よむよま

よむ・よまない、それから。

祖父江慎・本のデザイン・ゴロウデラックス

2016-07-27 22:20:40 | 見る
本のデザイナー祖父江慎をゲストのゴロウデラックス、
この人、おもしろい人ねえ!

字体の研究をするために、「坊ちゃん」が書棚にずらずらずらーっとある。
(事務所におじゃまして話してるの)
「坊ちゃん」が書かれてから100年、字体や組み方の見本としては格好の書物だそうだ。
お風呂で読めるように水に濡れても大丈夫な材質のものもあり、
豆本もあり、大きな印字のものもあり、同じ大正時代のものでも発行年によって体裁が違ったり、
これは貴重な資料ですねえ。

印刷の実験も種々さまざまやっていて、すごく印刷所が大変そう。((+_+))
だって、カレー粉をインキに入れたり、著者のひげを入れたりしてるのよ!
カレー粉のはもうやらせてもらえないと言ってた、
やっぱり印刷所があとで大変だったって。そりゃそうでしょう!
酢醤油を入れたのもあった。これは腐って変質していくポスターを作りたかったんだって。

絵だけではなく、本の中身の文字も凝る。
恩田陸の「ユージニア」は、作家からの注文が、
「読んでいて、だんだん具合が悪くなるような、めまいがするような印象に」というもの。
祖父江さんは漢字、かな、カタカナをそれぞれ字体を変えたり、「、」は古い字体にしたり、細かい工夫をした。
実際の本を見たごろーちゃん、
「わかんない!これ、いくら本好きな読者でもわからないでしょう」
それでいいんだって。
なんとなく違和感、微妙にミョーな感じがするのでいい、はっきりこうしましたとわからせたくない、と。

ブックデザイナーである自分は「助産師のようなもの」
本は著者のものであって、自分の子どもではない、自分は世に生まれ出るのをお手伝いする役。
すばらしい考え方ね。
どうしても、自分のデザインが、自分が自分が、となりがちだよね。

ごろーちゃんが「CDジャケットにもいいよね」と言ったとき、
祖父江さんはうれしそうに「言ってくださいよ!やりますよ」
ぜひ、56枚目を。
コメント
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