さくらさく らさくらさくら 万の死者

2011年12月27日 | 人生はメンタルだよな
今晩友人に教えてもらった俳句です。すこし、文字の並びを変えてみます。


さくら
さくら
さくら
さくら
万の死者

こうやって見ると、桜の花びらが万の死者の上にふりそそいでいるように見えます。

"ら"という言葉には元来"多くの"という意味があるようです。

君ら
子供ら
そこら(中)

そのように"ら"をとらえると、"さくら"という言葉にも別の視点が見い出せます

"咲く"+"ら(多くの)"

まさに桜は、春には多くの花を一斉に咲かせます。そして、はらはらと花びらを散らしていくのです。

この句をもう一度眺めなおすと

ら、ら、ら、と重ねることで"万"の重さが強調されていると理解できます。

桜の根元には死者がいるというイメージと、今回の震災で万の人が亡くなられたことを、桜のはかなさに重ね合わせて、さらに、毎年春になれば咲き誇る桜に希望を託して詠まれた歌である。

と、私は受け止めさせていただいたことであります。





最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さくらさくらさくらさくら (イスキア)
2011-12-29 12:20:16
とても悲しい俳句です。さくらという言葉によって、極めて日本人的な情がシンクロしてゆきます。これがイタリアで翻訳されて披露されたとありました。イタリアの人はどう感じたのでしょうか?
この作品は日経俳壇で、選者黒田杏子さんの今年の十選に選ばれておりました。すみません。作者は失名しました。このエントリー、とてもいい解釈だと存じます。俳句は省略の文学。それぞれ受け手の読者が感じるに任せる。その余韻がとても深い作品だと思います。広告もそうありたいと願っています。
返信する
「ら」、勉強になりました。 (たぬきのぽんた萌え)
2013-09-23 01:44:54
失礼ながら、確認もさせて頂きました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%95%E3%81%8F%E3%82%89#.E8.AA.9E.E6.BA.90
ありがとうございました。

恥ずかしながら知人の記事で、つい先刻この句を知りました。
http://mainichi.jp/feature/news/20130918dde012040007000c.html

区切り方を探してググって、こちらのブログに出会いました。

また、こういう御意見もありました。
http://blogs.yahoo.co.jp/irashi50/61876602.html

私としては、どの区切り方も正解だと思います。というか区切り方で微妙に印象を変える、マルチ俳句なのではないでしょうか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。