よむよま

よむ・よまない、それから。

媚びないめげない挫けない梶芽衣子・ゴロウデラックス

2018-06-17 22:24:05 | 見る
5月18日のゴロウデラックスは梶芽衣子ゲストだった。
著書は自叙伝「真実」
副題に付いている、媚びない・めげない・挫けないは座右の銘だそうだ。
ゴローちゃんは「僕にはないものばかり、媚びるしめげるし挫けるし。でも、僕は立ち直りは早い」

梶さん、芸歴54年なんだって。71歳だって!
スカウトされて芸能界に入った梶さんは、右も左もわからないままカメラの前に立ち、
「新人といっても、カメラの前に立てばプロだ!ちゃんとやれ」と言われ、
「できません、わかりませんと言うな!」と言われ。

デビュー7年後、結婚して引退しようとしていた25歳のとき、
「女囚さそり」シリーズが大ヒットして、次々とスケジュールが決まり、環境が激変。
契約もあり、辞められない。
結婚したら仕事はやめるのが彼の条件だったから、結婚できない。
別れるとき、彼が言った言葉が、
「誰とも結婚するな。死ぬまで仕事を辞めるな」

35歳のときニューヨークに3ヶ月留学した。
ブロードウェイで舞台を見て、その舞台に立つ俳優たちがオーディションや代役の売り込みで仕事を得て食べていく。
街じゅうが俳優たちを支えているのを見て感激する。
人生観が一変して、日本に帰ってきてからの梶さんは、どんな役でもやろうと思うようになった。
それまでやったことのなかった普通のおばさん役も引き受けた。

ゴローちゃんが、バラエティやテレビの仕事は、やったことのないことをやらせようとしますよねと言うと、
映画「十三人の刺客」の話になった。
「拝見してびっくりしました」と梶さん。
あの殿様の最期は首を斬られ、その首が吹っ飛んで転がる。それを見て驚いたんだと。
むかしの映画会社の主役級のスターさんは、そういう死に方の描写はあり得なかったから。
ああ、なるほど!
スターさんは死に方も美しくないといけなかったのね。

「十三人がすべてすっ飛んでた、あなた一人だけが光ってた!」と梶さんに絶賛されて謙遜するゴローちゃん。
あのお役は難しかったでしょう?と聞かれ、
「それが申し訳ないぐらい、すっと入っていけまして」
三池監督は、アイドル育ちのゴローちゃんを見ていて、
コイツは浮世離れしてると思ったらしい。

ゴローちゃんのほうは、来た仕事を一生懸命やっただけで、こんなに皆さんに褒められるとはという感じなのね。
最初はてっきり十三人の一人なんだろうと思っていたそうだ。
成功したのは、敵の役所広司さんの力、そして家老の市村正親さんがとても暖かく包み込むようで、
「僕はほんとに殿様気分で(笑)」
市村さんの家老は難しい役だったね。
正義はこちらにないことは承知していて、それでもお守りするのが自分の役目という。

梶さんの生涯の重要な役となった「鬼平のおまさ」役について。
梶さんは新聞記事で、中村吉右衛門が連ドラで「鬼平」を撮影開始したというのを見て、
なんとかして出たい!と切望、
レギュラーは無理でも、何の役でもいいからと頼み込んで、第5話からの出番だからともらったのがおまさだった。
2016年、「鬼平」は28年間の歴史に幕を下ろした。
終わったときは、「何にもなくなっちゃったなぁ」とからっぽな気持ち、
明日からはもう撮影がないと思うと、また泣けて。

「鬼平」は最初に吉右衛門のお父さんの幸四郎でドラマ化するときに、
池波正太郎が、原作にないものはやらないことを条件にしたんでしょ?
つまり「銭形平次」みたいに、ドラマを続けたいがために、もう原作は種切れになってるのに、
ドラマ独自の脚本で作り続けることを拒否した。

梶さんはいま、歌をやってるのね。
若い音楽プロデューサーが「ロックを歌いましょう」とやってきて、
いまはロックのライブをやるのが楽しくてしょうがない。
「ゴローさんもお歌はやめてないんでしょ?」
「ハイ、もちろんもちろん」
「絶対やめないで!」とすごく強い声で言われてタジタジのゴローちゃん。
今回の梶さんのお話がとてもおもしろかったので、
「ライブでぜひ長いトークコーナーをやってくださいよ」と言ったら、
「それじゃさだまさしさんになっちゃう(笑)」

ほんとに、元気いっぱいでおもしろかった。
その後、私は、書店で梶さんのこの本「真実」と春日太一の岩下志麻の本が並んでいるのを見て、
あっ、ゴロデラのあれだ!と思って、両方買っちゃいました。
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