南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 かつて熊本市にあった市内随一の百貨店『大洋デパート』。
 当時、私の母は、市街地へ出掛けることを「大洋に行く」と言っていたそうだ。それほど、大洋デパートは市民に愛された百貨店だったのだ。


 その百貨店で発生した未曾有の大火災、大洋デパート火災(昭和48年11月29日)。
 熊本市民ならば誰もが記憶する大災害の1つで、史上最悪の100人を越える犠牲者を出したのだ。

 大火災後も建物は修復と改修を重ね、オーナーも「城屋」「ダイエー」と変わりながら今日現在までずっと存続していた。
 しかし、火災から昨日(11/29)で40年。
 老朽化に伴い、来年、ついに解体されることが決まったのだそうだ。


 大火災を起こした建物が未だに現役で使用されていることはある意味凄いことかも知れない。
 しかし、建物は天井がとても低く、また柱が異常に太くなっており、さらにはエレベーターも「いったい何年前の機種だ?」という状態で、現代のビルとはとても似つかない現況をしている。
 柱が太いのは、火災で耐力が落ちたために補強改修をしたんだそうだ。あまりに太いので“鏡張り”になっている。
 (それと、“見える人”には、トイレだとか階段だとかエレベーター内に、そう、見えるんだって…)



 老朽化が顕著だし、耐震性も間違いなくアウトだろうから、取り壊しはいたし方のないことだろうが、いざ解体って聞くといろいろな思いを巡らせる人が多いのではないだろうか…。
 今となっては、犠牲者の冥福を祈るのみである。

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