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日本海軍400時間の証言・その1

2011-08-30 18:24:41 | 読む
NHKで2009年の8月に放送された「日本海軍400時間の証言」
その番組の取材班が当時の取材状況や資料、取材した人々などについて書いた本を読んだ。
読み終わって最も強く感じたのは、
歴史はいつでも同じことを繰り返しているということだ。
陸軍も海軍も、それぞれがそれぞれの組織のことしか考えず、
誰も国全体のことなど考えていない。
この器の小ささは馴染みのあるものだ。
幕末史ものを読むたびに感じることだから。
誰も国のことなど考えていない。
自分の属するグループ、組織、藩、それが優位に立つこと。それだけだ。おんなじだ。

開戦のきっかけは、予算の獲得のため。
追い詰められたからではない。
アメリカが石油供給を止めるのは、日本が動いてから後。
戦争をするんだということになれば、軍備増強の理由で、
どんどん予算が取れる。
というわけで、戦争に向けた動きを始めた。
するとアメリカが怒ったのだ。
これが日本にとっては「想定外」の怒りだった。
そんなに怒らないだろうという読みだったので。

もちろん戦争をするとどうなるかは検討された。
当然、普通に計算すると、日本は負けるという答えが出る。
そこで、うまい答えが出るように作られた判定表というものがこしらえられ、
それを使って、現実とはかけ離れた回答を出すことができた。

始った戦争はどんどん戦域が拡大していき、
軍令部の参謀たちは目の前のことに対処するだけで精一杯。
誰も全体を見通している人はいない。
長期的な見通し、どう戦争を終わらせるか、誰も考えていない。

(つづく)

今日の歩数計:7,003歩
コメント
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