よむよま

よむ・よまない、それから。

上石原の勝太

2011-08-12 21:52:00 | 読む
いま京極夏彦の「豆腐小僧」なる小説を読んでいるんですが、
これがまた立たせると自立する厚みなんですが、
表紙の絵がかわいくて買っちゃったんですが、
豆腐を持った小僧姿の妖怪の話なんですが、
語り口調が落語か講談かという感じのわりに、
ものすごく理屈っぽいの。
テーマとしては「妖怪の実存と証明」的な?

だって、「妖怪とは概念である」っていうんだもん。
現象を伴った概念であるって。

それはさておき、この小説の時代が幕末なんですな。
土佐の浪士にたぬきの妖怪がくっついていて、
「おまんはナントカカントカ~ぜよ」とか言うから、
ははあ、そういう時代かとぼーっと読み進んでいたら、
突然にそれは出現した。
江戸に出てきていた百姓の男が田舎に帰り、言った言葉が、
「おらァ上石原の勝太みてえになりたかったんだが、中々上手くはいかねェ」
!!!
上石原の勝太ァ!?
新選組局長・近藤勇の幼名ですな。
つまり、この百姓男はさむらいになりたいと出て行ったが、
うまくいかずに戻って来た男だったというわけ。

もォ、脈絡なく急に出たからびっくりですよ。
このあとは関係ないのかしらん?名前だけですか?
題名や表紙から、コミカルな妖怪話と思ったが、
文化、社会、概念、それに歴史、
いったいこの話はどこへ向かって行くのかなぁ。まだちょうど半分。

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コメント
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