジナルの振付にかなり難しい技を織り込んでいるんですが、
最後なんかはむしろオリジナルをもう少しきちっとやったほうがいいかな。
ただ、彼はパワーがありすぎるくらいなので(笑)。
見せ方はすばらしい」
後半はコンテンポラリー(現代舞踊)。5曲の候補曲があって選べるんだそうです。
このコンテがとてもおもしろかったの。
どの人もクラシックより思い切り踊れてる感じがあって、
単に動いてるだけじゃなくて、ちゃんと表現になってた。
むかしはクラシック育ちの人の踊る現代舞踊って、きれいに動けるけれど動いてるだけになりがちだった気がする。
いまは、バレエでは絶対使わないような肩や腰や背中の動きも、自由にできてるし、
みんな10代なのに、ちゃんと踊りになってた。
日本の森脇くん、大木さんもクラシックよりコンテのほうがよかった、生き生きしてて。
中国の郭さんも、ゾンビみたいな奇怪な表現があったりするのもおもしろくできてて、表情もあって、表現力がある。
ガウヴォンさんも、コンテがすごくよかった。
山本さんも、ジュニアの子たちのコンテのレベルが上がっていると言ってた。
やっぱり難しいのはコミカルなものね。
なかなかコミカルに見えない。
ルジマトフ二世のワグマンくんはコンテもこなれてて、惹きつけられる。
山本さんも「身体能力もすごいし、スター性も十分」。
入賞の発表は、山本さんは「ちょっと意外です」と連発。
クラシックの基礎としてどうかと思う人がけっこう上のほうで入っていたので。
もっとほかにいたのでは?とも言ってた。
1位はワグマンくん!おお!
山本さんもこれは文句ないと。
山本さんの総評は、みんな、身体条件、要素は申し分ないが、腕の使い方が固い人が多い。
どうしても飛ぶ、回るということに気が行きがちだが、腕の使い方や肩や顔、目線が大事だ。
山本さんが立ってやってみせてくれたので、違いがよくわかった。全然違って見える。
ジャンプも、足を開くことに一生懸命になってしまうが、
ジャンプとは乗り越えて体重を移動させることが基本、
そういう基本の理屈を理解しないとだめだ。
外旋(外向きの脚)の立ち方がなぜ重要かという理屈も、実際に見せてくれて、納得。
いろいろおもしろかったです。