硝子戸の外へ。

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不登校にまつわる思想。

2022-10-28 11:07:05 | 日記
不登校の子供たちが増加していると、ラジオやテレビ、新聞等のニュースで知った。

僕自身は学校に通いたくなかったが、それ以上に、苛烈な軍国主義の中で育った父と、世間体を重視する母の前では、どうすることも出来ず、無理無理に学校に行っていた。
だから、生きづらさを覚える子供たちの気持ちや学校へ行く事の苦痛さもよくわかるが、なぜそんな事になってしまっているのだろうか。
豊かな時代になり、平和であり、好きな事ができる国であるのに、不登校になる理由とは何だろう。そこにどんな闇があるのだろうか。

今の少年少女達の親御さんは、40代前後であろうと思う。
その世代は日本が豊かになり、個人主義が多数派になりつつある時代に、子供だった人たちである。
多数がハイブランド志向で、携帯電話が当然のアイテムになり、20代にはネットが整備された世代である。

その恩恵を受けている世代が、様々な理由で学校に通えなくなっている。

もし、問題があるとしたら、逆説的ではあるが、ハイブランド志向と、携帯電話と、ネットが不登校を助長しているのではないだろうか。
もっと、大きく例えるのなら、「そこに携わった人々の思想」が、彼らの子供たちに影響を与えているのではと思う。

そして、ハイブランド志向の個人主義がむき出しの大人と共に生きていれば、自然にハイブランド志向の個人主義がむき出しになるであろうし、インターネットでは、どうしても自己肯定してくれる言葉を自身で選んでしまうシステムでもあるので、情報において抗体が付いていない子供にとっては、自身の殻を強化するだけになり、繰り返していれば思考は硬直してゆく。
そこには、強さを疑わない人と、ありきたりな強さを疑う人と、自身の弱さに絶望する人が生まれ、集団行動と言う場では、ありきたりな強さを疑う人と、弱さに絶望した人が零れ落ちてしまうのは、校則とか親の思想ではどうすることも出来なくなる。

日本は江戸時代に続いて2度目のルネサンス期を迎えているように思う。
経済はさておき、文化や芸術や競技が世界に向けて花開いているのは、それ以前の世代が豊かさを獲得したからである。
その豊かさを、いかにして次世代に還元し、才能を伸ばしてゆくかを、うまくつかんだ人たちが現代の成功者であるように思う。
しかし、その反面、搾取される人も多く存在してしまうのは歴史的に見ても、避けられない事象なのではないかと思うが、時代が進んでいても政治が硬直している間は、教育や福祉はどうにもならないであろうし、そもそも新自由主義とはそういう思想だったのではないかと思った。






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