硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

幸せはあるいてこないけれど。

2013-05-14 19:15:03 | 日記
自転車で信号待ちをしていると、左方向からポルシェが水平対向サウンドを轟かせながら走ってきた。新型の911ターボであった。 スーパーカーが大好きだった少年時代に好きだった一台である。スタイリングは随分変わったけれど、面影を残しつつデザインされたボディ形状は見とれてしまうほど美しい。

「美しい車だなぁ」と見とれていると、助手席にモデルさんのようなきれいな女性がシートに身を沈めているのが見えた。

「ああ。美しい人だなぁ」と感心し、ドライバーに目をやると、ポロシャツ姿が眩しい20代後半の爽やかな青年である。

推定2千万円する911ターボである。それを購入し維持している事から考えると、彼の年収は1億円に近いくらいはいただけているはずである。

思わずため息。

きれいな彼女と美しい車。彼はきっと幸せに違いない。彼女は彼のどこが好きになったのだろうか。エグゼクティブクラスのみ接続可能な場所で知り合えたのだろうか。彼の仕事はどんな業種であろうか。等、妄想をふくらましてゆくとなぜか笑いがこみあげてきた。

そして幸せとは何ぞやと改めて考える。

僕には沢山のお金はないけれど、生活してゆけるだけのお給料がもらえる職があり、いろいろ思い悩む事があるけれど、帰ってゆける家があり、未だによく分からない不思議な妻と3匹の猫と元気でいてくれる母がいる。

目標も見失い、只毎日を漠然と生きているだけであるけれど、それでも、これで十分幸せなんだろうなと思ったのです。


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