フカヒレ姿煮あんかけ炒飯:北浜北京飯店

2009年01月18日 | 人生は食である。
え~~~、世の中には"なにもそこまでするこたぁねぇだろう"という食べ物というものがいくつかございましてな。

例えば、名古屋に参りますと「小倉トースト」というものがございますな。
厚めにスライスした食パンをトーストした後に、マーガリンまたはバターを塗ってうえに、小倉餡を乗せたものでございます。
まあ、前の日にしこたま、ご酒をいただいた朝の胃袋にはとてもじゃないけど、いただくわけには参りません。
しかし!さくっとしたトーストの歯ざわりと、こってりと甘い小倉餡が口の中一杯に膨らんで、こぅ、なんとも贅沢な食べ物でございます。

カップラーメンにも「ミルクシーフードヌードル」というものがございます。聞く所によると、シーフードヌードルをホットミルクでつくるお方が結構いらっしゃったらしく、それを製品にしたというものだということでございます。
かく言う私メ、ご相伴に預かったことはございませんのですが、牛乳とラーメンとのミスマッチがまことに深い味わいをかもしだしている、ということで、ご好評だということでございます。

さて、本日ご紹介いたしますのは、上方は大阪市、中央区の北浜にございます老舗中華料理屋の北京飯店で最近メニューに加わりました、その名も「フカヒレ姿煮あんかけ炒飯」でございます。

北浜北京飯店のフカヒレについてはこちらのblogにもご紹介がありますように本格的なのに、実にお安い。
で、言うまでも無くこちらの炒飯は、北京仕込みの本格炒飯。お米の一粒一粒がパラパラと、こう、お口の中でラインダンスを踊ります。

それぞれ、とても美味しい物を一つの皿にもってしまう。

まさに"なにもそこまでするこたぁねぇだろう"という品でございます。
でもね、そこのお客さん。いっぺん喰ってみりゃぁわかりますがね。

フカヒレの"ぷりぷり"。炒飯の"ぱらぱら"。あんかけの"と~ろとろ"。こいつらが、口の中で踊り狂うわけでございますよっ。

フカヒレが、ぷ~りぷり。炒飯の飯粒が、ぱ~らぱら、つなぎのあんかけ と~ろとろ。ぷ~ぷりのぱ~らぱら。思わずお酒をぐ~びぐび。レンゲがお皿をちんちろりん。

ぱ~らぱら の と~ろとろ♪
と~ろとろ の ぷ~りぷりっ
♪ぷ~りぷり の ぐ~びぐび。
あいまにレンゲがちんちろりん。

ぱ~らぱら の と~ろとろ♪
と~ろとろ の ぷ~りぷりっ
♪ぷ~りぷり の ぐ~びぐび。
あいまにレンゲがちんちろりん。



「うるさいねぇ。この人は・・・八つあん、なにいってるんだい?」
長屋の壁は薄いから筒抜けです。
「あっ聞えちまったかい。稽古してるんだよ、めしを食う・・・しかし、ありがてぇな」

あれ?落語の"たらちね"になっちまいましたね。これは そそうをいたしました。

いずれにいたしましても、こんな不景気なご時世でございますので、ぜひ一度北京飯店のフカヒレ姿煮あんかけ炒飯を食べに行かれるべきでございますでしょう。

なぜって、

醒めるも妬くも案次第と。

お後がよろしいようで  テケテン